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2010年04月10日

白川総裁が郵貯について「金融システムの安定上懸念」と米国例を挙げて表明

「霞ヶ関発・兜町着」直行便 日銀の白川総裁は、7日、金融政策決定会合後の記者会見で、「景気の二番底はかなり薄れた。自律回復の芽が幾つか見られる」と述べ、注目された。事実、今回の会合では、景気判断を従来の「持ち直している」から、「持ち直しを続けている」に上向かせている。一方、当面の金融政策については、景気が持ち直しても緩和政策を維持することを、全員一致で決定し、デフレ脱却に向けて政府との協調姿勢を改めて強調した形になった。

 白川総裁はこの9日で、総裁就任2年となるが、その手堅い政策手法は内外から一定の評価を受けている。特に、民主党政権誕生後は、政府の経済金融政策との協調姿勢を、折に触れて鮮明にし、経済金融に弱いと揶揄されている現政権を、よくサポートしている形となっている。だが、白川総裁は「芯の強さ」でも有名で、言葉は穏やか丁寧だが言うべきことは言うといわれており、この日の会見でも、「郵貯」については、はっきり「懸念」を表明していた。その会見の模様は次の通り。

 (問)郵貯の限度額が2倍に引き上げられるとの決定が閣僚懇でなされたが、民間からは、限度額引上げに反発する声がある。また、長い目でみると金融システムに歪みが出るのではないかとの指摘もあると思うが。

 (答) まず、郵政改革については、先般、郵貯の預入限度額や郵政グループへの政府の出資比率に関する政府としての方針が示されたものと理解しています。中央銀行の立場から重要と思われる点を申し上げると、金融システムの安定を維持していく上では、政府と金融の関わり方は非常に重要な論点であると思っています。今回の金融危機の震源地である米国を例に取ると、GSE(政府支援法人、Government−SponsoredEnterprises)という暗黙の政府保証を有した公的金融機関の経営難が問題となったわけです。

 このことからも明らかなように、政府と金融の関わり方は極めて重要であり、郵政改革も、長い目でみてわが国の金融システムや金融市場に大きな影響を与える可能性があることを十分に踏まえて実行する姿勢が大事であると思います。現在、世界的に、金融システムの安定を巡る論点の中で「too big to fail」の扱いが問題となっていますが、例えば郵貯は公益性の高い民間企業と位置付けた場合、どの程度の規模が適切なのか、あるいは民間金融機関との競争条件の公平性をどのように確保するのかや、郵政事業を新しい経営形態に再編する中で、金融業とその他の事業のリスク遮断をどう実現するかといった点は重要な論点であり、しっかり検討する必要があると思います。

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