【外国為替市場フューチャー:5月16日〜20日】
■ギリシャの債務再編問題など意識
来週(5月16日〜20日)の外国為替市場でユーロ・円相場については、ECB(欧州中央銀行)による継続的追加利上げ観測が後退したうえに、ギリシャの債務再編問題などが意識され、引き続きリスク回避のユーロ売り・円買いが優勢となりそうだ。
前週(5月9日〜13日)のユーロ・円相場は、週末13日の海外市場で1ユーロ=113円50銭台前半まで円が上昇した。5月5日のECB理事会での金利据え置きは想定どおりだったが、理事会後の記者会見で、トリシェ総裁が次回理事会での追加利上げに言及しなかったため、継続的追加利上げ観測が後退し、ユーロ買いポジションを解消する動きが広がった。さらに、ギリシャの債務再編問題、欧米の株式市場の下落、商品先物市場の大幅下落も、リスク回避のユーロ売り・円買いにつながった。
当面は、ギリシャの債務再編問題や追加支援策問題が焦点となるだろう。アイルランド、ポルトガル、スペインなどの財政不安問題も浮上する可能性があるだけに、リスク回避の動きが強まる可能性も想定されるだろう。欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充策も注目点である。
また商品先物市場の下落も投資家のリスク許容度に影響を与え、世界的なリスク回避の動きが円買いにつながる可能性があるだけに、警戒が必要となる。ただし、ユーロ安・円高の流れが一段と加速した場合には、G7(日米欧主要7カ国)による協調円売り介入も警戒されるため、極端なユーロ安・円高水準には進行しないだろう。
来週の注目スケジュールとしては、国内では、16日の3月機械受注、4月企業物価指数、4月消費動向調査、18日の4月首都圏マンション発売戸数、19日の11年1〜3月期GDP1次速報値、3月鉱工業生産確報値、日銀金融政策決定会合(20日まで)などがあるだろう。
海外では、16日のユーロ圏3月貿易収支、ユーロ圏4月消費者物価指数改定値、ユーロ圏非公式財務相会合、米5月ニューヨーク州製造業業況指数速報値、バーナンキ米FRB議長の講演、17日の英4月消費者物価指数、独5月景気期待指数、EU財務相理事会、米4月住宅着工件数、米4月鉱工業生産、米週間チェーンストア売上高、18日の米住宅ローン借り換え申請指数、米FOMC議事要旨(4月26日〜27日分)公表、ブラード米セントルイス地区連銀総裁の講演、19日のECB理事会(金利発表なし)、4月北米半導体BBレシオ、米4月中古住宅販売、米4月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米5月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米新規失業保険申請件数、ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁の講演、エバンズ米シカゴ地区連銀総裁の講演、20日のユーロ圏3月経常収支、ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁の講演などがあるだろう。
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2011年05月15日