
米国労働省が発表した4月雇用統計だが、景気の現状を反映するといわれる非農業部門雇用者数は17万5000人増加となり、予想雇用者数24万人を大きく下回る結果となった。前月は30万3000人増(改定値31万5000人増)の雇用者数だった。さすがに雇用者増はやや鈍化となった格好である。
失業率は3・9%(予想3・8%)と前月の3・8%から悪化している。平均時給は0・2%(予想0・3%)で前月の0・3%を下回った。労働需給の過熱感はやや低下の兆しがみえる。ただし、4月単月ベースの推移であり、今後のトレンドを指し示すかどうかは何ともいえない。
「9月には利下げが行われる」(市場筋)といった金利低下期待がにわかにぶり返したが、この傾向が5月、6月と継続しなければ利下げのスケジュールは見込めない。現状では利下げ期待は掛け声というか、少し気が早いということになる。
だが、久々の“景気鈍化”を示す指数に市場は反応している。米国国債10年物利回りは4・50%に大幅低下している。円は一時1ドル160円台に突入したが、巨額の為替介入で1ドル153円台となっていた。4月雇用統計発表で一時151円台になり、その後も152円台と円高に転じている。前週末のNY株式市場は450ドル高、ナスダックは315ドル高と大幅上昇している。
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