
同社は、証券会社の一角として業績が証券市場の動向に左右される不確実性があるとして業績予想を開示せず、それに代わって四半期業績の速報値を早期に発表している。前期業績は、第2四半期(2Q)累計業績速報値発表以降に業績のV字回復とともに、連結配当性向を50%以上とする配当政策に従って、相次いで増配を実施し、株価も今年の年初来高値まで約4倍の大化けを演じた。
今期1Q業績は、決算開示方針に従って7月第3週までに開示予定の速報値を待たなくてはならないが、5月23日の日経平均株価の年初来高値更新とそれ以降の株価急落、債券価格の急落など強弱市況が交錯し、受入手数料、株券、債券などのトレーディング損益がどう推移したか、予断を許さない。
ただ前年同期の前期1Q業績は、欧州財政危機などの影響で市況が悪化した影響で減収減益転換し敷居が低くなっているだけに、持ち直しも期待できることになる。東洋経済会社四季報夏号では、今3月通期を大幅続伸、連続の過去最高純利益更新、連続増配と観測しているだけに好決算思惑につながっている。
株価は、5〜6月の全般相場急落で6月には東証第1部月間値下がり率ランキングの48位と売られたが、前期実績ベースでPERは10倍台、配当利回りも、前期配当82円ベースで4.9%と大きく割り負けており、大出直り展開をサポートしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)