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2012年01月02日

【特集:2012年を読む】「SNS関連」銘柄の動向〜スマートフォン対応にシフト

■SNS関連は収益拡大基調、主要関連銘柄の株価は総じて調整局面だが反発余地

【特集:2012年を読む】「SNS関連」銘柄の動向 交流サイトやソーシャルゲーム・プラットフォームを運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)関連企業は、スマートフォン(高機能携帯電話)の爆発的な普及と、交流サイトの利用者がサイト内で楽しむソーシャルゲームの人気化を背景として、収益が急速に拡大した。登録会員数の増加やソーシャルゲームの利用者数増加に伴って、ソーシャルゲーム関連の有料課金収入の増加が収益拡大に寄与している。

 そして11年夏から秋にかけては、株式市場での人気も急騰し、株価が上場来高値を更新する銘柄もあった。しかし主要関連銘柄の足元の株価は、総じてやや調整局面となっている。グリー<3632>は高値圏でのモミ合い展開、サイバーエージェント<4751>は戻り過程での中段モミ合い展開だが、ミクシィ<2121>ディー・エヌ・エー<2432>は高値からほぼ半値水準の安値圏でのモミ合い展開となっている。各社の株価が総じて調整局面となっている背景には、持続的な利益成長についての懐疑的な見方があるようだ。

 各社の公表資料で11年9月末現在のサイト登録数を見ると、ミクシィ<2121>の「mixi(ミクシィ)」国内登録ユーザー数は約2500万人、ディー・エヌ・エー<2432>の「Mobage(モバゲー)」国内会員数は約3200万人、グリー<3632>の「GREE(グリー)」などグループ世界会員数は約1億5500万人(うち国内は約18%)、そしてサイバーエージェント<4751>の「Ameba(アメーバ)」事業会員数は約1800万人に達している。このため国内市場が飽和状態に近づいているとして、成長余地が乏しいのではないかという警戒感につながっている。

 ディー・エヌ・エー<2432>が10月31日に発表した11年4〜9月期決算で、半期ベースでは増益だったが、四半期ベースでは7〜9月期の営業利益が直前四半期の4〜6月期比で減益となったことや、ミクシィ<2121>が11月2日に12年3月期業績見通しの下方修正を発表して、従来の増益予想から一転して減益予想となったことも、成長力に対する懐疑的な見方に拍車をかけたようだ。

■グローバルな事業展開を一段と加速

 また各社の株価が総じて調整局面となっている背景には、国内株式市場全体の地合い悪化の影響もあるだろう。さらに12月には、韓国系オンラインゲーム大手のネクソン<3659>が東証1部に新規上場したため、資金シフトにつながった可能性もあるだろう。

 しかしSNSやソーシャルゲーム・プラットフォームは、スマートフォンにとっても強力なアプリケーションとされている。そして従来の主力ユーザー層である若年層以外にもすそ野が広がり、国内外で一段と利用者層の拡大が進むと予想されている。さらにネット通販など、電子商取引全般に好影響を及ぼすことも期待されている。

 このため大手各社ともに、事業の中心をスマートフォン対応にシフトする動きを強めている。そして、M&Aの積極活用やスマートフォン関連の技術者の積極採用などで、人気ソーシャルゲームやアプリケーションの調達力や自社開発力を強化するとともに、サイト利用における利便性の向上、そしてグローバルな事業展開を一段と加速させている。

■株価も総じて反発余地が大きい

 ミクシィ<2121>(東マ)は、従来型携帯電話向け広告関連収入に依存したビジネスモデルから、スマートフォン向けソーシャルゲームなどの課金収入中心のビジネスモデルへと、収益構造の本格転換に乗り出した。

・【SNS関連・銘柄診断】ミクシィは収益構造の転換進めば反発余地は大きい

 ディー・エヌ・エー<2432>(東1)は、ゲーム開発会社の買収や提携強化で、12年1〜3月期には有力タイトルのソーシャルゲームが続々と登場する模様である。「横浜ベイスターズDeNA」でのプロ野球新規参入も決定し、知名度向上に寄与することが期待される。

・【SNS関連・銘柄診断】ディー・エヌ・エーは営業利益の動向が当面の焦点

 グリー<3632>(東1)は、世界で10億人が利用できるサービスを目指して、国内の「グリー」と、11年4月に買収した米国の「オープンフェイント」のソーシャルプラットフォームを、12年4〜6月期に統一する。

・【SNS関連・銘柄診断】グリーは短期調整が一巡すれば上値追いの可能性

 サイバーエージェント<4751>(東マ)は「アメーバ」事業が急成長しており、スマートフォン向けのSNSやコミュニティーを一段と強化する。広告代理事業についても、スマートフォン向けを中心とした総合的なサービス開発を強化する方針である。

・【SNS関連・銘柄診断】サイバーエージェントは上値フシ突破あれば一段高へ

 主要各社の収益は、人件費、ゲーム開発費、広告宣伝費などの経費増加を吸収して拡大基調だろう。そして各社の株価も総じて反発余地が大きいだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 14:50 | 特集