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2024年01月01日

【2024年相場を占う】政治・経済・地政学のリスクにどう対処するか?

〜株価反発のチャンスはあるか〜

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 2024年の新春相場は、政治・経済・地政学のリスクが高まる中で、どのように展開するのだろうか。日米の金融政策の違いや、ロシアや台湾の大統領選挙、ウクライナやパレスチナの紛争、北朝鮮の核・ミサイル問題、自民党の政治資金疑惑など、不安要素は多い。しかし、それらのリスクがすでに市場に織り込まれているとすれば、株価は反発のチャンスを探すだろう。2023年の相場では、ダウや日経平均株価が最高値を更新し、半導体関連株などのハイテク株が牽引した。2024年の相場も、ファンダメンタルズとハイテク株の力を信じて、悲観から楽観へと転換できるかがカギとなる。

■日米金融政策の逆行、ドル高・円安の波に乗れるか

 まず、日米の金融政策の違いについて見てみよう。FRBは、2023年に3回の利下げを実施し、政策金利を0.5%〜0.75%の範囲に引き下げた。これは、米国経済の減速やインフレ率の低下、貿易戦争の影響などを考慮したものである。一方、日本銀行は、2023年に2回の利上げを実施し、政策金利を−0.1%から0.0%に引き上げた。これは、日本経済の回復やインフレ率の上昇、消費税増税の影響などを考慮したものである。

 このように、日米の金融政策は、真逆の方向に動いている。これが、日米の金利差を拡大させ、ドル円相場に影響を与えている。2023年には、ドル円相場は、106円台から115円台まで約9円の上昇を見せた。これは、ドル高・円安のトレンドを示している。ドル高・円安は、日本の輸出企業にとっては有利であるが、輸入企業や消費者にとっては不利である。また、ドル高・円安は、日本株の海外投資家にとっては不利であるが、日本株の国内投資家にとっては有利である。このように、ドル高・円安は、日本経済や日本株にとっては、メリットとデメリットが混在している。

■ロシアと台湾の大統領選挙、2024年の地政学リスクの火種となるか

 次に、地政学リスクについて見てみよう。2024年には、ロシアや台湾の大統領選挙が注目される。

 ロシアの大統領選挙は、3月に行われる予定である。現職のプーチン大統領は、憲法改正により4期目の出馬が可能となった。プーチン大統領は、ウクライナやシリアなどでの軍事介入や、欧米との対立姿勢で、国内外での支持率を高めている。プーチン大統領が再選されれば、ロシアの強硬路線は継続されると予想される。これは、欧米との関係悪化や、エネルギー価格の上昇などのリスクを高める可能性がある。

 台湾の総統選挙は、1月に行われる予定である。現職の蔡英文総統は、親米派の与党・民進党の候補として出馬する。対抗馬は、親中派の野党・国民党の候補と、元国民党の宋楚瑜氏が率いる親中派の第三勢力である。蔡英文総統は、香港のデモや、米中貿易戦争などで、中国に対する警戒感を高めている。蔡英文総統が再選されれば、中国との関係悪化や、中国の軍事的威嚇などのリスクを高める可能性がある。これは、台湾海峡の緊張や、米中の対立などのリスクを高める可能性がある。

■自民党の政治資金疑惑、2024年の政局にどんな影響を与えるか

 さらに、国内政局について見てみよう。

 2024年には、自民党の政治資金疑惑が波紋を広げる可能性がある。東京地検特捜部は、自民党の政治パーティー券裏金疑惑に関して、正月休み返上で捜査を続けている。この疑惑は、自民党が政治資金規正法に違反して、政治パーティー券の売上金を裏金として使っていたというものである。この疑惑には、自民党の幹部や議員が関与しているとされる。特捜部は、関係者の逮捕や起訴を検討しているという。この疑惑が立件されれば、関係議員の失職や、補欠選挙の実施などが必要となる。これは、自民党の支持率や、安倍首相の求心力を低下させる可能性がある。また、この疑惑が、1月の通常国会の開会に影響を与える可能性もある。通常国会では、年度予算案や、消費税増税の延期などの重要法案が審議される予定である。しかし、自民党の政治資金疑惑が、国会の空転や、野党の攻勢などを招く可能性がある。これは、年度予算の成立や、政策の実行に支障をきたす可能性がある。

■大なる悲観から大なる楽観へ、2023年相場のリバウンドの秘密とは

 ところが、かつて「大なる悲観は大なる楽観に一致する」と看破された。盾には表と裏がある。またショック安となったイベントが織り込み済み、悪材料出尽くしとなれば、株価は大きくリバウンドする。現に日米の金融政策にしろ地政学リスクにしろ国内政局波乱にしろ、2023年相場にカゲを落とし続けてきたが、にもかかわらず足元の12月相場では、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は、史上最高値を更新し、日経平均株価も一時、年初来高値を更新した。また2023年に時価総額が3倍となった米国の画像処理半導体メーカー・エヌビディアを中心とする7銘柄「マグニフィセント・セブン」に牽引され指数寄与度の大きい半導体関連株などのハイテク株が下支えしてリスクを吸収した。

