それでも、自民党は参院にスターや論客がそろっているせいか、衆院よりも激しい質問を首相はじめ各閣僚に浴びせた。特に圧巻だったのは、林芳正前経済財政担当相と菅副総理兼財務相のやり取り。林氏は「中期財政計画をなぜ立てられないのか」、「マニフェストはすでに財政的に破綻している」と攻め立てる。菅氏は防戦一方で、「6月までに策定する」、「税収が落ち込んだのは、リーマンショックの影響が大きく、前政権のせいもある」と答えるのがやっと。林氏は「菅大臣は、目標は掲げるが、見通しを述べられない、これでは財政運営はできない」と斬って捨てた。
さらに、「子供手当ての乗数効果は」との質問に、菅氏が答えられず、たまらず政府側委員席から財務省の官僚が飛んで来て、耳打ちする始末。それでも菅氏は、「1兆円使って、1兆円しか効果がないのなら、経済効果はゼロ」、「消費性向0.7になる見込み」などとトンチンカンな答え。林氏はさらに『意地悪く』、「乗数効果と消費性向の違いは?」とたたみかける。あたかも、「基礎的な経済用語も知らなくて、よく財務大臣が務まるもの」とでも言いたげ。また官僚が走り寄りアドバイス。やっと、仙石行政刷新担当相が「乗数効果は計算していない」と助け舟を出し、林氏も「率直な答弁だ」と皮肉って何とか収まったが、菅氏の財務兼経済財政担当大臣としての「資質」を疑わせるに十分なシーンであった。
衆院の予算委員会では、鳩山首相に代わって、「政策通」「論客ぶり」をアッピールしたばかりだっただけに、この林氏との論戦での「敗北」は痛かったに違いない。だが、これは一人、菅副総理の問題ではなく、鳩山内閣全体の「弱点」でもある。つまり、政策全体が理念、目標先行だから、その財政的裏付やその経済的効果についての「詰め」が甘い。さらに、「政治主導」ということで官僚に答弁察せ得ないのは言いとしても、事前に質問内容は通告されているのだから、しっかりとした答弁内容を準備するべき。国会審議を「甘く」見ていると言われても止むを得ない。
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!

































