[特集]の記事一覧
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記事一覧 (04/05)【東日本大震災】特集:災害発生直後から復旧・復興作業までの特需とは?
記事一覧 (04/04)「反原発」運動の再燃と「ジャスミン革命」の狭間で浮上する関連株とは?=浅妻昭治
記事一覧 (04/04)東日本大震災・原発事故での2つの心配と新しい取り組み:妻と夫の株ロマン
記事一覧 (04/01)東京電力の行方を見守りつつ、2つの真空を狙う相場=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (04/01)「東日本大震災復興」材料株からピックアップしてみた=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (03/28)なお平常時対応ではなく緊急時対応で東電株の一挙手一投足に一喜一憂=浅妻昭治
記事一覧 (03/26)リバウンド狙いの激しい短期売買と復興関連銘柄を物色=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (03/25)大震災義援金は証券界全体で7億円に=犬丸正寛の話題
記事一覧 (03/25)「被災地の物流」に取り組む企業をウォッチしてみた=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (03/23)目が離せない!マリコン(海上土木)各社に大浮上の転機=浅妻昭治
記事一覧 (03/22)【特集(7)・株式市場のリスク要因分析】主要各国の金融政策の動向
記事一覧 (03/22)【特集(6)・株式市場のリスク要因分析】福島原発事故、大震災復興
記事一覧 (03/22)【特集(4)・株式市場のリスク要因分析】原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク
記事一覧 (03/22)【特集(3)・株式市場のリスク要因分析】神経質な展開続く外国為替市場
記事一覧 (03/22)【特集(2)・株式市場のリスク要因分析】ほぼ休戦状態の国内政治
記事一覧 (03/22)【特集(1)・株式市場のリスク要因分析】リビア情勢が焦点の地政学リスク
記事一覧 (03/18)来週は復興特需への期待とマクロ経済悪化が交錯する相場=犬丸正寛の相場展望
記事一覧 (03/18)震災のニュースや経験から気になった銘柄をウォッチしてみた=田北知見の銘柄ウオッチ
記事一覧 (03/17)【特集】東北地方太平洋沖地震:電力不足と自家発電設備の整備促進
記事一覧 (03/14)【特集】阪神大震災時と東北地方太平洋沖地震の比較考察
2011年04月05日

【東日本大震災】特集:災害発生直後から復旧・復興作業までの特需とは?

 東日本大震災の甚大な被害を目のあたりにして、あらためて防災関連に注目が集まっている。
 一般的に言えば、地震、津波、台風、豪雨、竜巻、火山噴火などの自然災害対策関連としては、災害発生直後に被災者救済関連の特需が発生し、その後は時間の経過とともに、交通・通信やライフラインなどのインフラ設備、損壊した建物設備などの復旧・復興関連に特需が発生するだろう。そして次の段階では、災害発生に備えて被害を最小限に食い止めるための防災・減災関連などの需要増加も期待される。

【東日本大震災に関するニュース】
■東日本大震災復興特需関連銘柄一覧
■「復興特需関連銘柄特集」災害対策関連の注目度増す
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:37 | 特集
2011年04月04日

「反原発」運動の再燃と「ジャスミン革命」の狭間で浮上する関連株とは?=浅妻昭治

■石油・LNG開発関連株に再度のアプローチ

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー かつて「反原発」運動には、産油国から運動資金が提供されているとするウワサが盛んであった。「産油国黒幕説」である。真偽のほどは定かではなかったが、2度にわたる石油危機で価格決定権を増したOPEC(石油輸出国機構)と専守防衛に回った先進需要国連合のIEA(国際エネルギー機関)の攻防が激化するなか、なかなか説得力のあるウワサであった。経済合理性からしても、エネルギー安全保障のために原子力発電所の建設が拡大すれば、石油火力発電のウエートはそれだけ低下し、産油国の頼みの石油需要の減少につながるからである。「反原発」運動をオイルマネーがサポートしても不思議はないとみられた。

 この「産油国黒幕説」は、いまやまったく説得力を失った。当の産油国自体が、原発建設に踏み切っているからである。自国の電力需要は、原子力発電で充足させ、石油、LNGは輸出に振り向けるエネルギー政策だそうで、アラブ首長国、サウジアラビア、クウェートなどで原発建設が進んでいる。さらに、原発建設を凍結していた米国や英国、ドイツなどが、地球温暖化防止の一環から建設再開を打ち出し、「反原発」どころか原子力発電が復権する「原子力ルネサンス」へと様変わりとなってきた。

 東京電力<9501>(東1)の福島第1原子力発電所の事故が、この「原子力ルンサンス」に大きな冷や水を浴びせたのは、新聞、テレビで再三にわたり指摘されている通りだろう。世界的に「反原発」運動が再燃する可能性がある。ただこの「反原発」運動に「産油国黒幕説」が再登場する展開は、間違ってもまずあり得ないだろう。チュニジアの「ジャスミン革命」以来、北アフリカ・中東の「政権崩壊ドミノ」が、産油国にそうした余裕を与えるとは考え難いからである。

 前置きが長くなった。本論は、「反原発」運動が高まり、産油国の政情が不安定化しエネルギー・セキュリティーが揺らぐなか浮上する関連セクターは何かということになる。もちろん在来エネルギーの石油、LNG開発にブームが再来するという結論になる。海洋石油開発関連の日本海洋掘削<1606>(東1)三井石油開発<6269>(東1)鉱研工業<6297>(JQS)、LNG開発・生産関連のエンジニアリング大手の日揮<1963>(東1)東洋エンジニアリング<6330>(東1)千代田化工建設<6366>(東1)がまず注目となる。

 さらに日本では数少ない石油上流会社の国際石油開発帝石<1605>(東1)関東天然瓦斯開発<1661>(東1)石油資源開発<1662>(東1)もポートフォリオから外すわけにはいかない。大手商社もこの関連株となるが、原子力関連開発と二股の企業もあり、化石燃料ウエートの比較的高い三井物産<8031>(東1)三菱商事<8058>(東1)あたりまでにとどめるのが無難かもしれない。

 福島原発事故では、放出された放射性物質を地表で固定化する飛散防止剤で栗田工業<6370>(東1)が急騰したり、放射能測定の線量計で理研計器<7734>(東1)がストップ高するなど、日替わりメニューで関連株が登場している。石油・LNG開発関連株も、大震災発生でリスク回避売りに見舞われて急落し、急落前の水準までリバウンドしたところだが、2段上げの待ち伏せ買いで可ということになる。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:27 | 特集

東日本大震災・原発事故での2つの心配と新しい取り組み:妻と夫の株ロマン


妻 東日本大震災怖かったですね。被災された方、お亡くなりになった方には本当にお気の毒です。お見舞いと、お悔やみを申し上げます。日本は地震列島の上にあるのだと、改めて、思い知らされました。

夫 地震に津波、しかも原子力発電所の放射能漏れまで加わった。今、われわれ日本人は、たいへんな試練に見舞われている。だけど、あの戦後を生き抜いて、繁栄させてきたのだから一致団結で乗り越えられると思う。

妻 わたしたちは歳ですから、お役に立てません。だけど、若いひとたちの言葉や行動は、すばらしいです。身の危険を承知で救助に当られている皆様にも頭が下がります。日本人のすばらしい心が感じられて涙が出ます。平和ボケして、だめな国民になったのかと思っていましたけど、「大和魂」は健在です。被災は大変なことですが、日本人の良さが健在だったことは救われます。

