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2012年01月15日

【外国為替市場展望:ユーロ・円相場】S&Pの9カ国の国債格付け引き下げでアク抜け感も

【外国為替市場フューチャー:1月16日〜20日のユーロ・円相場】

■一旦はアク抜けの可能性だが、全体の流れとしてはユーロ売り圧力継続

 来週(1月16日〜20日)のユーロ・円相場については、前週末13日の取引終了後に格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、フランスなど9カ国の国債格付け引き下げを正式発表したことで、一旦はアク抜け感につながる可能性も考えられる。しかし全体の流れとしてはユーロ売り圧力が継続する可能性が高いだろう。

 前週(1月9日〜13日)のユーロ・円相場(9日の東京市場は休場)は、ユーロ売り圧力が継続した。週初9日の海外市場と週末13日の海外市場では一時1ユーロ=97円20銭近辺に円が上昇した。13日には、格付け会社S&Pが13日中にドイツを除く複数のユーロ圏諸国の国債格付け引き下げを発表するとの観測報道などで警戒感を強めた。13日の海外市場での終盤は、ユーロがやや買い戻されて1ユーロ=97円50銭〜60銭近辺だった。

 ユーロに関しては、主要各国の国債格付け引き下げ懸念、国債入札、国債利回りの動向に関心が集中した。10日には、格付け会社フィッチ・レーティングスが「今年中のフランスの格下げ見通しはない」との見解を示したことが安心感につながった。11日には、フランスが格付け会社S&Pから格下げの通告を受けたとの噂、ギリシャの債務再編協議難航に加えて、格付け会社フィッチ・レーティングスが「欧州債務危機やユーロ安対策としてECB(欧州中央銀行)が重債務国の国債購入拡大など一段の追加措置を講じなければユーロが崩壊しかねない」との見解を示したことなどが弱材料視された。12日には、イタリアとスペインの国債入札が順調な結果となり、流通利回りも低下して安心感につながった。ECB理事会は政策金利を据え置き、想定どおりとして市場の反応は限定的だった。13日には、イタリア長期債入札で発行額が目標額上限に達して落札利回りも低下したが、応札倍率が12日に比べて見劣る結果だったと受け止められた。さらに格付け会社S&Pが13日中にドイツを除く複数のユーロ圏諸国の国債格付け引き下げを発表するとの観測報道や、国際金融協会(IIF)がギリシャとの債務再編協議を休止するとの発表に対して警戒感を強めた。

 来週も17日にスペイン、18日にドイツとポルトガル、19日にスペインとフランスなどで国債入札が予定されている。さらに20日には、EBA(欧州銀行監督機構)に対する欧州各銀行の資本増強計画提出期限を迎える。13日の取引終了後に、格付け会社S&Pがフランスなど9カ国の国債格付け引き下げを正式発表したことで、一旦はアク抜け感につながる可能性も考えられるが、全体的な流れとしてはユーロ売り圧力が継続する可能性が高いだろう。

 当面の注目スケジュールとしては、14日のEU・IMF調査団のギリシャ訪問(〜16日)、16日の仏スペイン首脳会談、17日の中国10〜12月期GDP、独1月景気期待指数、英12月消費者物価指数、ユーロ圏12月消費者物価指数改定値、スペイン短期債入札、米1月ニューヨーク州製造業業況指数、18日の英12月失業率、独2年債入札、ポルトガル短期債入札、米12月鉱工業生産、19日のユーロ圏11月経常収支、ECB月報、スペイン国債入札、フランス国債入札、米12月消費者物価指数、米12月住宅着工件数、米1月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米新規失業保険申請件数、G20財務相代理会合(〜20日)、20日の独仏伊首脳会談、EBA(欧州銀行監督機構)に対する欧州各銀行の資本増強計画提出期限、米12月中古住宅販売などがあるだろう。なお米国は16日がキング牧師誕生日で休場となる。

 その後の注目イベントとしては、23日のEU財務相会合、23日〜24日の日銀金融政策決定会合、24日のEU財務相理事会、米大統領一般教書演説、24日〜25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、25日のECB理事会(金利発表なし)、25日〜29日の世界経済フォーラム(ダボス)、30日のEU首脳会議などが予定されている。

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