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[吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術]の記事一覧
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記事一覧 (06/26)【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】「ダメ社長」こそ勝者になれる?項羽と劉邦の分かれ目
記事一覧 (05/28)【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】レゴランドの躓きと荘子の知恵
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記事一覧 (02/18)【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】三国志の悪役・曹操が挑んだ「大失業時代」
記事一覧 (01/19)【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】『ラ・マンチャの男』とともに苦難を乗り越えよう、大暴落と『ドン・キホーテ』の風車
記事一覧 (12/21)【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】「環日本海経済圏」と日本神話(下)
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2017年06月26日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】「ダメ社長」こそ勝者になれる?項羽と劉邦の分かれ目

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■ニッポン企業は既に「四面楚歌」か?

 「実は幻想、iPhoneの日本製部品頼み」――先日の日本経済新聞の報道に落胆された方も多いだろう。過去5年通算のアップルサプライヤーは今や台湾企業71社、米国企業60社、日本企業55社、いう順位になっているというのだ。
 一昔前の感覚ならそもそもiPhoneをつくるべきは日本企業の役割だったはずだが、今やその部品さえも台湾の後塵を拝するようになったことになる。「モノ作り大国」の地盤は揺らぐところか、もう崩壊してきているのかもしれない。

 昨年発売され話題となったデービッド・アトキンソン氏の『新・所得倍増論』(東洋経済新報社)は日本の一人当りGDP(国内総生産)の先進国中最低の低さ(世界27位)など、まん延する「日本病」に鋭いメスを入れた書だった。日本は輸出額世界4位の輸出大国だが、これも一人当りにすると世界44位となるらしい。モノ作り大国の看板はどこへいったのか。

 日本人の生産性を著しく低下させている「日本病」とは、やれ会議が長い、決裁印が多い、タコツボ然とした組織などなど、いろいろな要因が囁かれている。だが最大のポイントとなると経営者ということになるだろう。
 東芝にせよシャープにせよ、ここまで日本企業を凋落させたのはやはり人だ。昨今は日本の経営者・社長叩きがますます加速している。半面、こうした風潮がますます経営者を萎縮させ、ただでさえサラリーマンの気質がある日本の社長がますます保守化、結果として生産性も一段と低下、という悪循環が起こっているのかもしれない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:02 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2017年05月28日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】レゴランドの躓きと荘子の知恵

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■高額な価格設定が裏目に出たレゴランド

 4月1日に鳴り物入りでオープンしたテーマパーク「レゴランド・ジャパン」(名古屋市港区)に早くも暗雲が漂い始めている。
 隣接地で開業された複合商業施設「メイカーズ ピア」で、テナントのレストラン1店舗が先ごろ閉店した。来場者が想定を大幅に下回ったことが理由である。サンクコスト(埋没費用)の呪縛にとらわれず、早期に「損切り」を決意した経営者は大いに評価されるべきだろう。
 先日レゴランドは最大25%という実質値下げを発表した。開業から2ヶ月足らずでの値下げは異例である。見通しが甘かったことは否定できないだろう。大人2人、子供2人の入場料は2万4400円に設定されているが、正直、高すぎる。それならば、その金額分のレゴを子供に買ってあげた方が、正しい消費行動のように思えてならない。

■意外な使い方で生まれた超ロングセラー

 レゴに類似した商品にカワダ(本社・東京都新宿区、非上場)の「ダイヤブロック」がある。ダイヤブロックは1962年より発売された趙ロングセラー商品だが、その誕生秘話は実に興味深い。
 もともとこの商品の原型はある文具メーカーが作った二股の鉛筆のキャップで、2本同時に収納できることをウリとしていた。ところが、このキャップは全然売れず、大量の在庫を抱えてしまう。
 そこで現在のブロックのように「つないで遊べる」用途を思いつき、「ブロックキャップ」として売り出したところ、飛ぶように売れた。まさに発想の転換である。
 ブロックキャップの突起は二つだけだったが、玩具としての開発研究が進み、現在のダイヤブロックが生まれることとなる。

 こうした「本来の用途と違う」発想でヒットを飛ばした例は少なくない。
 デンソーが開発したQRコードはもともと部品工場や配送センターなどでの使用が考えられていたが、今や個人のスマートフォンでデータコードとして世界中で利用されている。
 TOTOのシャワー付洗面台も、実はシンクの小物洗いなどを目的に開発されたが、今や「朝シャン」の代名詞商品となっている。他にも、絵画向けに売ろうとしたのに女性の眉書きに使われたエボニーペンシル、プラモデルの乾燥用としてモデラーに人気を集めた山善の食器乾燥機など、こうした例は枚挙に暇がない。
 商品・サービスは、想定ターゲット、想定用途とは違う「売れ筋」の可能性を持っている。マーケティングは万能ではない。もしかしたら、レゴランドも大胆に発想を転換すれば、大逆転の方策があるのかもしれない。

■荘子の唱える「無用の用」

 荘子は古代中国の戦国時代の人で、諸子百家・道家を代表する巨人だ。彼の思想を伝える「荘子」中に「瓢箪問答」というものがある。
 ある日、論理学者の恵子(けいし)は荘子に「大きなヒョウタンがなりましたが使い道がないので壊しました」といった。荘子の思想があまりに浮世離れしていて、現実の役に立たないことをヒョウタンに例え、暗に批判したのである。