夫 そうだね。若いみなさんの、しっかりした言動は立派だと思う。間違いなく日本は立ち直ることができると思う。ただ、これだけの大きい震災だから、これまでとは違う、新しい国の有り様を考えるべきだと思う。今までと同じものでは、「災い転じて福となす」ことはできない。

妻 津波に強い地域作りですね。

夫 もちろん、それもある。同時に日本列島全体、日本社会全体を見直すことが必要だと思う。すぐにも取組まなくてはいけない「短期」的なことと、議論して取組まなくてはいけない「中長期」的なことがあると思う。真っ先にやらなくえはいけないことは、被災者の方々の住居と電気、ガス、水道の備わった日々の暮らしができるようにすることだ。もちろん、すでに、動き出していけるけど。それに、原子炉の放射漏れを収束させることだ。これが終わらないと本格的な復旧には手がつかない。桃子の今度の大震災で、「大変」と思ったことはどんなことだった?

>>全文を読む(東日本大震災・原発事故での2つの心配と新しい取り組み−株ロマン)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:01 | 特集
2011年04月01日

東京電力の行方を見守りつつ、2つの真空を狙う相場=犬丸正寛の相場展望

★しばらくは「鬼のいぬ間のひと稼ぎ」

東京電力の行方を見守りつつ、2つの真空を狙う相場=犬丸正寛の相場展望 来週(4〜8日)は、『東京電力の行方を見守りつつ、2つの真空を狙う相場』が予想される。3月11日の東日本大震災から、現在までに起きたマーケットの大きい動きは次の3つではないだろうか。

(1)東京電力<9501>(東1)の株価が大震災発生前・3月10日の終値2153円から4月1日には400円を割って399円と81.4%の大きな下げとなった。

(2)日経平均も3月10日の終値1万434円から15日には場中・安値8227円まで、わずか3営業日で21.1%も急落した。

(3)東証1部の時価総額が3月10日の321兆3622億円から3月31日には298兆8893億円と22兆4729億円も目減りした。この内、東京電力の時価総額が約2兆6000億円も減少した。とくに、東京電力株は超優良の資産株とみられていただけに影響は大きい。社債も含めると影響は拡大する。

 こうした動きは今後も引きずり、相場の頭を押さえる。とくに、東京電力株は400円を割り、1951年(昭和26年)の上場時につけた393円まで、わずか6円にまで接近している。ここまで下げると、もはや楽観論は通用しない。

 とくに、東京電力については、悩ましい2つの問題がある。

(1)どこまで膨れるか、見通しの全くつかない補償額の問題。
(2)社会への電力供給の問題。とくに、日本の首都・東京をはじめ関東圏への電力供給の必要。

 この2つに目処をつけなくてはいけない大きい問題である。

 この両方を解決することは簡単ではない。思い切って言わせてもらえれば、補償問題等を片付ける会社と、新しく電力を供給する会社という、いわば、新旧型の東京電力が必要となるのではなかろうか。仮に、そうなれば、処理業務を主とする方の会社は残念ながら資産価値は限りなく小さくなっていく。

 一方、「2つの真空」とは、1つは、営業日わずか3日間で日経平均が21.1%も下げたことによる、相場的な真空状態がある。短期的には、相当の投げが出て、投げる向きは投げたという売りの真空状態となっている。したがって、次のまとまった売り物が出るには、よほど大きい材料が出ないといけない。

 その、次なる売り物を呼び起こす材料は何か。それは、景気・企業業績の悪化のはず。ただし、景気・企業業績の悪化が目の前に現れるまでには、まだ余裕がある。この点が、もうひとつの「真空」だ。3月期決算発表まで時間的な真空期間がある。被災額確定まで時間が必要となることから、3月期決算発表は遅れを認めるという方向のようである。このため、3月期決算の本格発表は7月頃までズレ込む可能性がある。

 この時間的真空を逃すことはないと機関投資家等はみているはず。大きく目減りした資産を少しでも取り返さなくてはいけない。しばらくは、「鬼のいぬ間のひと稼ぎ」ということだろう。個別株物色が、かなり活発となるだろう。

 振り返ってみると、大震災発生前の1株利益(日経平均ベース)は660円程度だった。これが、2012年3月期には2ケタ増益見通しから1株利益は750円程度となり、PER16倍の1万2000円目標が今年4〜6月の相場シナリオだった。今の状況では2ケタ増益はかなり難しい。逆に、減益見通しにでもなれば、3月15日の安値8227円の維持も危うくなってくる。

 マーケットでは、「もう、東京電力株は諦めて、前向きに稼ぐしかない」(中堅証券)ということになって現れている。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:32 | 特集

「東日本大震災復興」材料株からピックアップしてみた=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震の発生から3週間以上が経ち、最近は震災・津波よりも、福島県の原発事故による放射性物質の影響や、東京電力による賠償、同社の今後の経営等の行方について話題にのぼることが多くなっているようだ。こうした話題やニュースなどを基に、東京電力<9501>(東1)は連日のようにストップ安や新安値更新となっている。

 一方で、日経平均をはじめ、多くの銘柄は震災直後の急落から戻り足となっている印象だ。「復興」関連の材料で買い戻されている面もあるだろう。ただ、ほとんどの企業は、まだ被災・停電などの影響を織り込んだ修正業績予想は出しておらず、それらが発表された時に市場はどう反応するのだろうか、とも思う。

 現在、「復興」関連材料の出ている銘柄をピックアップしてみた。

★東芝〈6502〉(東1)

 4月1日に、「岩手県北上市にある半導体製造子会社の岩手東芝エレクトロニクスでは、4月11日から一部ラインで生産を再開する」と発表した、東芝<6502>(東1)を入れる。なお、同社では、影響を最小化するため、一部製品についてはすでに大分工場や姫路半導体工場、加賀東芝エレクトロニクスで対応しているという。

 東芝の1日終値は4円安の403円。単位1000株。PERは約17.1倍、PBRは約2.2倍となっている。震災直後は原発関連株売りの流れなどから、ストップ安が続く場面もあり、3月16日には年初来安値309円をつけた。以降は反発し、ここ数日は400円ライン前後でモミ合っている。今後の材料・市況にもよるが、チャートを見る限りでは、25日あるいは26週移動平均線であり、次のフシである450円ラインまでの戻りが目標となりそうだ。

★ホンダ〈7267〉(東1)

 3月31日に「現在、生産活動を休止している埼玉製作所 狭山工場(埼玉県狭山市)、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)の四輪完成車工場での生産を、4月11日から再開することを決定した。これにより、すべての国内の生産拠点での生産活動が再開することとなる」と発表したホンダ<7267>(東1)を入れる。また、海外生産用部品については、4月4日から海外生産拠点向けの生産・出荷を再開するという。

 ホンダの1日終値は75円安の3050円。単位100株。PERは約10.2倍、PBRは約1.3倍となっている。チャートは2月17日につけた年初来高値3745円からの調整局面だったが、震災などの影響で続落し、3月15日には年初来安値2820円をつけた。以降は反発し、3000〜3200円のレンジでモミ合っている。下値3000円ラインで拾い、上値3200円ラインで利益確定するのも一手か。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:10 | 特集
2011年03月28日