■ファンダメンタルズとハイテク株の力、2024年相場の楽観転換のカギとなるか

 2024年の相場も、ファンダメンタルズの力を信じて、悲観から楽観へと転換できるかがカギとなる。ファンダメンタルズとは、経済成長や企業業績などの株価に影響を与える基本的な要因のことである。2023年には、米国経済は減速傾向にあったが、日本経済は回復傾向にあった。2024年には、米国経済は利下げ効果や貿易戦争の緩和などで持ち直す可能性がある。日本経済も、消費税増税の影響が一過性であれば、安定成長を続ける可能性がある。また、世界経済も、新興国の成長や欧州の統合などで、底堅さを見せる可能性がある。これらのファンダメンタルズが、株価の上昇を支える要因となるだろう。

■人工知能や5G通信、自動運転などの分野で活躍するハイテク株、2024年相場の牽引役となるか?

 ハイテク株とは、高度な技術を持つ企業の株式のことである。半導体やコンピュータ、インターネット、バイオテクノロジーなどの分野に多い。高い成長性や革新性を持つため、株価の上昇率が高いことが多い。しかし、技術の変化や競争の激化などにより、株価の下落率も高いことが多い。リスクとリターンが高い株式と言える。2023年には、ハイテク株は、半導体関連株を中心に、株価の上昇を牽引した。2024年には、人工知能や5G通信、自動運転などの分野で、新たな成長機会を掴む可能性がある。これらのハイテク株が、株価の上昇を牽引する要因となるだろう。

■新春相場はいきなり本気モード、初夢は福夢か悪夢か

 以上が、2024年の新春相場の展望である。政治・経済・地政学のリスクが高まる中で、株価はどう動くのか。リスクが織り込み済みとすれば、反発のチャンスを探す相場になるかもしれない。

 新春相場は、新年の挨拶もご祝儀相場もなく、いきなり本気モードでスタートするかもしれない。初夢が、福夢になるのか悪夢になるのか、マーケットの大海に漕ぎ出す舟が、宝船か泥船か心配になるのが投資家心理というもので、新春早々、緊張を強いられる。しかし、その緊張を乗り越えれば、株式投資は、楽しくてやめられないものになるかもしれない。2024年の相場には、期待と不安が入り混じるが、それが投資の醍醐味である。2024年の相場には、幸運が訪れることを祈って、この記事を締めくくりたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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【2024年の注目銘柄をスクリーニング】政治・経済イベントでリスクオンの銘柄を探せ!

【2024年:注目の相場テーマと銘柄を探る】

■証券株や防衛株、紙幣関連株などの軽量・脇道・裏銘柄が急騰のチャンス

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 2024年は政治・経済のイベントが多く、株式市場にも大きな影響を与えそうだ。新NISAの開始や台湾総統選挙、新紙幣の発行などは、それぞれ証券株や防衛株、紙幣関連株などの関連銘柄にチャンスをもたらすだろう。また、残業時間の規制が始まる「2024年問題」は、DXや人材派遣などの分野にビジネスチャンスを拡大する可能性がある。これらのイベントに対応するためには、主力株だけでなく、軽量・脇道・裏銘柄にも目を向ける必要がある。本記事では、それぞれのイベントに関連する銘柄をスクリーニングし、注目度の高い銘柄を紹介する。新年早々、またまたへそ曲がりな相場見通しとなってしまったが、宝船か泥船かご参考になれば幸いである。

■新NISAでは「隠れ高利回り株」の証券株、台湾有事なら防衛関連・金関連株

 イベントのトップバッターは新NISAで、期待の星ナンバーワンのカタリスト(株価材料)である。岸田文雄首相がスローガンに掲げる「資産所得倍増プラン」に乗って「貯蓄から投資へ」を目指すニューマネーが大挙流入するからだ。恩恵株の最右翼は、NISA口座で流入資金の受け皿となる証券株である。証券株の株価は、「アベノミクス相場」初期の2013年春に極東証券<8706>(東証プライム)の株価が4倍超化するなど揃って急騰を演じたが、瞬間風速はあるいはこれに匹敵するかもしれない。しかも流入資金の多くが、ターゲットとするのは高配当利回り銘柄とされているが、証券株は「隠れ高利回り銘柄」でもある。

 証券株の今3月期中間業績は、純利益が黒字転換、あるいは15倍増益となるなどV字回復して中間配当を増配するケースが多かったが、期末配当については市況産業として通期業績予想を開示しないため未定とする銘柄がほとんどである。しかし例えば丸三証券<8613>(東証プライム)は、中間配当を普通配当10円に特別配当15円を上乗せして25円に増配し、期末配当は普通配当は未定としたものの特別配当15円の継続は予定している。この合計40円の確定済み配当の利回りは、4.78%にもなってプライム市場の高配当利回りランキングの第41位にランクインし、市場の年間配当予想並みなら第3位から第6位に相当する。証券各社は、2024年1月中下旬に今3月期第3四半期決算を発表予定で、同時に期末配当予想を開示することがあれば、「隠れ高利回り銘柄」が「表高利回り銘柄」のオンパレードに一変する。

