【株式市場フラッシュ:2011年1月4日〜7日の週】
■日経平均株価は1万500円台を回復
11年1月4日〜7日の週の日本株式市場は大幅に反発し、日経平均株価は約8カ月ぶりに1万500円台を回復した。米国の景気回復に対する期待が膨らみ買いが優勢になった。外国為替市場でドル・円相場が昨年末の円高方向から一転して円安方向に振れたことや、米国株式市場が堅調だったことも下支え要因だった。
ただし、相変わらず日中の値幅は小さく、寄り付きの買いが一巡した後は膠着感の強い展開となっている。週末7日発表の10年12月米雇用統計を控えていたため、上値を追う動きも限定的だった。
日経平均株価(225種)の終値ベースでの前日比騰落状況を確認しておこう。大発会の4日は前日(大納会10年12月30日)に比べて169円18銭高と大幅に反発、5日は前日比17円33銭安と小幅に反落、6日は前日比148円99銭高と大幅に反発、週末の7日は前日比11円28銭高と小幅に続伸して1週間の取引を終了した。なお日中の値幅は、4日が87円89銭、5日が55円44銭、6日が52円59銭、7日が47円69銭だった。
日経平均株価の騰落状況を週間で見ると、7日の終値は1万541円04銭となり、前週末(大納会10年12月30日)に比べて312円12銭(3.06%)上昇した。また取引時間中の高値は7日の1万550円71銭、安値は4日の1万321円28銭、週間の値幅は229円43銭だった。日経平均株価は3週ぶりに反発し、終値ベースとしては10年5月13日の1万620円55銭以来の水準に回復している。
TOPIXの騰落状況を週間で見ると、週末7日の終値は926.42となり、前週末(大納会10年12月30日)に比べて27.62ポイント(3.08%)上昇した。また取引時間中の高値は7日の928.27、安値は4日の906.86だった。TOPIXも3週ぶりの反発となり、終値ベースとしては10年5月14日の936.45以来の水準に回復している。
大発会4日はほぼ全面高の展開となり、日経平均株価は大幅に反発した。米国の景気回復に対する期待が膨らみ、寄り付きから買いが優勢となった。年末年始休暇で休場だった間に米国株式市場が堅調に推移したことや、前日3日の外国為替市場でドル・円相場がドル高・円安方向に振れ、4日もドル高・円安が進行したことも下支え要因だった。
5日の日経平均株価は小幅に反落した。前日の大幅高の反動、商品市況の下落、中国・上海株式市場の反落などに加えて、週末7日発表の10年12月米雇用統計の内容を見極めたいとして買い手控えムードが広がった。ただし、利益確定を急ぐ売りは見られず、下値も限定的で底堅い展開だった。
6日は大幅に反発した。日経平均株価は12月のSQ値(1万420円74銭)を突破して、約8カ月ぶりに1万500円台も回復した。前日5日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価が約2年5カ月ぶりの水準まで上昇し、外国為替市場のドル・円相場で1ドル=83円台までドル高・円安方向に進んだことが好感された。米国では5日、米雇用サービス関連会社のADP(オートマチック・データ・プロセッシング)が発表した全米雇用リポートが市場予想を上回り、米ISM(サプライマネジメント協会)が発表した10年12月の非製造業景況感指数が前月比2.1ポイント上昇したことを好感した。
7日は日経平均株価、TOPIXともに小幅続伸だった。3連休(1月8日〜10日)を控えた週末要因に加えて、10年12月米雇用統計の発表を控えて様子見ムードを強めた。しかし外国為替市場のドル・円相場が1ドル=83円台で推移したことが下支え要因となり、利益確定売りも限定的だった。
なお7日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均株価は小幅に続落した。注目の10年12月米雇用統計が発表された。12月の失業率は9.4%となり11月の9.8%から0.4ポイント低下し、09年5月以来の水準に改善した。一方で、12月の非農業部門雇用者数は前月比10万3千人増加にとどまり、市場予想を下回った。非農業部門雇用者数については市場予想が高すぎたとする見方が多いが、材料出尽くし感で売りが優勢になったようだ。ダウ工業株30種平均株価は約2年5カ月ぶりの高値水準に回復しているため、利益確定売りが出やすい状況だったことも影響しているだろう。
10年12月米雇用統計については、雇用回復のペースは遅いが底堅い内容で、米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策変更には至らないという受け止め方が優勢のようだ。またバーナンキ米FRB議長が、議会証言で「消費と企業活動で自律回復の兆しが増しているが、雇用情勢の改善には力不足」との判断を示したため、米FRBによる金融緩和策継続の観測が強まっている。
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2011年01月08日