なお平常時対応ではなく緊急時対応で東電株の一挙手一投足に一喜一憂=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー
浅妻昭治のマーケット・センサー 東北地方太平洋沖地震の被災地は、またも冷たい北風が吹く厳しい気候に見舞われて、このなかで不自由な避難所生活が2週間以上も長引く光景がテレビ画面に映し出された。「がんばろう!」と激励やお見舞いの言葉をかけるのも躊躇われるほどにギリギリの深刻な事態が続いており、一日、一時間、一分も早い復旧・復興を祈ってやまない。

 しかし、株式市場は、被災者の皆さんの神経を逆撫でするかのように、暴落後の早期復旧・復興へ足を速めているようである。2000円超も暴落した日経平均株価は、すでに急落幅の3分の2戻しをクリアし、前週末25日には昨年来高値更新銘柄が131銘柄にも達し、主力株の2割弱が、地震前の株価を回復した。日経平均のローソク足は、週足で長大下ヒゲを引いた大陰線のあとに短い陽線が続く陰のはらみ足を示現しており、何かキッカケがあれば上昇転換すると、チャート・セオリーでは示唆しているそうである。

 キッカケが何になるかといえば、その最大の材料は、東京電力<9501>(東1)の福島第1原子力発電所の事故動向になることは間違いないだろう。事故の復旧が、順調に収束に向かっているのか、悪化しているのかに、株価は引き続き敏感に反応するからである。収束シナリオ、膠着シナリオ、悪化シナリオなどがさまざまに想定されており、もちろん収束してもらわなくてはならないが、悪化シナリオも頭の隅に置いておかなくてはならない。

 ということは、今後の相場展開は、東電の株価の動向が、キーファクターになることになる。同社株は、地震発生、原発事故で3日連続のストップ安と急落して昨年来安値715円まで売られ、そこから2日連続のストップ高を演じるなど値動きの荒い展開が続いた。この急反発は、同原発事故が、原子力損害賠償法上、「異常に巨大な天災地変」に該当し被害者への賠償責任が免責されると伝えられたことや、政権幹部が、電気料金の引き上げなどに言及したことなどがプラス材料視されたことが大きい。今後の株価も、一義的には復旧動向に左右されるが、政治銘柄化する展開も捨て切れない。

 巨大地震のあとの余震頻発で気象庁は、警戒感を緩めてはいけないと警告している。株式市場も同様で、大暴落のあとの余震は予断を許さない。平常時対応ではなく緊急時対応をキープしつつ、東電株の一挙手一投足に一喜一憂するのが正しい対処法となりそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 17:39 | 特集
2011年03月26日

リバウンド狙いの激しい短期売買と復興関連銘柄を物色=犬丸正寛の相場展望

★『企業業績への影響を気にし始める』動きも台頭

犬丸正寛の相場展望 来週(3月28日〜4月1日)の相場は、引き続き、リバウンド狙いの激しい短期売買と復興関連銘柄を物色する動きのなかで、『企業業績への影響を気にし始める』動きも台頭する展開だろう。

 今度の大震災下げでは、日経平均をはじめ、多くの銘柄において3月15日が底となっている。15日からの戻り率(上昇率)の大きい銘柄は、次の上位20銘柄にみられるように、「復興特需」関連銘柄が中心。16年前の阪神淡路大震災の時と、ほぼ同じ傾向といえる。

 ただ、当時、筆者は大阪勤務だったが、当時より今回の方が反応度が速いように感じられる。値上り率50%の銘柄で区切っても95銘柄にも達する。上昇率30%まで範囲を広げると425銘柄にもなる。もちろん、その多くが復興関連である。

 これだけ猛スピードで復興関連銘柄を買い上がれば、「復興関連銘柄第一幕」の物色一巡は近いとみるべきだろう。とくに、4月新年度入りを考えると「決算」が気になり始める。

 既に、日立製作所、東京電力が3月の期末配当の未定を発表した。日立製作所、東京電力は福島原発に関連しているため業績面への影響が大きいものと予想される。

 問題は、こうした動きが、他の銘柄に広がらないかどうかである。これから、「3月期決算」を思うと、「増額」の可能性と、「減額」の可能性はどちらが強いかと考えれば答えは難しくない。この大震災の下で増額とは言い難いだろう。

 これから、3月期決算の見通しが出始める時期だけに慎重な投資スタンスが大切だろう。復興関連銘柄でも3月期決算発表のフィルターは通過しなくてはいけない。真に強い復興関連銘柄はそのあとだろう。

【3月15日→3月25日 戻り率上位(東証1・2部)】

(1)技研興業<9764> = 173.2%
(2)日本鋳鉄管<5612> = 165.0
(3)住石HLD<1514> = 157.4
(4)兼松日産農林<7961> = 148.7
(5)森電機<6993> = 142.8
(6)日特建設<1929> = 131.7
(7)イクヨ<7273> = 128.0
(8)デイ・シイ<5234> = 121.3
(9)大末建設<1814> = 112.5
(10)若築建設<1888> = 110.0
(11)ダイセキ環境ソリューション<1712> = 107.2
(12)エス・バイ・エル<1919> = 106.3
(13)エーアンドエーマテリアル<5391> = 104.4
(14)佐田建設<1826> = 94.9
(15)栗本鐵工所<5602> = 91.3
(16)ジオスター<5282> = 90.0
(17)ロンシール工業<4224> = 89.2
(18)三井松島産業<1518> = 86.6
(19)宮地エンジニアリンググループ<3431> = 86.1
(20)サニックス<4651> = 85.0

【3月10日→3月25日 下落率上位(東証1・2部)】

(1)東京電力<9501> = 60.7%
(2)LCAHD<4798> = 50.0
(3)岡野バルブ製造<6492> = 39.6
(4)日本ケミコン<6997> = 36.8
(5)常磐興産<9675> = 35.4
(6)KNT<9726> = 35.3
(7)クラリオン<6796> = 32.4
(8)ベリテ<9904> = 32.2
(9)セルシス<3829> = 31.2
(10)東日CLG<8291> = 31.0
(11)パルステック工業<6894> = 30.1
(12)価値開発<3010> = 29.4
(13)日本ピストンリング<6461> = 29.3
(14)TDF<5641> = 29.1
(15)サンフロンティア不動産<8934> = 28.9
(16)豊和工業<6203> = 28.7
(17)東亜バルブエンジニアリング<6466> = 28.4
(18)サイボウズ<4776> = 28.3
(19)アピックヤマダ<6300> = 27.9
(20)フージャースコーポレーション<8907> = 27.9
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:15 | 特集
2011年03月25日

大震災義援金は証券界全体で7億円に=犬丸正寛の話題

■日本証券業協会は単独で1億円を拠出

大震災義援金は証券界全体で7億円に=犬丸正寛の話題 「東北地方太平洋沖」大地震では、証券界も義援金の拠出を相次いで決めている。日本証券業協会の1億円など証券界全体では、7億円ていどとなるもようだ。

 証券界の総元締めの日本証券業協会は、16年前の阪神淡路大震災では、投信協会などとの連合体で1億円(内、協会としては1000万円)の拠出だったが、今回は日本証券業協会単独での1億円を拠出した。