 証券株には、岡三証券グループ<8609>(東証プライム)大和証券グループ本社<8601>(東証プライム)松井証券<8628>(東証プライム)極東証券<8706>(東証プライム)アイザワ証券グループ<8708>(東証プライム)水戸証券<8622>(東証プライム)日産証券グループ<8705>(東証スタンダード)東洋証券<8614>(東証プライム)いちよし証券<8624>(東証プライム)、今村証券<7175>(東証スタンダード)、豊トラスティ証券<8747>(東証スタンダード)、丸八証券<8700>(東証スタンダード)光世証券<8617>(東証スタンダード)などがある。

 台湾総統選挙を受けて台湾海峡有事となった場合は、防衛関連株の出番である。定番銘柄の機雷の石川製作所<6208>(東証スタンダード)、火工品の細谷化工<4274>(東証スタンダート)、火器の豊和工業<6203>(東証スタンダード)が急動意となって小型株のカーリットホールディングス<4275>(東証プライム)桜護謨<5189>(東証スタンダード)日本アビオニクス<6946>(東証スタンダード)東京計器<7721>(東証プライム)に波及し、主力株の日本製鋼所<5631>(東証プライム)三菱電機<6503>(東証プライム)三菱重工業<7011>(東証プライム)川崎重工業<7012>(東証プライム)、IHI<7013>(東証プライム)、新明和工業<7224>(東証プライム)、SUBARU<7270>(東証プライム)島津製作所<7701>(東証プライム)も買い進まれることになろう。

 「有事の金買い」で金先物価格が、再び史上最高値追いとなれば関連株への目配りも欠かせない。産金株の中外鉱業<1491>(東証スタンダード)住友金属鉱山<5713>(東証プライム)DOWAホールディングス<5714>(東証プライム)から貴金属リサイクルのアサカ理研<5724>(東証スタンダード)AREホールディングス<5857>(東証プライム)松田産業<7456>(東証プライム)、さらに貴金属買い取り・再販のリユース株のコメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)シュッピン<3179>(東証プライム)買取王国<3181>(東証スタンダード)などまで物色が広がろう。

■「2024年問題」ではDX・人材関連株、新紙幣発行は経済効果1.6兆円

 5年間の適用猶予期間が切れて2024年4月から残業時間が、年間900時間に規制される自動車運転業務、建設業務、医師の「2024年問題」ではドライバー不足、建設・技術者不足、医師不足が懸念されている。同問題向けにビジネスチャンス拡大が期待されているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)関連株や人材派遣株関連株である。ドライバー不足の物流業界向けでは物流機械のダイフク<6383>(東証プライム)日本車両製造<7102>(東証プライム)、パレタイズロボットのユーシン精機<6482>(東証スタンダード)、物流DX関連のYE DIGITAL<2354>(東証スタンダード)ロジザード<4391>(東証グロース)フューチャー<4722>(東証プライム)などが該当し、パレット・レンタルの日本パレットプール<4690>(東証スタンダード)ユーピーアール<7065>(東証スタンダード)は、4月から課税開始となる森林環境税の目的の一つである国産材の有効活用にも関連する。

 建設業界向けでは、ICT(情報通信技術)建設機械の不動テトラ<1813>(東証プライム)ライト工業<1926>(東証プライム)日特建設<1929>(東証プライム)コマツ<6301>(東証プライム)日立建機<6305>(東証プライム)、酒井重工業<6358>(東証プライム)のほか、DX関連のオプティム<3694>(東証プライム)、エコモット<3987>(東証グロース)スパイダープラス<4192>(東証グロース)シーティーエス<4345>(東証プライム)応用技術<4356>(東証スタンダード)、構造計画研究所<4748>(東証スタンダード)、Arent<5254>(東証グロース)、人材派遣のクイック<4318>(東証プライム)やナレルグループ<9163>(東証グロース)が浮上する。医療業界向けでは医師派遣・転職サイトのケアネット<2150>(東証プライム)エス・エム・エス<2175>(東証プライム)エムスリー<2413>(東証プライム)MRT<6034>(東証グロース)などが関連度を強めそうだ。

■新紙幣の関連株

 2024年7月3日に20年ぶりに発行される新紙幣の関連株は、経済効果が1兆6000億円とも観測されているだけに幅広い。紙幣用原料パルプの三菱製紙<3864>(東証プライム)、紙幣印刷機の小森コーポレーション<6349>(東証プライム)、紙幣識別センサーのユビテック<6662>(東証スタンダード)浜松ホトニクス<6965>(東証プライム)、紙幣処理・識別機の日本金銭機械<6418>(東証プライム)グローリー<6457>(東証プライム)ムサシ<7521>(東証スタンダード)マミヤ・オーピー<7991>(東証スタンダード)、紙幣両替機のオムロン<6645>(東証プライム)、ATM(現金自動預け払い機)のOKI<6703>(東証プライム)、自動券売機の高見沢サイバネックス<6424>(東証スタンダード)、POSレジの東芝テック<6588>(東証プライム)、自動販売機の富士電機<6504>(東証プライム)と続く。軽量銘柄、脇道銘柄、裏銘柄とバラエティに富んでおり、宝船銘柄への期待を高める。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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