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2012年01月03日

【総合商社・銘柄診断】三菱商事は信用倍率やや高水準だが上昇余地は大きい

■【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向

【総合商社・銘柄診断】 三菱商事<8058>(東1)は、11年4〜9月期連結純利益(米国会計基準)が前年同期比223億円減少して2457億円となったが、前年同期に計上した大口の一過性要因を除くと、実質的には増益基調としている。受取配当金は同27億円減少して616億円、持分法投資損益は同195億円増加して964億円となった。

 セグメント別に見ると、エネルギー事業は原油価格の上昇などが追い風となり大幅増益だった。化学品事業は持分法投資損益の増加などが寄与して大幅増益だった。主力の金属事業は、前年度のチリ鉄鉱石関連子会社における株式交換益計上(税引前366億円、税引後216億円)の反動、豪州MDPの原料炭販売数量減少などで大幅減益だった。

 12年3月期通期については、欧州債務危機問題の影響などを考慮して見通しを据え置いたが、通期連結純利益見通し4500億円に対する11年4〜9月期実績の進捗率は55%であり、上振れの可能性が高いだろう。

 新規投融資については、11年3月期〜13年3月期の3年合計で、グロス2兆円〜2.5兆円を計画している。原油や石炭など金属資源・エネルギー分野の利益構成比が高いことが特徴だが、社会インフラ、地球環境、食料、生活産業など、非資源分野への新規投融資も積極化させている。そして11年4〜9月期には、北米のシェールガス事業、北米のIPP事業、中国の食肉関連事業など、グロス2700億円(金属・エネルギー資源1000億円、全社戦略地域・分野200億円、その他1500億円)を実行し、11年3月期からの累計はグロス6400億円となった。

 11月には、豪州クイーンズランド州BMA原料炭事業の大規模拡張に関する投資意思決定(投資総額約1700億円)を行なった。さらに、チリの銅資産権益保有会社アングロスール社の株式24.5%を、約4200億円で取得したと発表した。中期的にも収益基盤が一段と強化され、収益は拡大基調だろう。

 11年の株価を見ると、1月13日に年初来高値2422円を付けた後は、上値下値を切り下げる展開となり、10月5日には年初来安値1393円まで下落する場面もあった。その後は、13週移動平均線が上値抵抗線の形となって反発力が鈍く、足元では1500円〜1600円近辺の安値圏でのモミ合い展開となっている。しかし予想PERは5倍台、予想配当利回りは4%台と、指標面で見れば割安感の強い水準となっている。信用倍率がやや高水準だが、上昇余地は大きいだろう。

・【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(1)〜基盤強化で収益拡大基調
・【特集:2012年を読む】「総合商社」銘柄の動向(2)〜株価に割安感強く上昇余地

住友商事は指標面で見れば依然として割安感の強い水準
三井物産は中期的に収益基盤が一段強化で収益は拡大基調
丸紅は通期では期初計画の3000億円を上回る見込み
伊藤忠商事は2年合計で1兆円まで増額する可能性も

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:58 | 株価診断