
ただし、グローバルなゲーム調達力・開発力の強化や、海外「モバゲー」事業の開始など、成長持続に向けた戦略は着実に実行されている。9月にはベトナムのゲーム開発会社パンチ・エンターテインメントの買収、10月にはチリのソーシャルゲーム開発会社アタカマ・ラブズの買収、国内のゲーム開発会社グラスホッパー・マニファクチュアとの合弁会社設立、11月にはベトナムのオンラインゲーム運営大手VNGとの提携、国内のソーシャルゲーム開発会社gloopsとの提携を発表している。
さらに11月には、韓国のポータルサイト大手ダウム・コミュニケーションズに対して「モバゲー」を提供する覚書を締結し、12月には、中国最大級のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「開心網」との連携を発表している。
またプロ野球への新規参入に関しては、11月4日にTBS(東京放送ホールディングス)(9401)と横浜ベイスターズの株式譲渡契約を締結し、12月1日には日本プロフェッショナル野球組織(NPB)の承認を得て、「横浜ベイスターズDeNA」として新規参入が決定した。知名度向上に寄与することが期待される。
当面は11年10〜12月期営業利益の動向(12年2月7日に11年4月〜12月期決算の発表を予定)が注目されるが、12年1〜3月期には有力タイトルのソーシャルゲームが続々と登場する模様であり、収益は拡大基調だろう。
株価は、11年初めには3000円近辺だったが、8月18日には年初来高値4330円まで上昇した。しかし高値圏から反落後の10月以降に、プロ野球新規参入の観測報道と経営への負担懸念、11年7〜9月期の四半期ベースでの営業減益、そしてグリー(3632)とKDDI(9433)からの損害賠償訴訟など悪材料が相次いだため、11月22日には年初来安値2104円まで下落し、8月の高値からほぼ半値水準となった。
その後は反発力が鈍く、安値圏でのモミ合い展開となっている。利益成長に対する懸念が払拭できない状況だろう。しかし足元の株価水準を予想PERで見れば割安感が台頭している。11年10〜12月期や12年1〜3月期の営業利益の動向が当面の焦点となるが、増益基調への回帰が確認できれば反発余地は大きいだろう。
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