■金融機関の不動産融資に対する現況
ワンルームマンションのアーバネットコーポレーション<3242>(JQ)は、8月13日兜町平和ビルで、前10年6月期決算説明会を開催した。
代表取締役社長服部信治氏による、マンション業界の現状と今後、前期決算の概況の説明が行われた。
金融機関の不動産融資に対する現況は、不動産大手企業に対しては若干緩和感はあるものの、新興の中小ディベロッパーに対しては、依然として厳しいものがある。一方、金融機関の個別環境もあり、新規融資を始めているところも出てきているのも確かである。投資環境としては、リーマンショックの影響から、不動産業界への資金提供は一時凍結されていたが、少しずつであるが戻り傾向にある。不動産価格については、大幅下落は下げ止まり感があり、東京圏では土地価格、マンション分譲価格ともに既に上昇傾向にある。住宅着工戸数は、09年78万戸であったが、10年度は85.9万戸と増加している。特に、首都圏の新築在庫の販売は好調で、在庫数は更に減少している。適正在庫は6000戸であるが、現在は5000戸を切ったところで推移しているため、在庫不足といえる。工事価格については、工事数が減少しているため工事価格が低下し、中小ゼネコンの経営を圧迫している。
■今後のマンション業界
今後のマンション業界環境に対するプラス要因とマイナス要因であるが、プラス要因としては、政府の施策による、贈与税の緩和・住宅ローン減税・住宅エコポイント・フラット35S(優良住宅取得支援制度)、金融政策全般としての低金利政策の後押しもあり、新規販売は大手中心に好調で、中古マンションも好調である。
アウトレットマンションは人気があることから、物件が不足している。
マイナス要因としては、住宅支援策等の期限到来、世界経済の二番底、国内政治のねじれ国会等の混乱が挙げられる。
同社の前期の決算概況は、棚卸資産と対応する借入金が大幅に減少したことで、総資産は大きく圧縮されている。そのなかで、現預金は3億8500万円増加し、13億9100万円となった。販売用不動産は、完成在庫ゼロとなり、販売用不動産は特に激減している。業績は、増収増益と黒字転換したことにより、財務内容の健全化は進み、自己資本比率は8.2%から25.2%と大幅にアップしている。
■今期の自社開発物件は、目黒、三軒茶屋、駒場、白金高輪、大倉山の5物件
今期については、自社開発物件は、目黒、三軒茶屋、駒場、白金高輪、大倉山の5物件がある。目黒を除く4物件は着工済み。白金高輪については、明和住販との間で販売契約が完了している。この他に、買取再販のクリオ柏の在庫7戸と中古マンション9戸を販売する予定で、中古マンションは20戸を予定している。
今期の経営方針は、投資用ワンルームマンションを核としながら、分譲用マンション(コンパクト・ファミリー)に挑戦し、再販事業とリノベーション事業も拡大するとしている。この他、以前行っていた不動産仲介事業、企画設計、コンサル業務も復活させて、事業領域を拡大する。一方で、販売については、自社営業だけでなく、販売会社との提携などアウトソーシングを徹底していく。
今11年6月期業績予想は、売上高60億円(前期比43.4%減)、営業利益3億3000万円(同56.7%増)、経常利益1億5000万円(同51.7%増)、純利益1億4500万円(同48.6%増)と大幅減収ながら大幅増益を見込む。
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2010年08月16日

































