
その中国は「特定の国を排除するなら正しい道を外れている。米国がなすべきことは自由貿易のルールに従って行動することだ」(王毅外相)と牽制している。
いわば、IPEFは中国外しの経済圏構想であり、サプライチェーンに経済安全保障のタガがはめられている。有事となれば、中国とのサプライチェーンは遮断される。あるいは、平時においても中国とのサプライチェーンは見直され、極端な依存関係は是正される方向とみられる。
自由貿易主義は、米ソ冷戦終了後に戦争がないことを前提に世界を覆った経済システムである。冷戦時には、中国は国を閉鎖しており、入国することさえ困難だった。冷戦が終わって米欧、それに日本などが中国の安い労働力を狙ってサプライチェーンに組み込んでいった。労働力だけではない。人口の多さは巨大なマーケットを意味するから、魅力はそれなりに十分だった。
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