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2011年01月27日

【特集】第2のレアアースの『ロジン』急騰で星光PMCに脚光!

■2004年はトン当り500ドル、2010年に一気に上昇し3000ドルを超える

特集 中国内陸部の農民にとって農閑期の重要な収入源となるのがロジンである。そのロジンが急騰したことで収入が増えている。一方、ロジンを使用している日本の企業は、製品への価格転嫁か、代替物を使用するかに迫られ、緊急事態となっている。
 そこで注目されるのが、ロジンに代わるASA(アルケニル無水コハク酸)を生産している星光PMC<4963>(東2)である。国内で、ASAの生産工場を持っているのは、同社だけ。
 ロジン急騰の背景には、中国政府の政策、中国国内の消費量の拡大、それに伴う輸出量の減少が挙げられる。
 中国政府は、国民の収入格差を是正するための政策として、収入の少ない農民の所得を増やすために、ロジンの価格を引き上げている。ロジンの価格推移を見ると、2004年まではトン当り500ドルで取引されていた。ところが、2005年から上昇し1年間で1000ドルと倍増。その後09年までは1000ドルを挟む動きであった。しかし、2010年になると一気に上昇し、5月2140ドル、11月2782ドル、12月には3000ドルを超えている。今年1月になっても状況は変わっていない。

■日本が価格急騰の影響を最も受ける

 この急騰は、政策だけでなく、ロジンの用途が製紙、印刷インキ、塗料、接着剤、合成ゴムと幅広く、中国国内の企業のロジン消費量が急激に拡大した影響も大きい。一例を挙げると、自動車の生産台数が急激に伸び、10年の新車販売台数1800万台と2年連続で米国を抑え、世界bPとなっていることも影響している。ロジンは、タイヤを製造する際の乳化剤として使われるためである。
 中国国内の消費が拡大していることから、ロジンの輸出量は、07年32万9198トン、08年27万6517トン、09年19万3499トンと減少している。輸入国は、日本、韓国、台湾、インド、ポルトガル、ベルギー、スペイン、フランス、ドイツ、米国等である。中でも、最も輸入量が多いのが日本で、年間5万トン以上輸入している。そのため、価格急騰の影響を最も受けている。
 ロジンの生産量は中国が最も多く、世界の生産量の約8割を占めている。他の生産国は、インドネシア、ロシアがあるが、品質の面では中国産が一番良いといわれている。松の幹に傷をつけ、そこから滲み出てくる松脂(まつやに)を採取し、蒸留したもので、透明感のある琥珀色の固形物。生産量を増やすには、松を植林する必要があるが、収穫するまでには10年〜15年かかるため、生産の急拡大は不可能。
 5月から11月が収穫期である。5月から新年度のロジンが出てくるため、価格が下がることを期待したいが、昨年の例を見ると4月トン当り1570ドルであったが、5月は2140ドルと跳ね上がっている。業界では、このまま高止まりするだろうという見方が一般的である。
 「現在できることは、各ユーザー様に価格改定をお願いするしかない」(某企業IR担当者)とのことで、昨年から何回も価格改定を行っている。しかし、ロジンの価格上昇幅が大きいことから、価格の改定は進んでいない。

■星光PMCは、ASAサイズ剤への切り替えの大プロモーションを実施中

 そのような状況の中で、製紙用薬品の大手星光PMCは、ロジンサイズ剤からASAサイズ剤への切り替えの大プロモーションを実施している。
 サイズ剤は用紙のにじみを防ぐ製紙用薬品。星光PMCは、ロジンが急騰する以前から、製紙機械の操業度をアップするために、弱アルカリの新規薬品システムを開発し、製紙会社に生産性向上の観点から積極的に推奨している。
 製紙機械の生産性を高めるには、機械を止めることなく長時間操業することが必要である。ところが、板紙を生産する場合、古紙を使用するが、古紙についているガムテープ、粘着剤の影響で、生産性、操業度の悪化が問題となっている。その問題を解決するのが、弱アルカリの新規薬品。その中の一つがアルカリ性のASAサイズ剤である。
 現在、多くの製紙会社は、酸性のロジンサイズ剤を使っている。ロジンが高騰していることから、弱アルカリの新規薬品導入チャンスと捉えているが、ロジンが高騰する以前から、操業度アップの切り札として、弱アルカリの新規薬品を各製紙会社に推奨してきた。その努力が実り、導入は徐々に始まっている。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 12:28 | 特集