アトム<7412>(東2)に注目したい。居酒屋、洋食、寿司、焼肉、和食などの外食チェーンを展開し、新規出店、業態変更・改装、不採算店閉鎖などの効果で収益改善を鮮明にしている。株価は短期的な過熱感が解消されて再動意の態勢のようだ。
今期(13年3月期)連結業績見通しは、売上高が前期比8.5%増、営業利益が同30.1%増、経常利益が同16.0%増、純利益が同15.0%減としている。純利益は税効果一巡で減益だが、新規出店効果に加えて既存店売上高も順調に推移しており、営業損益が改善する模様だ。通期予想に対する第3四半期累計(4〜12月期)の進捗率は、売上高が72.4%、営業利益が70.2%、経常利益が73.0%、純利益が86.3%と概ね順調な水準である。
飲食事業直営店舗売上高(前年同期比、概算値)を見ると、13年1月は全店106.4%(居酒屋103.4%、洋食125.2%、寿司100.4%、焼肉105.9%、和食72.0%)、既存店100.4%(居酒屋93.4%、洋食109.5%、寿司96.2%、焼肉107.2%、和食95.6%)となった。既存店は2カ月連続のプラスである。また4〜1月累計で見ると全店105.2%(居酒屋106.5%、洋食119.2%、寿司96.9%、焼肉103.8%、和食75.6%)、既存店100.9%(居酒屋97.3%、洋食105.5%、寿司97.0%、焼肉107.4%、和食97.5%)となり、洋食や焼肉が好調を維持している模様だ。
株価の動きを見ると、上げ足を加速して2月5日に戻り高値となる686円まで上昇する場面があった。その後一旦反落して2月15日に511円まで調整したが、足元では600円近辺に戻して上値を窺う態勢となっている。営業損益改善を評価する動きが続いているようだ。3月1日の終値591円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円98銭で算出)は119倍近辺、今期予想配当利回り(普通株式に係る会社予想の年間2円で算出)は0.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS35円03銭で算出)は17倍近辺となる。
日足チャートで見ると25日移動平均線近辺、週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から反発し、サポートラインを確認する形となった。短期的な過熱感が解消されて再動意の態勢のようだ。収益改善見通しの評価に加えて、3月末に向けての株主優待権利取りの動きも予想され、上値追いの展開が期待されそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:52
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