 荘子は恵子にこんな話をして反論する。

 ――宋にあかぎれ防止の薬を作る人がいた。綿を水にさらす仕事をする人のための薬である。ある男がこれを聞いて、製法を100金で買い取りたいと申し込んだ。それまで薬は数金程度の収入しか得られなかったので、宋の人は喜んで製法を売った。
 男は呉で将軍となり、越の軍と戦った。呉も越も河や湖が多いので戦いは水上戦が多い。冬に戦えば凍傷となってしまう。
 男はこの戦いであか切れ防止薬を用いた。おかげで呉の兵たちは凍傷の心配がなくなり、越軍と存分に戦って勝利することができた。
 呉王は喜び、褒美として男に豊かな領地を与えた。それは数金〜百金とはレベルの違うものだった。

 同じあかぎれの薬でも、利用法を変えるだけで、利益は何百、何千倍となったのである。
 荘子は続いて恵子に「大きなヒョウタンを大きな樽の代わりにして川や湖で遊ぶことをどうして思いつかないのですか」といった。

 恵子は、ヒョウタンは飲み物を入れるもの、ひしゃくに使うもの、という固定観念にとらわれていた。荘子は、「常識ではとらえられないことに物事の本当の価値がある」と諭しているのである。

 荘子には「無用の用」、つまり「役に立たないと見えるものでも実は大きな役割がある。この世に無用なものは存在しない」という教えがある。噛みしめたい言葉である。

(作家=吉田龍司 『毛利元就』、『戦国城事典』(新紀元社)、『信長のM&A、黒田官兵衛のビッグデータ』(宝島社)、「今日からいっぱし!経済通」(日本経営協会総合研究所)、「儲かる株を自分で探せる本」(講談社)など著書多数)
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:45 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2017年04月26日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】Amazon Goの脅威、キーワードは「沈黙交易」

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■急拡大する「セルフレジ革命」

 「人手不足もここまできたか」――馴染みのスーパーでセルフレジが導入され、こう思った方も少なくないだろう。今年1月にはフランスで「セルフレジが雇用を奪う」との反対デモまで起こっているが、導入加速の動きは止まりそうにない。
 先日、セブン−イレブン・ジャパンなどコンビニエンスストア大手5社が2025年までに国内の全店舗でセルフレジを導入することが明らかになった。この方式はよくあるバーコード読み取り型ではなく、RFID(電子タグのデータを非接触で読み書きするシステム)を利用するもの。商品を入れたカゴを置けば、瞬時に計算・会計してくれるレジである。

 経産省はこれに合わせて、全てのコンビニ取扱商品(推計1000億個/年)にRFIDを利用するという「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を発表した。人口減少社会の到来を前に、セルフレジは国策として位置付けられた格好である。
 コストはかかるが、人手不足対策、物流システムの効率化、レジの通過時間の短縮、POSレジの台数削減などセルフレジの導入メリットは多い。もちろん万引き問題など運用面の課題は多いが、時間が解決していく問題のような気がする。株式市場ではサトーHLD、 富士通フロンテックなど関連銘柄に注目する向きも多い。

■レジそのものをなくした「Amazon Go」

 RFIDの最大のネックは1枚当り10〜20円という価格面の問題であろう。既にファーストリテイリングが「GU」ブランド店でのRFIDの導入を進めているが、利幅の薄いスーパーなどの小売りが二の足を踏んでいるのはこれが原因である。経産省は量産化によりこの問題の解決を図ろうとしているが、一朝一夕で片が付く話ではないだろう。
 一方、こうした日本の動きを嘲笑うかのように登場したのが米Amazonのリアル店舗「Amazon Go」である。食料雑貨店、つまりコンビニのような店だが、これは「レジが不要」という「まったく新しい店舗」である。コンセプトはJust Walk Out(そのまま歩いて出る)で、RFIDは使用されない。
 Amazon Goでは、顧客はまずスマホにダウンロードしたAmazon Goのアプリをゲートでかざして入店する。棚から商品を取るだけでアプリのカートに商品が追加される。出口のゲートを出るとAmazonのアカウントから購入分が引き落とされるというしくみだ。

Amazon Go動画 https://www.youtube.com/watch?v=NrmMk1Myrxc


 Amazon Goでは店内にある各種センサー、カメラ、マイクのデータをAI(人工知能)が制御・分析し、客がどの商品を取ったか、どういう行動をしたかを把握できるという。センサリング技術と画像解析を活用し、AIがディープラーニングしていけば、レジそのものがいらなくなったのである。
 消費者目線からいえば、正直いってRFIDよりもAmazon Goの方が使いやすいのは明らかであろう。下手をすればコンビニ各社はAmazon Goに敗れるか、特許で固められたシステムごと買わされる可能性があるのかもしれない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:44 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2017年03月29日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】織田信長は「トカゲのしっぽ」をどう切った?