 全国の取引所では、東京証券取引所が当初の5000万円に追加で5000万円を加え合計1億円、大阪証券取引所も1億円を拠出した。名古屋証券取引所は300万円、福岡証券取引所と札幌証券取引所は有志によるものとしている。

 証券会社では大和証券グループ本社と野村ホールディングスがそれぞれ1億円の義援金拠出を決めている。中堅では岡三証券と東海東京フィナンシャル・ホールディングスが各3000万円、岩井コスモホールディングスが2000万円、水戸証券、いちよし証券が各1000万円、インヴァスト証券300万円など、分かっているだけで、合計7億円程度に達する。

 「現在のマーケットの置かれている状況は決して楽ではないものの、被災された方々のことを思うと少しでもお役に立てばという気持ち」(某証券会社幹部)ということだ。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 22:37 | 特集

「被災地の物流」に取り組む企業をウォッチしてみた=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ NHKの『クローズアップ現代』は、ここ数回、東北関東大震災について、いろいろな角度からの内容で行なっているが、その中で3月22日放映の『被災者に届け 緊急支援物資』が印象に残った。被災地・被災者に、食品・石油製品・医薬品などの物資を搬送・配送・配布する上での課題や、実際に企業等が行なった施策などを紹介していた。

 放映されたのは、ローソン、石油連盟と出光興産、医薬品卸売会社のメディセオ仙台支店などの取り組みだったが、もちろん他に多くの企業がかなりの努力をしておられるのだろうと思う。むろん一番大変なのは被災者の方々だし、被災地の役所やボランティアの方々が頑張っておられることに対しても頭が下がる思いだ。

 番組では、物流について詳しい九州大学大学院の星野裕志教授が出て、たとえば地域ごとに支援物資などの物流センターのような場所をつくり、物資の分野ごとに分けて置き、必要な物を必要な場所へ届ける、というようなシステムはできないものかとの提言がなされていた。分野ごと、支援元(企業、自治体など)ごとに、個別に長距離運送し、さらに被災地や避難場所ごとにいちいち届けていては効率が悪い。企業が普段行なっている物流システムのような形ができれば良いと言うのだ。実現可能性はともかく、「確かにそうだ」と、目からウロコが落ちるような思いがした。

 放映された企業のうち、ローソンと、メディセオを傘下に持つメディパルホールディングスの銘柄診断をしてみた。

★ローソン〈2651〉(東1)

 ローソン<2651>(東1)の25日終値は35円高の3990円。単位100株。現在のところPERは約16.9倍、PBRは約2倍となっている。チャートは震災後の15日に年初来安値3200円をつけたが、以降はリバウンドトレンド。震災前の4000円ラインまで戻してきた。

 震災の業績などへの影響はまだ分からず、下方修正等が発表された時に「織り込み済み」となるか「想定より下方で失望売り」あるいは「悪材料出尽くし」となるのか。今のチャートを見る限りでは、3900円台の押し目小すくい、中期で4200円フシまでの戻りが目標となりそうだ。

★メディパルホールディングス〈7459〉(東1)

 傘下に医薬品卸のメディセオ、一般用医薬品や日用品のパルタックなどがあるメディパルホールディングス<7459>(東1)。医薬品卸では国内首位という。25日終値は24円高の714円。単位100株。今のところはPERは約43.5倍、PBRは約0.6倍となっている。チャートは中期で続落トレンドとなっていたが、3月15日に年初来安値573円をつけた。以降は反発し、下値抵抗線を切り上げてきている。

 震災後にはメディセオの釜石支店が壊滅的な状況にあるとの発表もあり、業績への影響等も確認中とのこと。しかしチャートは底値圏で買い時との見方が大勢なのか、信用買い残がかなり増えており、上値の重石になりそうだ。底値と見て買い、中期で900円フシまでの戻りを待つのも一手か。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 16:08 | 特集
2011年03月23日

目が離せない!マリコン(海上土木)各社に大浮上の転機=浅妻昭治

浅妻昭治のマーケット・センサー 「コンクリートから人へ」といえば、2009年の衆議院選挙で民主党が圧勝、政権交代を実現したときのキャッチフレーズである。ハコモノ、橋、道路の公共事業のムダを徹底的に削減することをアピールしたキャッチフレーズで、このシンボル政策となったのが、槍玉に上がった八ツ場ダムの建設中止であった。費用対効果の公共投資の投資効率のスタンスからは、「200年に1回の大降雨量、大洪水」は想定し難く、備えるまでには至らないとして、建設中止の政策転換を図るものであった。

 しかし、いまや「200年に1回の大降雨量、大洪水」どころではない。「1000年に1回の巨大地震」が、青森県から千葉県までの太平洋沿岸に広範囲に発生した。マグニチュードは9.0に達し、激震を受けた家屋を大津波が襲い、東京電力<9501>(東1)の福島第1原子力発電所は、なお放射性物質の拡散が止まらない危機的状況にある。

 被災地の被害を拡大したのは、巨大地震に続いて起こった大津波である。ギネスにより世界最水深防波堤と認定された釜石湾口防波堤や、「万里の長城」と異名を奉られた宮古市田老地区の防潮堤も、アッという間に大津波に飲み尽くされ破壊された。巨大自然災害のマグニチュードは、いまなお被災地で救援を待つ被災者を苦しめ続けているのである。

 被災地の復興シナリオは、まだ描かれる段階ではない。玄葉光一郎国家戦略担当相は、平成23年度補正予算に関して、3回、4回もの編成に言及したが、被害の全体像を掴めているかといえば、いまだに模索の域を出ていないように見受けられた。ただ、そのなかで巨大自然災害を前にして、「安心、安全」が、最優先政策課題に浮上することだけは間違いないだろう。社会資本整備である。「コンクリートから人へ」ではなく「コンクリートからコンクリートへ」を目指す逆政策転換である。現に福島第1原発事故を教訓に、中部電力<9502>(東1)では、浜岡原子力発電所に海面上12メートルの高さの防波堤と防水板を整備する計画が報道された。

 ギネス記録を更新する湾口防波堤や「万里の長城」を上回る防潮堤の建設プロジェクトが相次ぐようなら、業績と株価の低迷に喘いでいたマリコン(海上土木)各社にも、大浮上の転機となるかもしれない。前日22日は、大津波の被災地の港湾を埋め尽くした土石の浚渫工事思惑で東亜建設工業<1885>(東1)若築建設<1888>(東1)東洋建設<1890>(東1)五洋建設<1893>(東1)が揃ってストップ高した。そのストップ高水準で恐縮だが、マリコン株の今後の株価動向からはなお目が離せない展開が続く可能性がありそうだ。

浅妻昭治(あさづま・しょうじ)
株式評論家/日本インタビュ新聞社 編集部 部長
 1942年生まれ、神奈川県川崎市出身。証券専門紙で新聞と雑誌のキャップを務め、マーケット及び企業の話題掘り下げ取材には定評がある。長く、旧通産省の専門紙記者クラブに所属し、クラブの幹事として腕をふるった。現在、日本インタビュ新聞社の編集長として活躍。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 17:58 | 特集
2011年03月22日

