国連安全保障理事会はリビア問題に関して17日、リビア上空に飛行禁止区域を設定した追加制裁決議案を採択し、市民を守るためにあらゆる必要な措置を講じるとして、実質的に軍事力行使を認める形となった。これに対してカダフィ政権側は、一旦は軍事行動の停止を表明したが、その後もリビア北東部のベンガジなどへの攻撃を継続し、徹底抗戦を宣言した。
このため19日には、欧米諸国とアラブ連盟などがパリで緊急首脳級会議を開催し、多国籍軍(米国、英国、フランスなどで構成)がカダフィ政権軍に対する軍事行動を開始した。この軍事行動は早期停戦を目指すための手段とし、カダフィ政権側も2度目の停戦声明を発表したが、停戦が早期に実現する可能性は低いだろう。逆に混乱が一段と拡大する可能性も考えられる。
中東・北アフリカ情勢の不安定化懸念のうち、エジプトについてはムバラク大統領辞任の後、憲法改正案について国民投票が実施されるなど、やや落ち着いた状況である。またサウジアラビアでの民主化要求デモも、懸念されたほど大きな混乱となっていない。
しかし、リビア情勢については早期収拾の道筋が見えず、バーレーンやイエメンでは、反政府デモ弾圧を巡って再び情勢が緊迫化している。サウジアラビアやイランなど周辺の主要産油国への波及懸念も、完全に後退したわけではない。原油先物価格上昇など、地政学リスクに対しては引き続き警戒が必要となるだろう。

【特集:株式市場のリスク要因分析】
・(1)リビア情勢が焦点の地政学リスク
・(2)ほぼ休戦状態の国内政治
・(3)神経質な展開続く外国為替市場
・(4)原油、資源、食糧価格上昇のインフレリスク
・(5)欧州の財政不安、過度な警戒感は後退
・(6)福島原発事故、大震災復興
・(7)主要各国の金融政策の動向
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