
下げの背景は、EUの金融不安、イギリスの社会的不穏な動き、アメリカの初めての国債格下げ、中国など新興国の物価抑制策など。世界の金融・経済の天気図に超大型台風並の嵐が現れている。その中で、特別、日本が強いということではないのに「円高」が続いている。
しかし、その「円高」について腕組みして考えると、分からないではないことがある。日本の「震災からの復興」である。菅総理が退陣される。総理の思いで、赤字国債発行など復興への態勢が整えられた。予想される9月からの新内閣では「復興」が前面に出てくる。しかも、野党も協力ということから「復興」へのツチ音は一気に高まるものとみてよいだろう。
今、世界を見渡して、思い切った公共投資がやれるのは日本だけである。もちろん、「復興」という看板のもとに。資金手当てのメドもついた。これからは、何を復興の中心とするかである。当然、大震災という災いを転じて福と成すための、大きい発想、仕組みが期待できるだろう。
当然、株式マーケットには、「復興関連」という一大テーマの登場は願ってもないことである。3月11日の大震災発生から5ヶ月。阪神淡路大震災のときも震災発生から5ヶ月目でTOPIXは底打ちして、その後、1年上昇という大きい相場につながった。今回も震災発生から5ヶ月目の8月は間違いなく転機となるはずだ。もちろん、向こう1年間の上昇相場への期待を込めて。
こうした見通しを立てることができるマーケットは、世界において日本だけだろう。ここに、『日本株独歩高』となる素地がある。それを、円高が現しているとしたら悪い話ではない。当然、復興に関連した「内需関連株」が主役である。日本株活躍の助走相場が始まるとみてよいのではないか。
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