【特集(7)・株式市場のリスク要因分析】主要各国の金融政策の動向

■FRBの金融政策が焦点

株式市場のリスク要因分析 3月3日のECB(欧州中央銀行)理事会終了後の記者会見で、トリシェECB総裁は「物価上昇のリスクがあるため、4月上旬に開く次回の理事会で利上げの可能性がある」と発言した。このため外国為替市場では、対ドル、対円ともに、一時的にユーロが買われる展開となった。

 その後は、EUのインフレ傾向は一時的であり、利上げを実施できるほどEU全体の経済は強くないとの見方もあって、ユーロ買いは一巡した。しかし、原油、金属資源、食糧などの先物価格上昇を背景として、世界的にインフレ圧力に対する警戒感が強まっている状況下で、中国、インド、ブラジル、ロシア、韓国などの新興国では利上げが相次いでいる。

 そして、米国などの主要国も利上げに動くかどうかが焦点となっている。3月14日の日銀金融政策決定会合、および15日の米FOMC(連邦公開市場委員会)では、ともに現行の金融政策に大幅な変更はなかった。

 日本の早期利上げの可能性は低いと考えられるが、今後の最大の焦点は米国FRB(連邦準備制度理事会)の動向だろう。FRBによる国債買い取りなどの量的緩和策第2弾(QE2)は、予定どおり11年6月末で終了するとの見方が優勢になっている。そして次回のFOMCで、QE2終了後の金融政策について、出口戦略に向かうのかなど、何らかの示唆が得られるかどうかが注目されるだろう。したがって引き続き、米国の雇用関連指標、住宅関連指標を中心に、経済指標の動向にも注意が必要だろう。

米FOMC(連邦公開市場委員会)


【特集:株式市場のリスク要因分析】
・(1)リビア情勢が焦点の地政学リスク
・(2)ほぼ休戦状態の国内政治
・(3)神経質な展開続く外国為替市場
・(4)原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク
・(5)欧州の財政不安、過度な警戒感は後退
・(6)福島原発事故、大震災復興
・(7)主要各国の金融政策の動向
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:09 | 特集

【特集(6)・株式市場のリスク要因分析】福島原発事故、大震災復興

■福島原発の動向が当面の焦点、その後は電力供給不足が懸念材料

株式市場のリスク要因分析 株式市場にとって当面は、東京電力福島第一原子力発電所の緊急事態が、改善方向に向かうのかどうかが最大の焦点となる。

 東京電力福島第一原子力発電所では、使用済み核燃料プールの温度上昇を防ぐための地上放水や、本来の冷却機能を回復させるための電源復旧などの作業が懸命に進められている。東京電力、経済産業省原子力安全・保安院、防衛省などの記者会見によると、3月21日時点では、3号機と4号機への地上放水継続とともに、2号機では配電盤までの通電が完了した。5号機と6号機の原子炉は冷温停止の状態である。21日16時頃、3号機建屋から灰色の煙が発生したという情報が伝わって緊張が走ったが、その後18時頃までに煙が収まり、放射線量モニタリング数値に大きな変化は出ていないという。22日には、4号機への外部電源接続が完了し、通電を確認したと発表した。

 依然として予断を許さない状況ではあるが、1号機〜6号機の原子炉本体が海水注入によって、一時期に比べてさらに悪化した状態ではないとみられ、使用済み核燃料プールの温度上昇に対しても、地上放水によって一定の効果が得られている模様である。水素爆発が相次いだ状況に比べると、投資家心理はやや落ち着いた可能性も考えられる。

 通電後の機器点検・修理等には数日を要する模様だが、電源復旧の作業が進んで本来の冷却機能が回復すれば、放射性物質の大量飛散という最悪の事態を回避できることになる。そして、緊急事態が改善方向に進む見通しになれば、国民の不安心理も落ち着きを取り戻し、経済活動に好影響を与えることが期待される。株式市場においては、投資家の過度な警戒感が後退し、一旦は急反発する可能性が考えられる。

 さらに、東京電力福島第一原子力発電所の緊急事態が落ち着くと仮定し、その後の復興に向けての道筋を考えてみると、政府の復興対策と復興特需、電力供給問題と日本経済への影響がテーマとなるだろう。

 物流機能の回復とともに、燃料、食料、生活必需品などの救援物資の不足は徐々に解消し、被災地のライフラインも徐々に復旧するだろう。首都圏などでの買いだめの動きも、やや収まりつつあるようだ。そして仮設住宅の建設、瓦礫の除去、損壊した建物の建て替えなどが、当面の復興特需となるだろう。そして、想定を上回る規模の津波で甚大な被害を受けただけに、津波対策や地盤沈下対策なども復興特需となる可能性があるだろう。

福島原発事故、大震災復興

■財政出動が短期的GDP押し上げ要因に?

 政府の大型補正予算による財政出動が、短期的に日本のGDP押し上げ要因になるとの見方もある。ただし、その内容や規模によっては、財政再建問題との兼ね合いが懸念材料視される可能性にも注意が必要だろう。

 また、東京電力の電力供給不足問題は深刻である。福島原子力発電所を実質的に失っただけに、電力供給不足が日本全体の経済活動に与える影響が、あらためて懸念材料視されることになる。東京電力では、大震災で停止した東扇島火力発電所と鹿島火力発電所の運転再開、他の火力発電所の稼働率引き上げ、休止火力発電所の再稼働などで、当面の電力供給体制を増強する方針の模様だが、需要がピークとなる夏場の水準には届かない見通しである。一方で需要側の節電努力、大規模施設への自家発電設備の導入、企業生産活動の西日本や海外へのシフトも想定されるが、夏場には大規模な計画停電や総量規制などの対応が避けられないだろう。

 電力供給不足問題は長期化する可能性が高いだけに、経済活動への影響は大きいだろう。首都圏の市民生活や消費に影響が出るだけでなく、東日本に立地する生産拠点の稼働が制約を受け、復興に向けての足かせとなることも懸念される。電子部品や自動車部品の供給が滞れば、中国やASEAN地域などへの影響も懸念される。ただし現時点では、全体の経済活動に与える影響について見極めは難しい。

【特集:株式市場のリスク要因分析】
・(1)リビア情勢が焦点の地政学リスク
・(2)ほぼ休戦状態の国内政治
・(3)神経質な展開続く外国為替市場
・(4)原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク
・(5)欧州の財政不安、過度な警戒感は後退
・(6)福島原発事故、大震災復興
・(7)主要各国の金融政策の動向
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:57 | 特集

【特集(4)・株式市場のリスク要因分析】原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク

■世界的なインフレ圧力に引き続き注意が必要

株式市場のリスク要因分析 原油、金属資源、食糧などの価格上昇が加速し、世界的にインフレ圧力と、それに伴う景気減速が警戒されている。

 原油、金属資源、食料などの価格上昇の背景には、世界的な実需の拡大、主要各国の金融緩和策、中東・北アフリカ情勢の不安定化懸念などがあるが、こうしたインフレ圧力を抑えるために、中国、インド、ブラジル、ロシア、韓国などでは、利上げが相次いでいる。

 EUでも、トリシェECB(欧州中央銀行)総裁が、3月3日のECB理事会終了後の記者会見で、次回4月のECB理事会での利上げの可能性に言及したため、早期利上げの観測が広がった。