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■感情を持つ「人」を切ることの難しさ

 トカゲのしっぽは切るべきか、それとも切らざるべきだろうか。
 株式投資では「損切り」に当たる話だが、これはどんどんやるべしである。しかし、株券とは違う、血が通い、感情を持った人を「切る」ことはなかなか難しい……。
 会社で何か問題が発生したとする。経営者は現場担当者を罰し、クライアントに謝罪する。よくある話だが、ここで問題なのは、一番責任があるのは自分だという自覚が経営者にあるかないかである。ヘマをしでかした担当者に現場を預けていたのは誰なのか。最高責任者という言葉は飾りではないのである。他の部下たちは必ず「しっぽ切り」をした経営者に不信感を抱き、「明日は我が身」と思う。

 これは海外では少し様相が違う。「You're fired(おまえはクビだ)」は今はトランプ米大統領のフレーズとして知られるが、個人的には故スティーブ・ジョブズの決めゼリフとして印象深い。アップル社ではジョブズの質問にまごまごしたが最後、「You're fired」なので、社員はジョブズとの接触を極力避けたというエピソードがある。
 日本でやったら大変な話となるが、これは雇用環境の違い、カルチャーの違いとしかいいようがない。そういえば今回の森友学園事件では海外メディアが「忖度」の意味を理解するのに苦労していたが、日本の組織や会社の風土はグローバル的には変わった世界ととらえられているのだろう。年功序列・終身雇用の幻想は崩れつつあるとはいえ、やはり日本はまだまだジョブズ流が馴染まない社会であることに変わりはない。

■信長は相場師としては超一流、経営者としては……?

 当連載では2015年10月19日付けで織田信長を「ロスカットの達人」として取り上げたことがある。見通しが間違っていたとすれば、迷わず損切りができる信長は優秀な投資家である。では、経営者としてはどうだろう。
 信長は人に対してもどんどん損切りを行う将だった。象徴的なのは「われに七難八苦を与えたまえ」の言葉で有名な山中鹿介をシッポ切りした話だろう。

 天正5年(1577)、織田軍は中国地方の毛利勢力への侵攻を進めていた。この中国攻めの総大将が羽柴(豊臣)秀吉で、姫路城(兵庫県姫路市)を本拠とした。
 秀吉は、かつて毛利に滅ぼされた出雲尼子氏の遺臣である山中鹿介らを傘下に加えていた。鹿介ら遺臣団は尼子の血を引く尼子勝久を擁立し、信長の援護を得て、お家の再興を目指していたのである。
 秀吉は同年12月に毛利方の属城だった上月城(兵庫県佐用町)を陥落させた。この城は備前・美作・播磨の境に位置する。当時として毛利攻めの最前線となった超重要拠点である。
秀吉は勝久・鹿介主従を城代とし、守備に当たらせることにした。毛利への恨みに燃える尼子再興軍は命に替えても城を守ろうとしていたわけだから適材適所の人事である。

 ところが翌年になって織田方だった三木城(同三木市)の別所長治が毛利方に寝返るという大事件が起こった。三木城は姫路城と京・摂津の織田勢力の間に位置する要衝だ。周辺の国人も別所氏に味方したことから、姫路の秀吉軍と上方の織田勢力の連携が戦略的に断ち切られかねない事態となったのである。
 秀吉は慌てて三木城攻めに向かった。こうなると最前線の上月城はすっかり孤立してしまった。毛利軍はさっそく上月城を包囲し、兵糧攻めにした。慌てた秀吉は京の信長に上月城への援軍を要請したが、信長は退け、「上月城を捨て三木城を攻めろ」と非情の命令を下した。戦略的な理由から尼子主従を見捨てたわけである。

 板挟みに苦しむ秀吉は、上月城に使者を出し、毛利の包囲網を突破して城を脱出するよう勧めたが、勝久・鹿介は脱出という強硬手段は犠牲が多いため、秀吉の好意を辞退した。
 その後、上月城は落城。勝久は城兵の助命を条件に切腹した。最高責任者として最高の責任を負ったのである。囚われの身となった鹿介は護送途中で毛利輝元の密命で暗殺されている。その後、中国戦線は秀吉の奮闘で巻き返しが図られたが、信長のしっぽ切りが判断として良かったかどうかはわからない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:44 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2017年02月25日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】けものフレンズと平将門の思わぬ「販路」

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■村上春樹の新作を脅かす?「すっごーい」ベストセラー本!

 村上春樹の書き下ろし新作「騎士団長殺し」が快調な出足で、早くも各書店のベストセラー1位となっている。待ち焦がれていたファンも多かったことだろう。
 一方、ベストセラー本には今、思わぬダークホースが出現している。それは「けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック(1巻)」という「本」だ。
 この2月下旬にはAmazonの本売れ筋ランキングで「騎士団長殺し」を上回る瞬間も見られた。しかもこの本は3月25日発売予定で、今は予約分の動きである。既に現段階から品薄で、24日現在でAmazon含めた大半のネット書店が予約を受け付けられない状況となって、一部でプレミアがつくようになっている。今は売ろうにもタマがないわけだが、版元のKADOKAWAは「増刷」を急いでおり、今後の動きが楽しみになってきた。

