コムシード<3739>(名セ)は12日の引け後に、「不適当な合併等の猶予期間」解除を発表した。
同社は、株式会社サイカンによる子会社化及び同社役員の異動に伴い、名古屋証券取引所(以下名証)より、同社が実質的な存続会社でないとされ、2007年3月30日以降、「合併等による実質的存続性の喪失に係る猶予期間入り銘柄」の指定を受けていた。以降「新規上場審査に準じて名証が定める基準」に基づく名証の審査を受けてきた。
ところが今回、名証が定める基準に適合するとの認定を受け、2010年3月12日付で猶予期間入り銘柄から解除された。
解除されたことにより、今後株価の上昇が予想されるが、その基盤となる同社の業績を見ると、2月4日に発表されている今第3四半期業績は、売上高9億2800万円、営業利益1800万円、経常利益1800万円、純利益2000万円であった。前第3四半期は連結決算であったことから増減の比較は発表されていない。
そこで、業績の推移を見るために、4半期毎の売上高、営業利益を比較すると、第1四半期(4月〜6月)3億2400万円、1200万円、第2四半期(7月〜9月)3億200万円、400万円、第3四半期3億200万円、200万円となっていて、目立った成長は見られていない。
■ニッチ市場の特定ファンに向けて、「より深く」、「より面白く」、「より使える」コミュニケーションメディアを提供 同社は、2000年よりモバイルコンテンツの開発・サービス運営を行っており、携帯電話インターネットの目覚しい普及を追い風に成長してきたが、消費者の価値観の多様化は進み、ファン、マニア、オタク、サブカルチャーといった特定ジャンルのニッチ市場が生まれ、インターネットやモバイルの普及といった情報通信の活発化により、そのマーケットはさらに拡大している。
同社はその様な環境の中で、ニッチ市場の特定ファンに向けて、「より深く」、「より面白く」、「より使える」コミュニケーションメディアを提供することで、「新たなエンターテインメント・コミュニティの創造」の実現を目指している。
具体的には、オリジナルサイトのパチンコ・パチスロ総合情報サイトである「パチンコ倶楽部」で、みんなで作るパチンコ・パチスロ情報サイト「WIKIRE(ウィキレ)」との連携を強化し、ブログ記事等から機種に関連した情報を検索する機能を追加するなど、サービスを拡充。メーカーオフィシャルサイトでは、パチンコ・パチスロの新機種導入時に人気の携帯アプリを早期に配信する他、オリジナル商品の投入、各種イベントの開催など、サービスの拡充に取り組んでいる。
■アルバイト情報サイト「パチバイ」の企画・制作を行い、サービスを開始 また、全国約4,000店のパチンコ・パチスロ店舗を対象に人材紹介やコンサルティング事業等を行うパック・エックス社との業務・資本提携で、共同でアルバイト情報サイト「パチバイ」の企画・制作を行い、サービスを開始している。さらに、パチンコ・パチスロメーカーのオリンピア社と、人気スロットゲームである「南国育ち」を忠実に再現したニンテンドーDS用ゲームソフト「南国育ちDS」を開発し、販売を開始している。第3四半期には、「パチンコ・パチスロ」に続く新たなサービスを育成するため新規サイトを投入している。
今3月通期業績予想は、売上高13億円(前期比4.2%増)、営業利益6500万円(同26.7%増)、経常利益6300万円(同23.1%増)、純利益5500万円(同80.3%減)と最終利益は大幅減益を見込むが、増収、営業・経常2ケタ増益であることから順調といえる。
12日の株価は、前日比450円の9900円。1年近く1万円ラインを挟んだ動きで推移しているが、今回の解除の発表で、株価の動向が注目される。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR at 10:01
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