 また、3月10日に発表された中国の2月貿易統計で、11カ月ぶりの貿易赤字となったため、中国経済の減速に対する警戒感が広がり、金融市場で波乱要因となった。こうした状況を見ると、金融市場ではインフレリスクに対する警戒感が強まっていると考えられる。

 当面は、リビアにおける軍事衝突の拡大、石油関連施設の損壊などが懸念材料となり、さらに中東・北アフリカ情勢の不安定化懸念が広がれば、原油先物価格が急騰する可能性も高いだろう。こうしたインフレ圧力は、新興国の経済成長減速、原材料高による企業業績の下押し圧力、さらには世界的な過剰流動性の後退などにつながるという警戒感が広がるだけに、引き続き注意が必要だろう。

原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク


【特集:株式市場のリスク要因分析】
・(1)リビア情勢が焦点の地政学リスク
・(2)ほぼ休戦状態の国内政治
・(3)神経質な展開続く外国為替市場
・(4)原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク
・(5)欧州の財政不安、過度な警戒感は後退
・(6)福島原発事故、大震災復興
・(7)主要各国の金融政策の動向
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【特集(3)・株式市場のリスク要因分析】神経質な展開続く外国為替市場

■G7による協調円売り介入の継続性が当面の焦点

株式市場のリスク要因分析 外国為替市場のドル・円相場では、95年4月につけた史上最高値(1ドル=79円75銭)を突破し、日本時間17日早朝には一時1ドル=76円25銭まで円が急騰した。この急騰については、投機筋が取引量の少ない時間帯を狙って仕掛けたとの見方が多く、17日の東京市場では1ドル=79円台に円が下落した。

 そして日本時間18日早朝の緊急電話会議で、G7(日米欧主要7カ国)が10年半ぶりとなる協調為替介入を実施することで合意した。東京市場では政府・日銀がドル買い・円売り介入を実施し、ドル・円相場は1ドル=81円台後半〜82円近辺まで円が下落した。18日の海外市場でも、G7各国が円売り介入を実施した模様で、外国為替市場は一旦落ち着いた形となった。ただし18日の海外市場では1ドル=80円台半ばと、東京市場よりもドル安・円高水準だった。また21日の海外市場で、ドル・円相場は1ドル=81円近辺で推移している。

 今回のG7による協調円売り介入については、日本の苦境を共有して急激な為替変動阻止に取り組む姿勢を明確にしたという評価が多く、当面は心理的な節目として1ドル=80円台を支えるだろうとの見方がある。さらに、東日本大震災が日本経済に与える影響を考慮すれば、いずれドル高・円安方向に向かうとの指摘も多い。

 しかし一方では、協調円売り介入の効果で一旦は落ち着いても、大震災前の水準に円が下落する可能性は小さく、協調円売り介入の効果持続性や、協調円売り介入の継続性について疑問視する見方も多い。さらに、東京電力福島第一原子力発電所の緊急事態の動向、リバトリエーション(資金の本国還流)の思惑、中東・北アフリカ情勢の緊迫化、米国長期金利の低下、EU域内諸国の財政不安問題再燃などで、再びドル安・円高圧力が強まる可能性も警戒されている。

 したがって、再びドル安・円高方向に進んだ場合、協調円売り介入が継続的に実施されるのかどうかが当面の焦点となり、外国為替市場でも神経質な展開が想定されるだけに、その動向に注意が必要となるだろう。

神経質な展開続く外国為替市場


【特集:株式市場のリスク要因分析】
・(1)リビア情勢が焦点の地政学リスク
・(2)ほぼ休戦状態の国内政治
・(3)神経質な展開続く外国為替市場
・(4)原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク
・(5)欧州の財政不安、過度な警戒感は後退
・(6)福島原発事故、大震災復興
・(7)主要各国の金融政策の動向
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【特集(2)・株式市場のリスク要因分析】ほぼ休戦状態の国内政治

■大震災で当面は休戦状態

株式市場のリスク要因分析 国内政治関連は、東日本大震災の発生により、ほぼ休戦状態となった。当面は被災者の救済・支援、被災地の復旧、そして東京電力福島第一原子力発電所の緊急事態の回避が最大の課題であり、自民党をはじめとする野党も、閣外からの全面協力を表明している。当面は大きな動きはないだろう。

 菅直人首相は13日、谷垣禎一自民党総裁と会談し、東日本大震災の復興支援に向けた特別立法や、財源確保のための時限立法に関して協議することで一致した。さらに菅直人首相は19日、谷垣禎一自民党総裁に対して、副総理・震災復興担当相としての入閣を要請したが、拒否された。大連立を打診した形だが、野党側には現時点での大連立に対して警戒感が強い模様である。

 予算関連法案のうち、租税特別措置を延長するつなぎ法案については、自民党と公明党の協力で年度内成立の見通しとなっているが、子ども手当のつなぎ法案については成立の見通しが立っていない。そして22日から審議再開見通しの国会では、復興に向けての補正予算の規模・内容に加えて、その財源確保についての議論も焦点となる。財政再建問題との兼ね合いに対する警戒が必要だが、大震災の被害は甚大であり、当面は早期の復興が優先される可能性が考えられる。そして補正予算の規模・内容次第では、短期的なGDP押し上げ要因として、株式市場でプラス材料と受け止められる可能性もあるだろう。

 ただし復興に向けて、政府・与野党の協力体制が固まったとは言えない状況である。また現状は一時的な休戦状態であり、民主党内の議員離反の動きや、政治とカネの問題など、菅内閣の政権基盤を揺るがせている問題は、一時的に保留されているだけである。ねじれ国会に対する根本的な問題も解決したわけではない。そして、東京電力福島第一原子力発電所の緊急事態が落ち着けば、菅直人首相の進退問題や、大連立に向けての動きが浮上するとの見方も強まっているようだ。

【特集(2)・株式市場のリスク要因分析】ほぼ休戦状態の国内政治


【特集:株式市場のリスク要因分析】
・(1)リビア情勢が焦点の地政学リスク
・(2)ほぼ休戦状態の国内政治
・(3)神経質な展開続く外国為替市場
・(4)原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク
・(5)欧州の財政不安、過度な警戒感は後退
・(6)福島原発事故、大震災復興
・(7)主要各国の金融政策の動向
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【特集(1)・株式市場のリスク要因分析】リビア情勢が焦点の地政学リスク

■リビア情勢が当面の焦点

株式市場のリスク要因分析 中東・北アフリカ情勢については、多国籍軍による軍事行動に発展したリビア情勢が最大の焦点となっている。

 国連安全保障理事会はリビア問題に関して17日、リビア上空に飛行禁止区域を設定した追加制裁決議案を採択し、市民を守るためにあらゆる必要な措置を講じるとして、実質的に軍事力行使を認める形となった。これに対してカダフィ政権側は、一旦は軍事行動の停止を表明したが、その後もリビア北東部のベンガジなどへの攻撃を継続し、徹底抗戦を宣言した。

 このため19日には、欧米諸国とアラブ連盟などがパリで緊急首脳級会議を開催し、多国籍軍(米国、英国、フランスなどで構成)がカダフィ政権軍に対する軍事行動を開始した。この軍事行動は早期停戦を目指すための手段とし、カダフィ政権側も2度目の停戦声明を発表したが、停戦が早期に実現する可能性は低いだろう。逆に混乱が一段と拡大する可能性も考えられる。

