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2011年12月14日

【株式市場を検証】方向感乏しいが一段と売り込む動きは見られず下値では買いも

【欧米株式市場の下落を受けて日経平均株価、TOPIXともに続落】

■東証1部市場の売買代金は3営業日連続で1兆円を割り込む

 14日は、日経平均株価(225種)が前日比33円68銭(0.39%)安の8519円13銭、TOPIXが前日比3.73ポイント(0.50%)安の736.98で、いずれも続落した。前日の欧米株式市場が下落した流れを受けて売りが優勢だった。東証1部市場の売買代金は9186億円となり3営業日連続で1兆円を割り込んだ。

 前日13日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均株価は前日比66ドル45セント(0.55%)安の1万1954ドル94セントと続落した。独ZEW景況感指数が予想外に上昇したこと、スペイン国債やEFSF短期債の入札が順調だったことを受けて買い先行でスタートし、前日比126ドル31セント高まで上昇する場面もあった。しかし、メルケル独首相がESM(欧州安定メカニズム)の規模拡大について否定的な姿勢を示したため外国為替市場でユーロ売りが進行したこと、米FOMC声明はほぼ予想どおりの結果だったが追加緩和策が言及されなかったこと、米11月小売売上高が前月比0.2%増加にとどまり前月改定値の0.6%から鈍化して市場予想も下回ったことが嫌気され、下落に転じた。S&P500株価指数は前日比0.87%安と続落、ナスダック総合株価指数は前日比1.26%安と続落した。

 この流れを受けて日経平均株価は前日比39円04銭安と売り先行でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き370万株の売り越しだった。前日の海外市場で1ユーロ=101円台に円が上昇したことや、アジアの主要株式市場が下落したことも弱材料視された。売り一巡後には下落幅を縮小する場面もあったが、午前の取引終了にかけて再び日経平均株価8500円を巡る攻防となった。

 午後に入ると、方向感に乏しく膠着感を強める展開となった。今晩のイタリア国債入札や海外市場の動向を見極めたいとして様子見ムードも強めた。午後の中盤には日経平均株価がこの日の安値(前日比66円44銭安の8486円37銭)を付ける場面もあった。しかし大引けにかけては下落幅をやや縮小する展開となり、日経平均株価は終値で8500円台を維持した。日経平均株価の日中値幅は54円20銭だった。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄437(全体の26%)、値下がり銘柄1113(全体の67%)だった。低位材料株に資金が向かう中、セクター別にはゴム、非鉄金属、機械、電機、不動産、ゲーム関連などの下落が目立った。一方では、小売の一角が堅調で、大手商社の一角も上昇に転じた。

 個別で見ると、売買代金1位は新規上場のネクソン(3659)で、初値1307円は公開価格1300円を上回ったが、その後はやや軟調だった。2位のオリンパス(7733)は過年度訂正決算の発表を受けて急落する場面があった。3位のグリー(3632)、4位のホンダ(7267)、6位のファナック(6954)、13位のディー・エヌ・エー(2432)などの下落も目立った。

 欧米株式市場が下落した流れを引き継いで続落し、方向感にも乏しいが、取引時間中に一段と売り込む動きが見られず、下値では買いが入る展開となっている。

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