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2024年11月03日

【小倉正男の経済コラム】自民党惨敗 薄氷を踏むような石破政権

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■2週間で表紙を変えたが・・・

 米国大統領選挙(11月5日)が迫っている。大統領選挙は予備選、党員集会などを含めると1年近くを使って行われる。国のトップを4年間託すわけだから、そのぐらいの期間をかけて念入りに選別のふるいにかけている。

 1年かけてチェックされれば、政策、人柄、良いところだけではなく、欠点、弱点、難点も露呈しないわけがない。確かに米国大統領は、米国のみならず世界の政治・経済・軍事などのすべてに決定的に影響する。1年近くを選挙に費やす意味合いはあるということになる。

 それにつけても日本の自民党総裁選とは何だったのか。2週間ほど政策らしいような議論が行われた。しかも総裁選が終わったら、総裁選で話したことと平気で真逆のことをやっている。「君子豹変」(易経)とは、良い方向に変わるというのが本来の使われ方である。最近では節操がないという使われ方もされている。

■「豹変ラッシュ」で化粧を施したが

 石破茂総理は、自民党総裁に就任したばかりの9月30日に10月9日に衆議院解散、10月27日に総選挙を実施すると表明した。国会の首相指名選、天皇の任命というスケジュールを経て首相になるのがルールだ。首相になる以前に解散・総選挙を表明したのは前代未聞だ。

 スケジュールを無視してまで急いだのは、新首相の人気が剥落しないうちに総選挙を行うという一点にあった。2週間で日本のトップを選ぶという制度の欠陥を利用して、中身はともかく表紙(顔)を変えて新鮮さを訴えるという自民党の過去の成功経験則による。国民を舐めてかかったといえるに違いない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:15 | 小倉正男の経済コラム