■「Z−338:アコチアミド」欧州でもいよいよフェーズV
ゼリア新薬工業<4559>(東1)はこのほど、開発中の機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia=FD=注1)治療薬「Z−338」(アコチアミド塩酸塩水和物=以下アコチアミド)について、欧州において単独で実施したフェーズU二重盲検比較試験(注2)の結果を発表した。この試験は、アコチアミド投与の有効性・安全性を確かめることを目的に、プラセボ(注2)を対照とした無作為二重盲検試験で、欧州8カ国、76施設でFD患者473名(割付295例)について実施した結果、アコチアミドはプラセボに対し有効と認められ、また同試薬の安全性に問題がないことがわかった。
現在同社では、フェーズVに向け欧州医薬品庁との検討開始へ準備に入るとともに、開発のスピードアップ等を視野にパートナー選定にとりかかっている。
アコチアミは同社が創製した新規化合物で、世界初のFD治療薬をめざし、日米欧三極で開発を進めている。北米ではアステラスに独占的開発・販売権を認め、共同で「Z−338/YM443」の後期フェーズU試験を実施しており、国内でも共同開発・販売契約を結び両社共同でフェーズV試験を実施している。
最近の調査によると、国内の成人4人中1人の割合でFDの症状が見られ、発現頻度の高い疾患と報告されているが、これまでに、FD患者への有効性が証明され、承認を得た医薬品はなく、アコチアミドは世界初のFD治療薬として期待されている。
ゼリア新薬工業は、抗潰瘍剤を主力とした消化器領域を最重点分野として従来より医療用医薬品の開発・販売を行っており、H2受容体拮抗剤「アシノン錠75mg/150mg」、亜鉛含有胃潰瘍治療剤「プロマック顆粒15%/D錠75」、胃炎・潰瘍治療剤「マーズレン−S顆粒/ES錠」、大腸内視鏡前腸管洗浄剤「ビジクリア錠」、便秘治療剤「新レシカルボン坐剤」などを販売している。
また、「Z−338」の他、同領域で開発中のものに、08年4月に潰瘍性大腸炎を適応症として申請した腸疾患治療剤「Z−206」(アサコール)、膵臓癌治療剤「Z−360」、肝細胞癌治療剤「Z−208」がある。
【注1】FD:機能性消化器疾患の国際的診断基準のローマV基準によればFDは、食後の膨満感、早期満腹感などの消化器症状を訴え、原因となる器質的疾患が見当たらない疾患。
FDの原因は解明されていないものの、食物の胃から小腸への排出の遅延が密接に関連していることが明らかとなってきた。アコチアミドは胃からの食物排出遅延を改善、FDの自覚症状に効果があると考えられ、開発された。
【注2】フェーズU二重盲検比較試験:フェーズTで安全性が確認されたら、少数の患者 対象に「薬の候補」有効性、副作用、投与量、投与方法などの適切な使用方法をプラセボ(偽薬)と比較する試験調査。
フェーズV:多数の患者に投与し「薬の候補」の最終的な有効性、副作用、使用方法を調査する試験。
【株価診断】 2003年以降の動きでは、ほぼ1000〜1200円のボックス相場。世界的な株安の影響もほとんどなく、08年1月に瞬間899円まで下げたが、すぐに引き戻している。最近では1000円前後での下値固めから、上値をうかがう動きとなっている。薬価引き下げの影響で09年3月期の営業利益が35.5%減の16億5000万円の見通しのため、ボックス上限の1200円突破は無理だろう。年16円配当は継続方針。今回の材料を評価して1200円までの上伸は期待できる。
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