 「けものフレンズ」とは現在放送中の深夜アニメで、目下大ブレイクしつつある。内容は美少女に擬人化された動物たちが活躍する、SF的な、哲学的な、チャレンジャブルな作品だとだけいっておこう。つれて放送に協力している各地の動物園も人気化しているというから馬鹿にできない。

 通常、深夜アニメのビジネスモデルはブルーレイ(BD)・DVDの映像パッケージ(通常2話収録で6〜7千円)を売ることで利益を得る構造である。キャラクターグッズもあるが深夜アニメの中心はこれだ。販路はCD・DVDショップやアニメショップ、ネットショップであり、書店は関係ない。
 これに対しけものフレンズは、映像パッケージ(2話収録)付きの「本」を3780円で売るという戦略をとっている。わかりやすくいえば食玩だ。食玩は実質的な商品であるおまけの玩具にチープなお菓子をくっつけて、玩具店ではなくスーパーで売る。けものフレンズはCDショップなどでなく、書店を新たな販路にした格好である。

 3780円は通常のBDとして見ればかなり安い価格設定であり、これも人気の要因だろう。実はKADOKAWAは、当初はあまりこのコンテンツに期待しておらず、こうした変則的な、実験的な方法をとったのかもしれない。それが結果的に爆発的なベストセラー本となったのだから、世の中はわからないが。
 再販制度下にある書店で新作アニメを売ることのメリット・デメリットは、今後面白そうなデータが出てきそうだ。当然客層も異なるわけであり、例えば普段深夜アニメと縁のない層が手に取る機会もあるはずで、数ヶ月後にどんな数字が出てくるか、目が離せない。

 どこかに思わぬ販路がある。逆に最近では書店で売らず、コンビニだけで売るムック形態の本に注力している版元もある。まっとうな手段でモノが売れないなら、経営者はゼロベースで販路を考えていくべきなのである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:56 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2017年01月26日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】東芝「からくり」の末路

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■偉大な発明家「からくり儀右衛門」

 東芝の重電武門の創業者である初代田中久重(幼名儀右衛門)は福岡の人で、幕末〜明治の激動期を生きた人である。神社の祭礼で新しいからくり人形を次々披露して有名になり、「からくり儀右衛門」という異名をとった。
 大坂船場へ移った彼は「無尽灯」という灯器を発明する。これはオランダ製空気銃の技術に工夫を重ねたもの。空気圧を利用して油が灯の芯までのぼるという仕掛けで、油皿の油が減ると自動的に補給される画期的な商品だった。さらに明るさはろうそくの10倍、久重は生活に大切な照明に革命を起こしたのだ。

 他に一度巻けば一年動くことで有名な万年時計など、久重の発明品は枚挙に暇がない。まさに東洋のエジソンだった。久重は明治6年(1875)に東京・銀座で田中製作所を設立し、電信機の製作を始めた。
 その後、重電機メーカーとなり、2代目が芝浦に移転してできたのが株式会社芝浦製作所である。のち東京電気株式会社と合併し、東京芝浦電気株式会社となった。これが東芝の母体である。

■欠けていた「ロスカット」と「CSR」の意識

 田中製作所が設立されてから約140年、栄華を誇った巨大企業・東芝は解体の危機に瀕している。白物家電、医療機器に続いて、ついに虎の子の半導体まで切り売りせねばならない事態に追い込まれてしまった。事務機器、昇降機なども売却が検討されているので、残るのは満身創痍の原発のみとなってしまう。そんな東芝に未来はあるのか。株は今やマネーゲームの対象となるまで落ちぶれた。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:59 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年12月27日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】常識を疑え!「長篠の戦い」に隠された衝撃の新事実

■イノベーションが最強武田騎馬隊を破った?

 今年も残すところあとわずかとなった。今回は私が今年一番衝撃を受けた話を紹介したい。それは近年、戦国史で最もホットな議論を集めている「長篠の戦い」に関する新説である。この戦いは織田信長と武田勝頼の決戦で、「武田騎馬隊VS織田鉄砲隊」の図式でもよく知られる。黒澤明の映画『影武者』でも取り上げられた一大決戦だ。

 まず、よく知られる長篠合戦のあらましを紹介しよう。
 天正3年(1575)4月、甲斐の武田勝頼は1万5千の軍勢で、徳川家康方の500名が守る長篠城(愛知県新城市)を襲った。急を知った信長と家康は、長篠城救援のため総勢3万数千の軍を率い、城の西方の設楽原に陣を敷いた。
 信長はこの合戦で、当時として大量な数だった三千挺もの鉄砲を用意して主戦力としたほか、武田の騎馬隊対策として馬防柵を築いた。織田・徳川軍の来援を知った勝頼も雌雄を決すべく設楽原に本陣を移した。
 そして5月21日、決戦が始まる。勝頼は勇猛で鳴る武田騎馬隊を突撃させた。一方、信長は鉄砲隊を三段に横一列で構え、交替で一斉射撃を行う「三段撃ち」の戦法で騎馬隊を迎撃、次々に打ち破った。総崩れとなった武田軍は敗走。戦死者1万ともいう大惨敗を喫した……。

 長篠合戦は、騎馬・足軽中心の個人戦から鉄砲中心の集団戦への移行が行われた、という点で画期的であり、信長は火器が勝敗を決する「戦術革命」を成し遂げ、近代戦争の幕をあけたと評価されてきた。信長の戦術は典型的なイノベーション(技術革新)というわけである。

