■株式市況を振り返って(5月9日〜13日の週)
週初9日の日経平均株価は前日比64円82銭(0.65%)下落、TOPIXは前日比3.29ポイント(0.38%)下落した。前週末6日の米国株式市場の上昇を好感して小高くスタートした。しかし、寄り付きの買い一巡後は、11年3月期決算発表の本格化を迎えて様子見ムードが強まり、日経平均株価は前日比マイナス圏に転じた。外国為替市場での円の高止まりが意識されたうえに、政府が中部電力浜岡原子力発電所の全面停止を要請したことで、企業活動の停滞や制約につながるとの警戒感も影響した。
10日の日経平均株価は前日比24円38銭(0.25%)上昇、TOPIXは前日比3.25ポイント(0.38%)上昇した。前日の米国株式市場の上昇を好感して買い先行でスタートした。全体として様子見ムードが強く、日経平均株価は一時前日比マイナス圏に転じた。しかし午後に入ると、トヨタ自動車が11月〜12月としていた生産正常化時期を2〜3カ月前倒しするとの報道が伝わり、投資家心理が改善して日経平均株価は前日比プラスに転じた。ただし、積極的に上値を追う動きは見られず、大引けにかけて上昇幅を縮小した。
11日の日経平均株価は前日比45円50銭(0.47%)上昇、TOPIXは前日比1.16ポイント(0.14%)上昇した。前日の米国株式市場の上昇や、外国為替市場での円高一服を好感した。日経平均株価の上昇幅は一時110円を超え、9900円台を回復する場面もあった。しかし買い一巡後は伸び悩み、大引けにかけては様子見ムードが広がり、次第に上昇幅を縮小した。中国の4月消費者物価指数が前年同月比5.3%上昇となり、市場予想を上回る水準だったが、株式市場への影響は限定的だった。
12日の日経平均株価は前日比147円61銭(1.49%)下落、TOPIXは前日比8.28ポイント(0.96%)下落した。前日の米国株式市場や原油先物市場の下落を受けて売りが先行した。日銀によるETF買いなどの思惑で、下落幅を縮小する場面もあったが、東京電力福島第一原子力発電所の1号機で、核燃料のメルトダウン(炉心溶融)の可能性が高まったことが嫌気された。アジアの主要株式市場の下落も意識された。さらに株価指数先物取引での大口の売りも観測され、再び下落幅を広げて安値引けとなった。
13日の日経平均株価は前日比67円88銭(0.69%)下落、TOPIXは前日比9.40ポイント(1.10%)下落した。米国株式市場の上昇を好感して買い戻しが先行したが、週末要因もあり、すぐに下落に転じた。5月限オプションSQの概算値9758円38銭も意識された。午後に入ると枝野官房長官が金融機関に対して東京電力に対する貸し手責任を問い、東京電力への公的支援は金融機関の債権放棄が前提との趣旨の発言を受けて、メガバンク株が急落し、市場全体の地合いが急速に悪化した。日経平均株価は大引けにかけてやや下落幅を縮小したが、下落幅は一時前日比163円に達した。
13日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比100ドル17セント(0.78%)下落、S&P500株価指数が前日比10.88ポイント(0.80%)下落、ナスダック総合株価指数が前日比34.57ポイント(1.20%)下落した。欧州の財政不安問題、外国為替市場でのユーロの下落などが嫌気されて、リスク回避の動きが強まった。
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2011年05月14日