【日経平均株価、TOPIXともに3営業日ぶりに反落、3連休前で様子見】
■9営業日連続で1兆円を割り込む
22日は、日経平均株価(225種)が前日比64円82銭(0.77%)安の8395円16銭、TOPIXが前日比2.56ポイント(0.35%)安の723.12となり、いずれも3営業日ぶりに反落した。3連休を控えているうえに、手掛かり材料難で様子見ムードの強い展開だった。東証1部市場の売買代金は7265億円と低水準で、9営業日連続で1兆円を割り込んだ。
前日21日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価は前日比4ドル16セント(0.03%)高と小幅続伸した。ECB(欧州中央銀行)が実施した期間3年の流動性供給オペに対する応札は523金融機関で総額4892億ユーロに達し、市場予想を大幅に上回った。このためインターバンク市場の信用収縮が回避されるとの期待感の一方で、銀行の資金繰りが厳しいことの裏返しとの見方や、イタリアなど重債務国の国債購入にはつながらないとの見方が広がり、イタリアの国債利回りが上昇した。こうした流れが弱材料視されたことに加えて、前日の大幅上昇の反動で売り優勢の展開だった。しかしECBによるイタリア国債購入などを受けて小幅上昇に転じた。米11月中古住宅販売件数(年率換算)は前月比4.0%増加の442万件となり、件数は市場予想を下回ったが、前月改定値(同)の425万件から改善したことも支援材料だった。S&P500株価指数は前日比0.19%高で小幅に続伸したが、ナスダック総合株価指数は前日比0.99%安で反落した。米オラクルが20日の取引終了後に発表した決算が市場予想を下回ったため、ハイテク関連が総じて軟調だった。
この流れを受けて日経平均株価は前日比30円44銭安と売り先行でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き120万株の買い越しだったが、3連休を控えて様子見ムードが強いうえに、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるフランス国債格付け引き下げ観測が強まっていることも嫌気された。午前の日経平均株価は前日比小幅安水準の狭いレンジでモミ合う展開となった。
午後に入ると、手掛かり材料難で薄商いの中、日経平均株価はじり安の展開となった。さらに、午後の中盤以降に日経平均株価が8400円台を割り込むと下落幅を広げた。中国・上海などアジアの主要株式市場が総じて軟調だったことも弱材料視された。日経平均株価の日中値幅は52円63銭だった。
東証1部市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄537(全体の32%)、値下がり銘柄946(全体の57%)だった。セクター別には、機械、電機、自動車などが総じて軟調だった一方で、薬品などのディフェンシブ関連、海運、電力などが堅調だった。売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位の東京電力(9501)は電気料金値上げ発表を好感して上昇した。7位の商船三井(9104)の上昇も目立った。一方で、2位のファナック(6954)、6位のグリー(3632)、9位ファーストリテイリング(9983)、13位の東京海上HD(8766)、16位のコマツ(6301)、19位の京セラ(6971)などの下落が目立った。
3連休を控えて様子見ムードが強く、午後になると手仕舞い売りが優勢になった。国内要因に買い手掛かり材料がなく、欧米株式市場の動向次第の状況が続いているが、3連休明けの26日は米国市場が休場のため、今晩の米国市場で大きな動きがなければ、引き続き値動きの軽い中小型株や材料株の物色が中心の展開だろう。
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2011年12月22日