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(写真)長篠城本丸跡(愛知県新城市)。織田軍と武田軍の争奪戦が繰り広げられた城。豊川と宇連川が合流する断崖絶壁に立つ堅城。遠江・信濃・美濃に通じる三河の要衝だった。援軍要請のため脱出した鳥居強右衛門の逸話は有名。

■「疑惑の合戦」としてさまざまな議論を呼ぶ

 こうした通説に対する批判は1970年代に始まった。論点はかなり多いのだが、ポイントを絞ると、(1)三段撃ち、(2)武田騎馬隊、(3)3000挺の鉄砲、の三点だ。本当にこれらは史実なのか。現在も議論は分かれている。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 15:22 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年11月27日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】坂本龍馬に学ぶ必勝の「パクリ」術

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■近代音楽に「オリジナル」は存在しない!?

 今年も残すところあとわずかとなった。
 世相的にはかなり騒然とした1年だったが、ひとつ印象に残っているのは東京五輪エンブレムをめぐるデザイナー佐野研二郎氏の疑惑事件、いわゆる「パクリ」騒動である。密室的な審議委員会の選定、Facebookでの「パクられ元」作者の告発、ネットでの「炎上」から佐野氏のデザイン取り下げまでの過程、すべてが印象的だった。
 事の是非はともかくとして、ふと考える。この世にまったくのオリジナルというものは存在するのだろうか。

 ちょうど3年前の12月に亡くなったミュージシャン大瀧詠一さんの仕事に「分母分子論」というものがある。日本の音楽史に対する画期的な見解だ。
 要点だけいうと、日本の近代音楽史は輸入音楽、つまり洋楽という「世界史」を分母にして、日本語の歌詞とメロディという「日本史」を分子とした構造になっている、というものである。
 例えば子どもの頃よりなじみ深い唱歌は大半が洋楽である。「むすんでひらいて」はルソー作曲の原曲に日本語の歌詞がつけられたものであり、「蛍の光」もスコットランド民謡である。古賀政男や服部良一といった戦前の歌謡曲を作った人々もジャズ、タンゴ、ブルースの影響下にあり、その中で「世界史分の日本史」という歌謡曲を作ってきた。いつしか分母の存在が忘れられて、「日本史分の日本史」という演歌の概念が生まれた。ただしその分母が世界史であることには変わりはない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:54 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年10月24日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】「君の名は。」大ヒットの驚くべき真実とは?

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■常識を覆す大ヒット、その理由は何か

 東宝が配給しているアニメ映画『君の名は。』が凄まじいヒットとなっている。
 興行収入は10月16日時点で150億円を突破したが、邦画で150億円超のヒットは2008年の公開『崖の上のポニョ』(155億円)以来のこと。洋画を含めると既に2009年公開の『アバター』(156億円)も射程圏に入っている。つれて東宝も過去最高益見通しを発表し、株価も堅調な動きが続いている。
 歴代興行収入ランキングベストスリーは、1位『千と千尋の神隠し』(304億円、2001年)、2位『タイタニック』(272億円、1997年)、3位『アナと雪の女王』(259億円、2014年)となっているが、これからの関心は、200億円超えがあるか、ベストスリーの牙城を崩せるか、といったところになるだろう。

 私も先日観賞したが、素晴らしい作品だった。しかし、これほどのヒットになった理由はさっぱりわからなかった。各種メディアではやれSNSによる口コミが背景にあるだの、ヒット要素を集めたストーリーがウケただの、さまざまな理由付けが行われているが、納得できる論評は皆無である。そんな後講釈が理由なら、映画人は苦労はしない。
 先日とある邦画のプロデューサーに話を聞いたが、この業界は何が当たるかわからないし、ヒットの方程式もないに等しいと述懐していた。だからこの世界は面白いのだろう。

 例えば『千と千尋』なら宮崎ジブリアニメの集大成であったこと、『タイタニック』や『アナ雪』ならディズニー、ハリウッドという巨大資本の力などに少しは理由を求められるだろう。
 ところが『君の名は。』にはそうしたブランド力は皆無なのである。
 同作の新海誠監督の前作『言の葉の庭』の興収は1億5000万円(推定)であり、世間一般では正直まったくの無名、アニメファンの認識にしてみても、数ある若手監督のワンオブゼムにすぎなかったのである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:50 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年09月26日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】中小零細企業は「海賊」ビジネスで生き残りを図れ

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■業績好調は見かけ倒し?

