■新興国の金融政策変更がリスクマネーへの影響も
前週(11月29日〜12月3日)の外国為替市場では、ドル・円相場は概ね1ドル=83円台半ば〜84円台半ばのレンジで推移した。ただし、週末3日のニューヨーク市場では、ドル・円相場で1ドル=82円50銭台まで円が急上昇した。3日発表された11月米雇用統計が、事前の市場予想を大幅に下回る弱い数字となったため、景気の先行き不安が広がった。また、FRB(連邦準備理事会)が金融緩和策を継続するとの思惑も強まり、ドルが売られる展開だった。これまでのドル安・円高トレンドは一服感を強めているが、トレンド転換を確認したとは言えない。また市場では、欧州の財政不安問題の広がりに対する懸念が根強く、ユーロが売られる展開も続いている。
来週(12月6日〜10日)の外国為替市場では、引き続き米国の長期金利の動向などが注目点になるだろう。ドル・円相場については、米国の長期金利と日米の金利差の動向、欧州の財政不安問題の広がりに対する懸念などを睨みながらの展開だが、米国の景気回復期待で長期金利が上昇し、日米の金利差拡大が意識されるというシナリオが基本だろう。
米国の長期金利の動向を探る上でも、年末商戦の動向などが注目されるだろう。欧州の財政不安問題の広がりに注意が必要となり、ドルを買い戻すポジション調整の動きもほぼ一巡したという観測はあるが、米国の景気回復期待が強まれば長期金利の上昇につながり、ドルを買い戻す動きが加速する可能性も考えられる。
前週末の3日には、11月米雇用統計が市場予想を大幅に下回り、バーナンキ米FRB議長が国債買い入れ拡大を否定しなかったこともあり、FRBが金融緩和策を継続するとの思惑が強まり、ドルが売られた。しかし一方では、消費関連の好調などで景気回復に対する期待も強く、米国株式市場への影響は限定的だった。現実的には、さらなる追加量的緩和策の実施は困難との見方が強いだけに、外国為替市場への影響も一時的の可能性が高いだろう。年末に向けてドル資金需要が高まり、ドル買いが優勢になるとの指摘もある。
ただし、米国の長期金利は一時約4カ月ぶりに3%台に上昇したが、日本の長期金利も一時1.2%台に上昇するなど、ツレ高の傾向を強めている。日米の金利差が思惑ほど拡大しなければ、一方的にドル買い・円売り方向に傾く可能性は低いだろう。
欧州の財政不安問題については、ECB(欧州中央銀行)が2日の理事会で市場安定化策の継続を決め、トリシェ総裁が、出口戦略を当面棚上げして国債買い入れも継続する考えを表明した。このため警戒感が和らぎ、一時的に落ち着きを取り戻した形だが、円は1ユーロ=110円台で推移し、高止まりの状況が続いている。欧州の財政不安問題がポルトガル、スペイン、イタリアなど南欧諸国へ広がるのではないかという懸念は根強いだけに、来週も波乱要因となりそうだ。
また中国共産党は3日、2011年の金融政策について、適度に緩和的としてきた路線から引き締め方向に変更することを決定した。来週は各国中央銀行による政策金利決定会合が相次ぎ、7日は豪州、8日はニュージーランド、ブラジル、9日は英国、韓国の中央銀行が政策金利の発表を予定している。特に新興国の金融政策変更が、リスクマネーの流れに影響を与える可能性があり、波乱要因として注意が必要だろう。
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