 中東・北アフリカ情勢の不安定化懸念のうち、エジプトについてはムバラク大統領辞任の後、憲法改正案について国民投票が実施されるなど、やや落ち着いた状況である。またサウジアラビアでの民主化要求デモも、懸念されたほど大きな混乱となっていない。

 しかし、リビア情勢については早期収拾の道筋が見えず、バーレーンやイエメンでは、反政府デモ弾圧を巡って再び情勢が緊迫化している。サウジアラビアやイランなど周辺の主要産油国への波及懸念も、完全に後退したわけではない。原油先物価格上昇など、地政学リスクに対しては引き続き警戒が必要となるだろう。

リビア情勢


【特集:株式市場のリスク要因分析】
・(1)リビア情勢が焦点の地政学リスク
・(2)ほぼ休戦状態の国内政治
・(3)神経質な展開続く外国為替市場
・(4)原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク
・(5)欧州の財政不安、過度な警戒感は後退
・(6)福島原発事故、大震災復興
・(7)主要各国の金融政策の動向
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:13 | 特集
2011年03月18日

来週は復興特需への期待とマクロ経済悪化が交錯する相場=犬丸正寛の相場展望

★これからは「内需株主導」相場が展開される

来週は復興特需への期待とマクロ経済悪化が交錯する相場=犬丸正寛の相場展望 来週(22〜25日)の相場は、『復興特需への期待とマクロ経済悪化が交錯する相場』が予想される。

 東北地方太平洋沖地震は大変な惨事となった。改めて、被災された皆さんには心よりお見舞い申し上げます。15年前の1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災が思い出される。当時の日経平均の動きは次のようになっていた。

【短期の動き】 1995年1月高値1万9724円から1月の安値1万7698円まで10.2%下落。さらに、1月高値から2月安値1万6518円まで16.2%の下げ。

【中期の動き】 1995年1月の大震災後、実際に大底が入ったのは1995年7月の1万4295円で、1月の高値から27.5%下げ、日柄で6ヶ月だった。

【1995年と今回の違い】 今回の大震災では、3月4日の高値1万0664円から3月15日の安値8227円まで22.8%の下げ。短期的な動きでは、今回の下げが、はるかに大きい。災害の規模が大きかったのだから当然だろう。

【今回の大底は】 今回の大底をどうみるか。常識的には、震災規模が大きかったのだから、1995年時よりも下落率は大きく、日柄も長くかかると、みるべきだろう。思い切って予想すれば、たとえば、『3割高下に向え』の教えを当てはめるなら、3月4日の1万0664円に対し3割下げの7465円程度。日柄は7〜8ヶ月とみて10〜11月頃だろう。

【長期の動き】 1995年の時は7月の大底後、1996年6月の2万1588円まで50.8%上昇した。この時の買い手掛りは、「復興特需」だった。復興が進み、建設の「ツチ音の高まり」とともに相場は力強さを増していった。

【これからどうなる】 今回も既に、復興特需関連銘柄が一斉に物色されている。しかし、あくまで先回り買いである。実際は、経済活動が低下するため、その影響が、復興特需関連銘柄にも現れる可能性がある。この点に、『復興特需への期待とマクロ経済悪化が交錯する相場』となる背景がある。そして、復興のツチ音が高まり始めると「特需関連銘柄の現実買い」となって全体相場は力強い上昇が見込まれる順番だ。とくに、阪神淡路大震災から、まだ15年と記憶に新しく、復興について学んだことは多い。したがって、手探り的だった阪神淡路大震災復興に比べると今回は復興のスピードは速くなることが予想される。

【内需関連株が主役に】 復興特需に、日本の国土構想の見直し、道州制なども加わって、「第二次・日本列島改造策」に結びつけば、「内需」刺激となる。長い間、「輸出株買い・内需株売り」の相場が、逆転して、これからは「内需株主導」相場が展開されるものとみられる。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 21:20 | 特集

震災のニュースや経験から気になった銘柄をウォッチしてみた=田北知見の銘柄ウオッチ

田北知見の銘柄ウオッチ 11日に起きた東北地方太平洋沖地震から1週間以上が経ち、報道の焦点は、被災地の支援・復興や、福島県の原子力発電所の事態収拾、首都圏の計画停電などに移った感がある。一方、経済面では、株安・円高や、製造・流通などへの震災の影響が話題になっている。また、ニュースなどでは、被災された方々の悲しい体験や、あるいは復興に向けて勇ましく立ち上がる人々の姿がレポートされている。「人間は、こうした時に、その人の本性が表れるのだろうか」と、大げさかもしれないが思ったりした。

 話は変わるが、私が住んでいる関東の町には、いくつかの大型店舗がある。本社が東京にあるような全国展開の店舗が多い。が、震災後の対応は店舗によってだいぶ違っていた。いくつかの店舗はすぐに店を開け、少しでも消費者の役に立とうという姿勢が伝わってきた。大きめの余震があった時には、店内にいる係の人が「広い通路に出てください」とお客に声をかけるなど、安全面も配慮されていた。

 しかし、あるショッピングモールはそうではなかった。震災後は数日間、ガッチリと閉鎖し、しかも防犯のためか、店は開けないのに夜間も大量の明かりを煌々と灯していた。消費者が困ろうが、首都圏は節電が必要だろうが、お構いなしというように見えた。「こうした時に、本性が表れる」のは、人だけでなく、企業にもいえるのかもしれないと思ったのだった。

 震災のニュース等を見て気になった銘柄を見てみた。

★セブン&アイ・ホールディングス〈3382〉(東1)

 上記の「消費者の役に立とうとする姿勢が伝わってきた」店舗のひとつがイトーヨーカ堂だったことから、セブン&アイ・ホールディングス<3382>(東1)を入れる。18日終値は31円安の1942円。単位100株。PERは約15.6倍、PBRは約1倍となっている。チャートは昨年11月につけた直近安値1800円台を底に上昇トレンドで来ていたが、今年3月1日につけた直近高値2328円から反落。調整局面にあったところへ、震災の影響もあり、15日には上場来安値1755円をつけた。以降はリバウンドの傾向が見えており、まずは2100円フシまでの戻りが目標か。信用倍率は約0.7倍の売り長となっており、買い戻しも期待してみる。

★ファーストリテイリング〈9983〉(東1)

 被災地への義援金として、柳井正 代表取締役会長兼社長が個人で10億円を寄付と報じられた、ユニクロのファーストリテイリング<9983>(東1)を入れる。同社はさらにグループ5社で3億円、全世界のグループ従業員約4万7000人の有志から1億円、加えて、支援物資として防寒衣料など7億円相当を寄贈すると報じられた。

 ファーストリテイリングの18日終値は620円高の1万0240円。単位100株。PERは約20.5倍、PBRは約3.7倍となっている。チャートは昨年11月から今月上旬まで、1万2000〜1万3000円の間でモミ合っていたが、先週末から下落。15日には年初来安値8800円をつけた。以降は見直し買いなども入っているようで、反発の動きが出ている。まずは1万2000円ラインまでの戻りが目標となりそうだ。