 中小企業の業績が好調のようだ。経産省の中小企業白書(2016)を見ても、経常利益は5.2兆円(大企業9.9兆円)と過去最高水準にある。
 半面、気がかりなのが2011年以降、一貫して伸び悩む売上高だ。利益好調といっても内実は原材料費など変動費の減少、従業員など人件費の減少によるものであり、手放しで「いい」といえる状況ではない。こうした要因は無論この先どうなるかわからない。従業員の減少から人手不足が深刻化している業界もある。
 財務面で余裕があるとするならば、経営者は目先のことも重要なのだが、今のうちに5年後、10年後の売上をいかに伸ばすかを考えるべきだろう。答えの一つは「技術の深掘り」である。他社に真似のできない専門性を持ち、「○○を頼むならあそこ」という強みを持たなければ、生き残りはますます難しくなることだろう。

■村上水軍は「海」に特化した技能集団

 「戦国時代の中小企業」というべき存在は瀬戸内を席巻していた村上水軍だ。
 村上水軍は海賊である。ここで誤解のないようにいっておきたいのだが、日本の中世の海賊とは、いわゆる「賊」を指すものではない。非常に業態の広いビジネスを営む、「海の総合サービス会社」といえるものである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:03 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年08月22日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】中世の西洋に「日本ブーム」を仕掛けた男

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

 イエズス会の日本でのキリスト教布教のキーワードは、他国の文化を尊重し、現地の流儀に沿った対応をする「適応主義」だった。
 適応主義は現代にも息づく経営戦略でもあり、米経営学者プラハラードが2005年に著した『ネクスト・マーケット』に興味深い記述がある。それは世界最大の洗剤・化粧品メーカーP&Gがインドに進出したときの話だ。
 P&Gはシャンプーの販売ターゲットをBOP(bottom of the pyramid)と呼ばれる層に定めた。低所得だが最も人口が多い層であり、全世界で約50億人いるとされる貧困層である。BOPは日当で生活している人々であり、ボトルタイプのようなシャンプーを買う習慣がなかった。そこでP&Gはその日に使える分だけの、使い切りパックのシャンプーを開発・販売し、大ヒットを飛ばしたのである。
 製品・サービスをそのまま持ち込むのではなく、いかにローカライズし「適応」させるかがグローバルビジネスの成功のカギといえる。
 イエズス会のアレッサンドロ・ヴァリニャーノ(1539〜1606)はこうした感覚に秀でた、天才的マネジャーであった。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:02 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年07月22日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】ポケモンと宣教師ザビエルの意外な関係

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術


■「ポケノミクス」で兜町も大フィーバー

 7月よりアメリカなどで先行配信しているスマートフォン向け位置情報ゲーム『ポケモンGO』(Pokemon GO)が大変なことになっている。アメリカでは開始1週間で利用者が6500万人を突破。オーストラリアではゲームをダウンロードしようとする人が殺到し、サーバが次々にダウン。米大統領選挙でもヒラリー・クリントンが、ゲーム内でポケモンを捕まえることができるスポットでの公式集会をアナウンスして「便乗」するなど、もはや社会現象といえる動きになっている。

 任天堂、米ナイアンティック社、株式会社ポケモン社による共同プロジェクトだが、株式市場では任天堂が大暴騰。物色は関連銘柄にも波及し、「ポケノミクス」なる造語まで生まれるほどのブームを呈している。やはり一発の力を有する老舗コンテンツ企業の力は侮れないものだった。

 こうした世界的なヒットを探るキーワードの一つが「ローカライズ」である。元々あるコンテンツを発売先の言葉や文化に合わせて、翻訳や表現を変更することである。例えば近年のメガヒットとなった映画『アナと雪の女王』は、日本語版で松たか子さんなど優れたアクター、シンガーをチョイスし、それが日本でのヒットに繋がった。今や洋画も日本語版が全盛だが、もちろん字幕版だけならあれほどの盛り上がりはなかっただろう。

 任天堂はこのローカライズに散々苦しんできたメーカーである。つい最近、あるゲームのローカライズがあまりにオリジナルと離れていたことから、米ユーザーが激怒するという「炎上」事件もあったほどだ。今回のポケモンGOに関しても、株式会社ポケモンの公式サイトでローカライズに苦心した開発者のインタビュー記事が掲載されている。異なる言葉・文化・人種の壁を越えてマーケットを築くことは本当に難しい。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:38 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年06月21日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】真田昌幸・幸村と「サンクコスト」の罠

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■ドライな『渡り者』だった戦国武将たち

 「あっこの会社は見込みがないな」・・・よくある転職の契機であり、株式投資ではよくある売りの転機である。戦国時代の武将たちも同じようなものだった。「この殿様はダメだな」、「従ってると損をするな」と思ったらさっさと見限り、ほかの殿様に寝返った。忠義をうたうような、儒教的な「武士道」は基本江戸時代以降に生まれたものである。当時の武士の感覚は非常にドライだった。越前の朝倉宗滴という武将は「武者は犬ともいへ、畜生ともいへ、勝つことが本にて候」という、今のビジネスマンに通じるような名言を残している。

 当時の武士はあちこちの主家を渡り歩いた者が多かったため、『渡り者』とも呼ばれた。藤堂高虎という人は何度も主家を変えたことで有名だが、「主が悪ければ家来は暇をとって当然」、「武士たるもの七度主君を変えねば武士とは言えぬ」といっている。この言葉通り高虎は何度も『転職』を繰り返し、最終的に津藩(三重県)32万石の初代藩主となった。

 戦国の武士は「犬畜生」であり「渡り者」であって当然だった。何しろわずかな選択ミスが即命取りになってしまうのだから。何しろすべての武士の頂点だった足利将軍もないがしろにされた下克上の時代なのである。信長は尾張守護・斯波氏、家康は今川氏をそれぞれ離反してのし上がった。秀吉にしても最初は今川氏に仕えて織田氏に転職、信長死後は世継ぎ候補を殺したり、追い落としたりして織田家を乗っ取っている。
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2016年05月17日

【作家吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】揺れる三菱、不正の元祖は何とあの英雄!?

