【株式市場フューチャー:5月16日〜20日】
来週(5月16日〜20日)の日本の株式市場については、主要企業の11年3月期決算発表が一巡したため、やや手掛かり材料難となるだろう。また週初16日は、前週末13日の米国株式市場の下落を受けて、弱含みのスタートとなりそうだ。その後は、世界的なリスク回避の動きを警戒しながら、個別物色の展開となりそうだ。好業績銘柄に対する買いが継続するかどうかも焦点だろう。
流動性相場終焉への警戒感が高まり、世界的にリスク回避の動きが優勢になろうとしている。したがって、米国株式市場や商品先物市場の調整懸念、欧州の財政不安問題の再燃懸念、外国為替市場での円高進行懸念など、世界的なリスク回避の動きに対する警戒が必要となる。さらに国内要因としては、東京電力福島第一原子力発電所事故の安定化に向けた工程の見直し、損害賠償に関する東京電力への支援問題などにも注意が必要だろう。
外国人投資家の買い越しや、日銀によるETF購入への期待などで、下値は限定的との見方もあるだろう。しかし一方では、日経平均株価の25日移動平均線(13日時点で9686円85銭)や、200日移動平均線(13日時点で9822円84銭)が、上値抵抗線として意識されるだろう。
ただし、主要企業の決算発表に対する市場の反応を見ると、11年3月期実績または12年3月期見通しに対して、好材料に対する反応が目立ち始めている。12年3月期見通しを未定としている企業も多いため、現時点では依然として見極めが困難だが、過度な警戒感は後退して地合いは改善しつつあると言えるだろう。
来週の注目スケジュールとしては、国内では、16日の3月機械受注、4月企業物価指数、4月消費動向調査、18日の4月首都圏マンション発売戸数、19日の11年1〜3月期GDP1次速報値、3月鉱工業生産確報値、日銀金融政策決定会合(20日まで)などがあるだろう。
海外では、16日のユーロ圏3月貿易収支、ユーロ圏4月消費者物価指数改定値、ユーロ圏非公式財務相会合、米5月ニューヨーク州製造業業況指数速報値、バーナンキ米FRB議長の講演、17日の英4月消費者物価指数、独5月景気期待指数、EU財務相理事会、米4月住宅着工件数、米4月鉱工業生産、米週間チェーンストア売上高、18日の米住宅ローン借り換え申請指数、米FOMC議事要旨(4月26日〜27日分)公表、ブラード米セントルイス地区連銀総裁の講演、19日のECB理事会(金利発表なし)、4月北米半導体BBレシオ、米4月中古住宅販売、米4月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米5月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米新規失業保険申請件数、ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁の講演、エバンズ米シカゴ地区連銀総裁の講演、20日のユーロ圏3月経常収支、ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁の講演などがあるだろう。
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2011年05月15日