2024年11月24日
【小倉正男の経済コラム】ROE・PBR改善に苦慮 増配、自己株買い活発化の底流
■東証は「ROE・PBRの改善」を要請
この1〜2年、日本の上場企業が直面しているのが「ROE・PBRの改善」という問題だ。
ROEは「自己資本利益率」、企業が自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかという指標である。PBRは「株価純資産倍率」、企業の純資産(自己資本)との対比で株価がどのような評価を受けているかを示す指標ということになる。
東京証券取引所は、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を発表している(23年3月)。プライム市場、スタンダード市場に上場している全企業に対して自社株価を分析して具体的な改善策を示してほしいという“要請”を行っている。
■分厚い自己資本、ROE低下、PBR1倍割れの「壁」
東証は、ROE8%以上を目指してほしい、それが実現できればPBR1倍割れは自然に解消される、としているフシがある。
しかし、日本企業は一般に自己資本がきわめて分厚い。自己資本比率が60%〜70%台といった企業が少なくない。そのためROE5%以下、PBR1倍割れという企業が相当数存在している。現実として上場企業の半数はそうした事態を抱えている。
上場各企業をさっと眺めてみると、自己資本が時価総額を上回っているケースが少なくない。つまり、企業の「解散価値」のほうが高いわけだから、時価でその企業をM&Aをすればおつり(利益)が出る勘定になる。企業としても無視できない事態だが、「ROE・PBRの改善」を解消するのはそう簡単ではない。
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:44
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:43
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