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

■『三菱グループの天皇』の放言に批判集中

 燃費データ不正問題の発覚で名門・三菱自動車が揺れている。日産自動車傘下入りという衝撃的な展開は多くの市場関係者を驚かせた。

 ところで騒動に火に油を注いでいたのが、「三菱グルーブの天皇」と呼ばれる相川賢太郎氏(元三菱重工会長・社長)だった。『週刊新潮』誌上で「あれ(公表燃費)はコマーシャルだから。効くのか効かないのか分からないけれど、多少効けばいいというような気持ちが薬屋にあるのと同じ」、「買う方もね、あんなもの(公表燃費)を頼りに買ってるんじゃないわけ」など、身も蓋もない発言をしたのである。

 これに「三菱にモラルはないのか」、「創業の精神はどこへいった」といった批判が噴出したが……さてどうだろう。いい意味でも悪い意味でも、大三菱とはもともとこういう会社ではなかったのか。

 三菱を語る上で欠かせない人物、それはもちろん創業者の岩崎弥太郎だ。弥太郎は幕末の人、土佐安芸郡の出身である。武士ではあったが、家は「地下(じげ)浪人」と呼ばれる最下層階級だった。弥太郎は土佐藩重臣の後藤象二郎にその才覚を見出され、慶応2年(1866)に藩の商館「開成館」にめでたく就職。そして当時貿易の中心地だった長崎に赴いて、開成館の出先機関である「土佐商会」の責任者に抜擢された。ここで弥太郎は同じ土佐藩出身の浪人と運命的な出会いを果たす。坂本龍馬である。
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2016年04月19日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】真田丸の秘密!幸村父の『究極の設備投資』とは

■信濃上田城を造ったのは真田氏ではない?

 NHK大河ドラマ『真田丸』のあるシーンを観ていて『アレっ?』と思った歴史ファンは少なくないと思う。真田昌幸(信繁の父。信繁は幸村の名で知られる)の本拠地として有名な上田城を徳川家康が「築城してあげる」場面だ。ドラマでは徳川方に属していた昌幸の要請で仕方なく造った、と描かれている。その後、昌幸に裏切られた家康は激怒して上田城攻めに踏み切るが、みじめな敗北を喫してしまう。

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<写真=真田氏で有名な上田城(長野県上田市)。ただし現在の城址は真田氏時代のものでなく、江戸前期に築造されたもの>

 これまでの通説では上田城を築いたのは昌幸であり、家康の介入など考えられていなかった。

 ドラマの筋立ては一見、盛り上げるための脚色とも思える。しかし実はこれには立派な裏付けがあるのだ。近年に元上田市立博物館長の寺島隆史氏が、築城は家康(および上杉景勝)によって行われた、という『新説』を唱え、学界でもかなりの支持を集めるようになったのである。寺島氏の論は当時の家康の書状などを丹念に研究したもので、かなりの説得力を持つ内容である。ドラマもこの説を採用したのだろう。

 歴史学とは一夜にして常識が覆る世界であるが、上田城の一件はその好例だ。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:41 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年03月21日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】「トランプ大統領」で大暴落!?モンロー主義は復活するか

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■「想定外」の事態が発生しつつある

 米大統領選が「まさか」の展開になってきた。多くの人、特に市場関係者が泡沫候補ととらえていた“不動産王”の共和党ドナルド・トランプ氏の快進撃が止まらないのだ。

 スーパーチューズデーに続くミニ・スーパーチューズデーでトランプ氏はフロリダなど3州で勝利。一方、民主党は前国務長官のヒラリー・クリントン氏が前進しており、11月8日の本選はトランプ対クリントンの対決が有力となってきている。

 ここに至り、「しょせんは予備選」、「ガス抜きであろう」とタカをくくっていた向きも認識を改めてきている。もしかしたら「万が一」があるのではないかと。

 米国民はウクライナ・シリア問題に見られるような自国の威信低下に危機感を持ち、強力なリーダーを待望しているようだ。さらに、猛烈な格差の拡大に対し、想像以上に不満を持っている。多くの人々が読み違いをしたのはこのあたりだろう。

 メキシコからの不法移民を「レイプ魔」と罵り、イスラム教徒の入国禁止を叫び、果てはメキシコ政府の費用負担で国境に「長城」を築く、などなどトランプ氏の一連の発言は非現実的なものが多い。自由貿易・同性婚・銃規制反対はいかにも共和党らしい主張だが、半面、富裕層への増税、国民皆保険の拡大、中絶の肯定といったリベラル左派的な主張もある。要するに、現状では保守もリベラルもごちゃまぜにしたポピュリスト(大衆迎合主義者)としかいいようがない人なのである。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:49 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年02月18日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】三国志の悪役・曹操が挑んだ「大失業時代」

