
選挙やイベント用の資材・機器・印刷関連では、投票所で使用する投票用機器やシステム、選挙活動に使用する選挙カー用スピーカーなどの機材関連、DM・チラシ・ポスターなどの印刷関連、選挙事務所で使用する什器・備品・花卉関連などの分野で、選挙期間中を中心に特需の発生が期待される。
この分野では、投票関連機器で最大手メーカーのムサシ<7521>(JQS)が代表銘柄となる。また、貨幣処理機を主力事業として投票関連機器なども手掛けるグローリー<6457>(東大1)、業務用音響・放送設備事業を主力として選挙カー用スピーカーを手掛けるTOA<6809>(東1)、オフィス用什器・備品・事務用品などの配達サービスを手掛けるアスクル<2678>(東1)、封筒最大手でDM用の窓封筒に強みを持つイムラ封筒<3955>(東2)、地鎮祭や竣工式など式典の企画・設営を主力事業とするセレスポ<9625>(JQS)、拡声器や椅子・テーブルなどの選挙用品を貸し出す西尾レントオール<9699>(大1)などが、関連銘柄として想定されるだろう。
■ネットを活用して無党派層の取り込み
また最近の選挙活動の特徴としては、若年層を中心に増加している無党派層を取り込むために、インターネットやイベントなども積極的に活用し、政党や候補者のイメージアップを図る戦略が重視されている。これは、従来のように地元の支持基盤を固めるだけでなく、幅広い有権者に好印象を与えて無党派層の支持を得ることが、当選へのカギを握るようになったためであり、無党派層の多い首都圏では特に重要な戦略となる。
こうした選挙活動の変化とともに、世論調査・コールセンター・テレマーケティング関連企業、インターネットのポータルサイト・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)・口コミサイト関連企業、広告・イベント・PR支援活動関連企業などが注目度を増している。こうした分野の需要は今後、選挙期間中に限らず増加傾向となる可能性も考えられる。
世論調査・コールセンター・テレマーケティング関連では、もしもしホットライン<4708>(東1)のほか、インターネットを利用した調査で首位のマクロミル<3730>(東1)、市場リサーチの分野で国内首位のインテージ<4326>(東1)、コールセンター・テレマーケティング大手のトランスコスモス<9715>(東1)などがあるだろう。
インターネット・SNS・口コミサイト関連では、ミクシィ<2121>(東マ)、クックパッド<2193>(東マ)、カカクコム<2371>(東1)、ディー・エヌ・エー<2432>(東1)、グリー<3632>(東1)、ドワンゴ<3715>(東1)、ヤフー<4689>(東1)、サイバーエージェント<4751>(東マ)、楽天<4755>(JQS)、デジタルガレージ<4819>(JQS)などがあるだろう。
広告・イベント・PR活動支援関連では、広告大手の博報堂DYホールディングス<2433>(東1)、電通<4324>(東1)、アサツーディ・ケイ<9747>(東1)に加えて、企業広報やPR活動のコンサルティング事業を主力とする共同ピーアール<2436>(JQS)、プラップジャパン<2449>(JQS)、イベントの企画・運営事業を主力とするテー・オー・ダブリュー<4767>(東1)なども関連銘柄として想定されるだろう。
この他の分野では、人材派遣関連でパソナグループ<2168>(東1)、テンプホールディングス<2181>(東1)。警備サービス関連で綜合警備保障<2331>(東1)、RSC<4664>(JQS)、セコム<9735>(東1)、住宅地図・データ関連でゼンリン<9474>(東1)、昭文社<9475>(東1)なども関連銘柄として想定されるだろう。
■福祉・セーフティネット・介護関連銘柄が材料視
また各候補者の重点政策関連としては、安心・安全の社会福祉・セーフティネット関連事業、介護事業・施設・器具関連、教育事業関連、観光・イベント事業関連、東京湾沿岸関連などが材料視されそうだ。
各候補者に共通のテーマとなりそうな介護事業・施設・器具関連では、やまねメディカル<2144>(JQG)、セントケア・ホールディング<2374>(JQS)、日本ケアサプライ<2393>(東マ)、ツクイ<2398>(JQS)、メッセージ<2400>(JQS)、ケアサービス<2425>(JQG)、メディカル・ケア・サービス<2494>(名セ)、ワタミ<7522>(東1)、ジャパンケアサービスグループ<7566>(JQS)、フランスベッドホールディングス<7840>(東1)、パラマウントベッド<7960>(東1)、ベネッセホールディングス<9783>(東大1部)、ニチイ学館<9792>(東1)などがあるだろう。
なお松沢成文氏が当選した場合、市場関係者の間では、神奈川県で受動喫煙防止条例を全国で初めて施行した実績から、JT<2914>(日本たばこ産業)(東1)にとってマイナス材料との見方も出ている。
【特集:東京都知事選】
・2011年03月03日:(1)現職知事の不出馬で選挙戦の行方と関連銘柄は?
・2011年03月04日:(2)各候補者の動向と「具体的な重点政策」
・2011年03月05日:(3)選挙特需が期待される業界と銘柄
【選挙関連株】
・アスクルは新規連結会社の寄与大きく今期後半から収益は急向上へ
・テンプホールディングスは事業拡大で来期は増益幅拡大が有力に
・パソナグループは今期後半から業績急浮上、来期増益転換が有力に
・プラップジャパンは自社株買いが下値支え要因、増額が期待材料に
・マクロミルはインターネット調査の成長性評価を確立する相場へ
・綜合警備保障は法人需要の好転を映し収益は趨勢的上昇期に
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