太陽光発電協会(JPEA)が5月20日に発表した「太陽電池セル・モジュール出荷統計」で見ると、2010年度の日本の総出荷量(国内生産出荷、輸入後出荷、輸出の総合計)253万8814KW(キロワット)の材料別構成比は、Si結晶型が84.8%(うちSi単結晶型が32.8%、Si多結晶型が52.0%)を占め、Si薄膜型が12.2%、その他が3.0%となっている。
Si結晶型は、単結晶または多結晶のシリコンウェハーをスライスして基板とするタイプである。国内では、シャープ(6753)、京セラ(6971)、パナソニック(6752)(子会社化した三洋電機が製造販売)、三菱電機(6503)などが量産している。エネルギー変換効率の高さが特徴だが、Si単結晶型は高純度シリコンの使用量が多いため高コストが欠点とされ、現在ではコストと性能のバランスが比較的良いとされるSi多結晶型が主流となっている。またSi多結晶型でも、シリコン薄型化などによる低コスト化も進展している。
Si薄膜型は、ガラスや金属などの基板の上に、CVD(化学気相成長)などの技術で薄膜状のアモルファスシリコンを形成するタイプである。Si結晶型に比べて変換効率の低さが欠点だが、シリコン層の厚みを薄くすることでシリコン使用量を減らすため低コストとなり、太陽電池を大量に設置する大規模太陽光発電所(メガソーラー)向けが需要の中心とされている。シャープ(6753)は、シリコン使用量が結晶型の約100分の1で、変換効率も向上させたSi薄膜型の量産を2009年に開始している。パナソニック(6752)(子会社化した三洋電機が製造販売)は、多結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層した独自のハイブリッド型を量産している。国内ではこの他に、カネカ(4118)、富士電機(6504)、三菱重工業(7011)などがSi薄膜型を量産している。
シリコンを使用しないタイプには、金属化合物型、色素増感型、有機薄膜型などがある。金属化合物型は、化合物半導体を薄膜状にして発電層に使うタイプで、人工衛星など特殊用途に使用されているものもある。ホンダ(7267)(子会社のホンダソルテックが製造販売)は銅(Copper)、インジウム(Indium)、ガリウム(Gallium)、セレン(Selenium)を原料とするCIGS薄膜型を量産し、昭和シェル石油(5002)(子会社のソーラーフロンティアが製造販売)は銅、インジウム、セレンを原料とするCIS薄膜型を量産している。
色素増感型は、太陽光を吸収すると電子を放出する有機色素の性質を応用して電気に変える仕組みで、一般的には、色素を挟むガラス基板の上にインジウムなどで透明の電極膜を形成する。変換効率の低さが欠点だが、斜めから当たる光や弱い光でも発電が可能であり、低コストも特徴である。新日本製鐵(5401)(子会社の新日鉄化学が開発)、フジクラ(5803)、ソニー(6758)、アイシン精機(7259)、大阪ガス(9532)などが商品化を目指している。
有機薄膜型は、導電性ポリマーなどを組み合わせた有機薄膜半導体を用いる太陽電池である。変換効率の低さが欠点だが、低コストであり、シート状にして折り曲げることや、インクジェット方式で曲面に印刷することも可能となるため、用途拡大が期待されている。三菱ケミカルホールディングス(4188)(子会社の三菱化学が開発)が2012年夏をメドに商品化を予定しており、住友化学(4005)も商品化を目指している。
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