田北知見(たきた・ともみ)
エネルギー業界専門紙の記者を経て、現在、株式ジャーナリスト、日本インタビュ新聞社記者。雑誌や証券専門紙への寄稿、ムック「インド株成功の極意」などに執筆。著書に実業之日本社から「分足チャートで儲ける 超デイトレ入門」、かんき出版からは「サラリーマン投資家のための株 黄金分割比投資法」などがある。また企業のIR支援活動にも携わっている。

提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 15:34 | 特集
2011年03月17日

【特集】東北地方太平洋沖地震:電力不足と自家発電設備の整備促進

■電力不足が企業活動や市民生活を直撃

電力不足が企業活動や市民生活を直撃

 東北地方太平洋沖地震の影響で、食料、飲料、燃料、生活用品、医薬品などの物資不足が深刻になっている。甚大な被害を受けた被災地では、ライフラインが復旧していない地域も多く、物資不足のために避難所での厳しい生活を強いられている。被災地域が広範囲だったうえに、道路の損壊などで物流網が混乱しているのだろう。

 東北地方に比べれば被害が少なかったはずの首都圏でも、物資不足が目立っている。この背景としては、首都圏への食材や製品の供給拠点となっていた東北・北関東地方が甚大な被害を受けたことで、日本全体の生産能力が一時的とはいえ、大幅に減少していることもあるだろう。

 甚大な被害を受けた生産拠点だけでなく、被害が比較的少なかった周辺地域の生産拠点でも、電力不足、燃料不足、物流混乱などの影響で生産の正常化が遅れているようだ。さらに、福島原子力発電所の安全問題や首都圏での計画停電によって、市民の不安心理が高まり、首都圏などでは買いだめが発生しているとみられることも、物資不足に拍車をかけている要因だろう。

 石油精製・石油化学業界では、国内の供給過剰を解消するために過剰設備の統廃合が課題とされていたはずであり、燃料不足は一時的とも考えられる。しかし、被災地での避難生活の改善だけでなく、復興に向けて企業の生産活動が正常化するためには、電力の安定供給が最大の課題となるだろう。そして不安心理を静めるためにも、まずは福島原子力発電所の安全性が早期に確認されることを願う。

■復興に向けて自家発電設備の整備促進の可能性

復興に向けて自家発電設備の整備促進の可能性

 さて、復興に向けての特需シナリオの一つとして、自家発電設備や非常用発電設備の整備促進について考えてみたい。

 上述したように、電力不足は被災地における避難生活だけでなく、周辺地域における企業の生産活動や市民の日常生活にも多大な影響を与える。そして、ライフラインの回復や仮設住宅の建設などの復旧が進んでも、その後の東京電力による電力供給不足が懸念されている。

 福島原子力発電所の安全問題が落ち着けば、火力発電所の稼働率上昇、休止発電設備の再稼働、融通設備の増強など、電力の安定供給に向けた対策が進むと考えられるが、東京電力の供給能力が震災前の水準に回復するには、かなり長期の時間を要する可能性が高い。

 また東京電力に限らず、他の電力会社においても今後、自然災害や事故による電力供給能力の減少という事態を想定しなければならない。そうした状況の中で、国、地方自治体、そして企業は、リスク管理の一環として自己防衛を迫られることになるだろう。

 自己防衛策の一つとして考えられるのが、自己発電設備や非常用電源設備の整備だろう。鉄鋼各社のように、自社の生産拠点に自家発電設備を備えている企業は少なくないが、今後は官公庁庁舎、公民館、学校、病院、イベントホールなど自然災害時の避難場所となりうる施設や、企業の生産拠点、大規模ビル、大規模商業施設などで、大規模な発電設備を導入する可能性があるだろう。さらに一般家庭においても、小型設備の導入が進む可能性が考えられる。発電に必要な燃料が重油などの場合には、その備蓄や流通に課題が残るものの、電力会社からの安定供給に対する信頼感が失われた今、自己防衛策が課題となるだろう。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:26 | 特集
2011年03月14日

【特集】阪神大震災時と東北地方太平洋沖地震の比較考察

【阪神・淡路大震災の株価の動きとの比較】

■追い証発生に伴う売りが本格化する可能性

特集 三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震を受けて、株式市場では阪神・淡路大震災後の株価の動きとの比較が話題になっている。経済や株式市場に与える影響などの面で、二つの地震を簡単に比較してみたい。

 まず、地震発生時の状況を比較してみよう。

 阪神・淡路大震災の発生は95年1月17日早朝(夜明け前)だった。3連休明けであり、株式市場での取引が始まる数時間前のことだった。また地震発生直後のメディアの第一報では、大きな被害は出ていない模様という内容だったこともあり、今思い出してみれば、株式市場での取引開始時には、不安材料としてそれほど警戒されなかった印象が強い。

 しかし時間の経過とともに、阪神高速道路の倒壊現場がメディアで映し出されるなどして、被害の甚大さが認識され始めた。このため株式市場でも、時間の経過とともに警戒感が強まり、日を追うごとに売りが膨らんだ。日経平均株価は1月17日から23日まで5日続落し、終値ベースでの5日間合計の下落率は約8%だった。

 これに対して今回の東北地方太平洋沖地震の場合は、地震の発生が週末11日の午後だった。株式市場での取引終了直前であり、地震発生直後に日経平均株価は急落した。そして、週明け13日の株式市場の取引開始まで2日間という時間があったため、落ち着きを取り戻す時間として期待されたが、阪神・淡路大震災を遥かに上回る甚大な被害が発生していることが認識された。したがって13日の株式市場では、寄り付きからリスク回避の売りが殺到した可能性があるだろう。13日の日経平均株価は6%強下落した。

 こうした状況の違いを考慮すると、今回のリスク回避の売りは13日がピークとなっている可能性もあるだろう。ただし、個人投資家の追い証発生に伴う売りについては、これから本格化する可能性も考えられる。

■最大の焦点は電力供給能力に対する不安

 次に、電力供給能力に対する不安という点で比較してみよう。

 阪神・淡路大震災では、兵庫県の神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市などを中心に、ビルや家屋が大量に倒壊するなど甚大な被害を受けた。電気やガスなどのライフラインの復旧にも時間を要した。しかし、関西電力の発電設備の被害は小さく、ライフライン復旧後の電力供給能力そのものには、大きな不安がなかった。

 これに対して今回の東北地方太平洋沖地震では、東京電力と東北電力の発電設備が、大きな被害を受けた模様である。特に東京電力の場合は、福島原子力発電所が甚大な被害を受けたため、安全性の確保に向けて必死の努力を続けている。したがって当面は、福島原子力発電所の安全性確保問題が落ち着くかどうかが注目点だろう。

 しかし、福島原子力発電所の安全性が確保されたとしても、その後の東京電力の発電能力の大幅な減少は避けられない。休止火力設備の再稼働などの対策を進めても、通常の需要水準をカバーできるだけの供給能力に達することは難しいだろう。さらに、地震発生前の発電能力に回復するには、数年の時間を要する可能性も考えられるだけに、今後の日本経済に与える影響は計り知れない。電力供給不足の状況が続けば、人々の日常生活や、通常の経済活動はもちろん、被災地の復旧工事などに影響が出る可能性もあるだろう。

 こうした点で見れば、株式市場への影響は、阪神・淡路大震災後に比べて長期化する可能性も考えられるだけに、特に電力供給能力の確保に向けて、政府や東京電力の対応が注目される。
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 18:18 | 特集