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■押し寄せる「消える職業」の恐怖

 車の自動走行をアピールする某有名歌手の"手ぶら運転CM"が話題である。もはや人の運転さえいらないGoogleの自動運転カーの実用化もそう遠くない未来であろう。テクノロジー、とりわけ人工知能(AI)技術の進展は目を見張るものがある。大手証券会社では、膨大な経済データをAIに学習させ、日銀の政策決定や経済動向を予測する動きも出てきている。もしかしたら金融政策の決定自体もAIが行う日が来るのかもしれない。

 AIやロボット技術の進展とともに、気になるのが「消える職業」の問題である。車のドライバー、銀行の融資担当者、野球の審判、薄記・会計の事務員……オックスフォード大学・AI研究者のマイケル・A・オズボーン博士は、今後10〜20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い、としている(『雇用の未来』)。

 もちろん新しく創出される職業もあるだろうが……では30年、50年先はどうか。現状では大半の職業がAI、ロボットに取って代わられるイメージが先行しているようだ。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:10 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2016年01月19日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】『ラ・マンチャの男』とともに苦難を乗り越えよう、大暴落と『ドン・キホーテ』の風車

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術

 2016年のマーケットがとんでもない幕開けとなっている。
 今、何を言うべきだろう。私のような小心者は、現在進行形の大暴落にただただ呆然とするばかりだ。百万言を連ねたとしても、まるで風車に突撃する『ドン・キホーテ』のように、むなしく思えてならないのである。

 こんなとき賢人ならば何と言うのだろう、と思っていろいろ調べてみると、その『ドン・キホーテ』の作者セルバンテス(1547〜1616)が気の利いた言葉を残していた。
 「流れに逆らおうとしたところでむだなことだ。流れのままになっていれば、どんな弱いひとでも岸に流れつくものだ」――。
 色々な解釈ができる言葉である。ひとまず持ち高を整理して、ボーっとしていれば岸にたどりつける。かもしれない。

 セルバンテスはスペインの人で、今年で没後400周年を迎える。セルバンテスとドン・キホーテの物語を軸にしたブロードウェー・ミュージカル『ラ・マンチャの男』もよく知られるところだろう。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:00 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2015年12月21日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】「環日本海経済圏」と日本神話(下)

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 オオクニヌシ(大国主命)は出雲大社(島根県)の祭神であり、特に「因幡の素兎」神話でよく知られる神である。スサノオの子孫で、「国作り」を行って天下を治めたが、最後はアマテラスを中心とした高天原の神々に屈して国土を譲り、隠退した。中世以降は密教の神である大黒天と混同されて、大黒様、福の神として信仰を集めるようになった。

 オオクニヌシの神話には太古の環日本海経済圏、日本海文化圏を示す話が多い。

 もちろん神話や伝承は歴史そのものではないが、丹念に検証するといくばくかの史実がかいま見えてくる。

 代表的なものが越(北陸道の古称。高志国)のヌナカワヒメとのラブロマンスだ。出雲の王ヤチホコ(オオクニヌシの別名)がヌナカワヒメに求婚するため越に向い、互いに歌を詠みあって結ばれる、という話である。

 ヌナカワとは翡翠の川、つまり古代にヒスイの産地だった糸魚川の意味がある。ヌナカワヒメは糸魚川を守護する女神ということになる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:37 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術
2015年11月20日

【作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術】「環日本海経済圏」と日本神話(上)

■地図を逆さに眺めると見えてくる裏日本の有望性

作家・吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術 ビジネスに求められる重要なものの一つが「逆転の発想」である。
 今の日本は低成長が続き、少子化で先行きの見通しも良いとはいえない。この中、ぜひ見て欲しいのが通称「逆さ地図」(環日本海・東アジア諸国図)と呼ばれるものだ。日本列島そのものを逆転して示した地図である。まるで日本列島がユーラシア大陸、朝鮮半島とともに、日本海という大きな内海を囲んでいるように見えるだろう。

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 「環日本海経済圏」という言葉がある。これは地理的に隣接している極東ロシア、モンゴル、中国東北3省、北朝鮮、韓国、そして日本を含む地域を指すものだ。日本海は各国を結ぶ動脈となる。
 環日本海経済圏は、ロシア・モンゴルの天然資源、東北3省や北朝鮮の低廉な労働力、日本・韓国の資本と技術を相互補完的に組み合わせることで、大きな潜在力と成長性を秘める、と90年代から叫ばれてきた。

 特に「裏日本」と呼ばれてきた北陸、山陰はこのブロックでは主役となりうるわけで、活性化が十分期待できることになる。もっとも、政治的にも制度的にもハードルがあまりにも高く、体制構築は現状では始まってさえいない、というのが適切だろう。

 だが、結論から言おう。日本海の時代は遠くない。戦後の日本はアメリカに依存した、いほば太平洋の時代を過ごしてきた。東京一極集中はその象徴なのかもしれない。そのアメリカの影響力は緩やかに低下し、世界は多極化、多様化へ向かっている。その極の有力なものの一つがアジア、ユーラシアであり、「新シルクロード構想」であることは確かだろう。地政学的に日本海がクローズアップされるのは必然の流れと思われる。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:20 | 吉田龍司の歴史に学ぶビジネス術