株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

2011年12月20日

【株式市場を検証】地政学リスクに対する警戒感は後退だが手掛かり材料難

【東証1部市場の売買代金は6765億円と低水準】

■日経平均株価は反発、TOPIXは6営業日ぶりに反発

 20日は、日経平均株価(225種)が前日比40円36銭(0.49%)高の8336円48銭と小幅に反発した。TOPIXは前日比2.11ポイント(0.29%)高の718.49と6営業日ぶりに小幅反発した。北朝鮮の金正日総書記の死去に伴う地政学リスクに対して欧米株式市場の反応が限定的だったため、前日の下落の反動で買い戻しが優勢だった。ただし東証1部市場の売買代金は6765億円と低水準で、7営業日連続で1兆円を割り込んだ。

 前日19日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価は前日比100ドル13セント(0.84%)安と続落した。買い先行でスタートしたが、金融機関に対する資本基準厳格化の思惑などで下落に転じた。さらにユーロ圏財務相緊急電話会合で、IMF(国際通貨基金)に対する1500億ユーロの拠出を決定したが、英国などの支援が明示されず、EU首脳会議で合意した2000億ユーロに届かなかったことを嫌気して下落幅を広げた。ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が欧州議会証言で景気見通しの下振れリスクに言及したことも弱材料視された。北朝鮮の金正日総書記の死去に対する反応は限定的だった。S&P500株価指数は前日比1.17%安、ナスダック総合株価指数は前日比1.26%安となり、いずれも3営業日ぶりに反落した。

 これに対して日経平均株価は前日比21円91銭高と小幅に買い先行でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き250万株の買い越しだった。金正日総書記の死去に対して欧米株式市場の反応が限定的だったため、安心感につながった。前日の下落の反動で買い戻し優勢となり、寄り付き後は徐々に上昇幅を広げる展開となった。韓国や中国などアジアの主要株式市場が上昇してスタートしたことも支援材料だった。ただし午前の中盤以降になると、日経平均株価8300円台半ばでモミ合う展開となり膠着感を強めた。

 午後に入ると、手掛かり材料難、そして薄商いの中、日経平均株価は午前に比べるとモミ合いレンジをやや切り下げて、8300円台前半で一段と膠着感を強める展開となった。日経平均株価の日中値幅は僅か37円17銭にとどまった。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄1125(全体の67%)、値下がり銘柄401(全体の24%)だった。中小型株が物色され、セクター別には海運の上昇が目立った。一方でメガバンクがやや軟調だった。個別銘柄で見ると、売買代金1位のオリンパス(7733)は1000億円の増資検討報道を受けて下落してスタートしたが大幅上昇に転じた。4位のグリー(3632)、8位の商船三井(9104)、11位のシャープ(6753)、13位のディー・エヌ・エー(2432)などの上昇も目立った。

 クリスマス休暇などで薄商いの中、北朝鮮の金正日総書記の死去という地政学リスクに対する警戒感は後退したが、手掛かり材料難で膠着感を強めた。欧米株式市場の動向次第だが、当面は値動きの軽い中小型株物色が中心の展開となりそうだ。

◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 19:52 | 市況・概況