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2008年11月22日

篠崎屋 事業モデルの再構築完了し、今期黒字化に期待

篠崎屋のホームページ 篠崎屋<2926>(東マ)の前08年9月期連結業績が発表された。売上高86億3600万円(前々期比1.8%増)、営業利益△5億100万円(前々期△5億5600万円)、経常利益△7億5000万円(同△6億8000万円)、純利益△13億1500万円(同△16億4300万円)。
 同社は埼玉県を地盤とする豆腐の製造・販売を行っている。前期は、世界的に原油をはじめとする商品先物の急騰のあおりを受けて事業運営面で多くの企業に大きな悪影響を及ぼした。同社も原料となる大豆の高騰、原油の急騰が響き、豆腐の価格改定を実施したものの、浸透するには時間が掛かりすぎたことから、営業利益段階で赤字となった。
 同社の事業セグメントは小売事業、外食事業と卸売事業に大別される。小売事業は工場直売所(直営店15、FC店98)、Tofu Sweets茂蔵(直営店1)、茂蔵Deli〔中食事業〕(直営店7、FC店10)と事業全体で131店舗となる。
 外食事業は三代目茂蔵(直営店12、FC店21)の33店舗。連結子会社大秦の経営する刀削麺荘他〔中華料理〕も外食事業に含まれていたが、07年10月11日付で全株式を売却して、連結対象から除外している。したがって、前期末の時点で小売・外食事業全体では164店舗となる。
 まず、小売事業では、小売事業のモデルを再構築するために「三代目茂蔵工場直売所」の店舗で商品アイテム、販売手法、販売形態など様々な点を検証した。その検証結果をもとに2月よりパイロット店として9店舗出店している。「茂蔵Deli」でも検証を行い、その結果集客力が増加し、店舗当りの売上増につながった。売上高は10億4600万円(同0.4%増)となった。
 外食事業は、食の安全・安心に対応したメニューの開発と競合他社との差別化を図れるメニューを提供すると共に小売事業の検証結果を参考に集客力の向上に努めた。一方、今後新規出店を行わない方針であることから、FC機能本部として契約していたマンダラハウスとの契約を3月に解消した。売上高は7億3700万円(同15.4%減)となった。
 卸売事業では、原料の大豆の高騰により、07年10月に豆腐製品、08年4月に油揚げ、がんもどき、蒟蒻等の価格見直し交渉を実施した。しかし、価格見直しの浸透に時間が掛かり過ぎた。また、継続的な原材料の高騰のため、需要期である8月、9月の特売を見合わせた。更に食の安全・安心の高まりから、国産大豆を使用した新製品を販売したことにより価格の底上げを図ったものの利益改善にはつながらなかった。7月以降も全アイテムの価格見直し交渉を実施し、収益基盤の強化に努めている。また、連結子会社である落陽食品では国内の4工場で、焼売・餃子の製造・販売を行っているが、中国の冷凍餃子問題と価格転嫁に時間が掛かりすぎたことから苦戦を強いられた。しかし、売上高は68億5200万円(同4.3%増)と最も売上を伸ばした。
 今期も原料価格の乱高下、消費者の節約志向などにより事業環境は厳しいものの同社では、企業コンセプトである「いいものを安く」を実現しながら、収益基盤の強化に取組んでいくとしている。そのために、@製造原価の改善(生産性の向上)、A製造小売モデルの再スタート元年、B製造卸モデルの収益化確立を主要テーマとして取組む。
 09年9月期連結業績予想は、売上高85億6200万円(前期比0.9%減)、営業利益1億8600万円、経常利益1億7400万円、純利益1億5200万円と減収ながら黒字転換を目指す。
 安全・安心でしかも安くておいしいものと消費者の要求は厳しいが、この要求に応えるために努力する同社の姿勢は評価されるべき。既に事業モデルの再構築が完了していることから、今期黒字化を期待したい。

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