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2011年03月05日

【外国為替市場を徹底検証】ECBの早期利上げ観測でユーロ買い円安方向

【外国為替市場フラッシュ:2月28日〜3月4日の週】

■ドル・円相場は1ドル=81円台〜83円台のレンジでボックス展開

為替市場フラッシュ 2月28日〜3月4日の週の外国為替市場で、週前半は前週末からの中東・北アフリカ情勢の不安定化懸念、特にリビア情勢の混乱拡大懸念とサウジアラビアへの波及懸念、原油先物価格の上昇、および米国長期金利の低下などを背景として、リスク回避でスイスフランや円を買う動きが継続した。そしてドル・円相場、ユーロ・円相場ともに小幅なレンジで推移した。

 しかし、3月3日のECB(欧州中央銀行)理事会終了後の記者会見で、トリシェECB総裁が「物価上昇のリスクがあるため、4月上旬に開く次回の理事会で利上げの可能性がある」と発言したため、一気に対ドル、対円でユーロ買いの展開となった。

 ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。週前半は、3月1日と2日のバーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の議会証言を控えて様子見ムードを強めた。2月28日は1ドル=81円台半ば〜81円台後半でややドル安・円高方向、3月1日は1ドル=81円台後半〜82円台前半でややドル高・円安方向、2日は1ドル=81円台後半〜82円台前半でややドル高・円安方向、3日は1ドル=81円台後半の小幅レンジでモミ合う展開だった。

 しかし、トリシェECB総裁の記者会見での発言を受けて、3日の海外市場ではECBによる早期利上げ観測が強まり、対ドル、対円でユーロを買う動きが優勢になった。この流れを受けて、ドル・相場でも1ドル=82円台前半に円が下落した。4日の東京市場でも1ドル=82円40銭近辺で推移した。ただし、米2月雇用統計の発表を控えて様子見ムードも強まった。

 4日の海外市場では、ドル買い・円売りの動きが継続して一時1ドル=83円00銭台まで円が下落した。しかしその後は、米2月雇用統計の結果を受けて逆にドル売り・円買いの展開となり、1ドル=82円台30銭近辺まで円が上昇した。雇用は改善傾向を示したものの、期待ほどではなかったとして失望感を誘った。また、リビア情勢の緊迫化や原油先物価格の上昇も、ドル売り・円買い要因となった。

 ドル・円相場については、大勢として1ドル=81円台〜83円台のレンジでボックス展開が続いている。中東・北アフリカ政情不安定化懸念を背景として、リスク回避で円が買われる展開となっていたが、円の上昇は1ドル=81円60銭近辺で、円の上値が抑えられた形となっている。

 長期金利の動向を見ると、足元ではリスク回避で米国債が買われ、米国長期金利の上昇に一服感を強めている。しかし米国景気の回復期待は強く、世界的なインフレ懸念で利上げ観測も高まっている。ただし、景気回復期待を背景として米国の長期金利が上昇すれば、日本の長期金利も連動して上昇する傾向を強めており、日米の長期金利差拡大につながらない。3月の年度末に向けて、日本の輸出企業のドル売り・円買い需要が膨らむとの見方も強いだけに、ドル・円相場は、当面はどちらか一方向に傾く可能性は低いだろう。

 そして基本的には、主要国の金融政策の動向が注目点となる。世界的なインフレ懸念で新興国の利上げが相次ぎ、ECBによる4月利上げ観測も高まっている。米FRB(連邦準備制度理事会)による国債買い取りについては、予定どおり11年6月末で終了するとの見方が優勢になってきたが、その後は出口戦略に向かうのか、量的緩和策を継続するのかなど、米FRBの金融政策に対する見方が最大の焦点となる。引き続きバーナンキ米FRB議長など、要人の発言が材料視されるだろう。

■ユーロ・円相場は1ユーロ=112円台前半〜113円台後半で推移

 次に、ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。週前半は中東・北アフリカ政情の不安定化懸念に加えて、3日のECB理事会を控えて様子見ムードも強めたが、概ね1ユーロ=112円台前半〜113円台後半で推移した。ECBによる早期利上げの思惑が根強いため、ややユーロ高・円安方向の動きだった。

 そして、トリシェECB総裁の記者会見での発言を受けて、3日の海外市場ではECBによる早期利上げ観測が強まり、対ドル、対円でユーロを買う動きが一気に優勢になった。ユーロ・相場は1ユーロ=114円台後半まで円が下落した。さらに4日の東京市場では、1ユーロ=115円台前半まで円が下落した。

 4日の海外市場では、ECBによる早期利上げ観測でユーロ買い・円売りの動きが継続し、一時1ユーロ=116円台まで円が下落した。しかし、その後はポジション調整などで、逆にユーロ売り・円買いの展開となり、1ユーロ=114円台後半〜115円台前半で推移した。

 ユーロ・円相場に関しては、足元ではトリシェECB総裁の発言を機に、ユーロを買う動きが優勢となった。したがって当面は、ECBの早期利上げに対する思惑次第の展開となりそうだ。しかしEUのインフレ傾向は一時的で、利上げを実施できるほど経済は強くないとの指摘もあるだけに、乱高下する可能性も考えられる。

 また、EU域内諸国の財政不安問題に対する警戒感については、一旦は和らいでいる状況だが、4月以降にはポルトガルやスペインで国債の大量償還が控えている。償還時期が接近するにつれて、財政危機国に対する支援策の状況次第では、再びユーロ売りが広がる可能性も高い。EFSF(欧州金融安定基金)の融資規模拡大について具体策の議論も焦点だろう。

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