【東証1部市場の売買代金は3営業日ぶりに1兆円を上回る】
■SQ算出日を除くと昨年12月7日以来の1兆円台
18日は、日経平均株価が前日比84円18銭(0.99%)高の8550円58銭と続伸した。TOPIXは前日比3.45ポイント(0.47%)高の734.98と続伸した。前日の米国株式市場の上昇が安心感につながり、株価指数先物取引が主導する形で買い戻しが優勢になった。日経平均株価の日中値幅は149円69銭だった。東証1部市場の売買代金は1兆1364億円となり、前日の8231億円に比べて大幅に増加し、3営業日ぶりに1兆円を上回った。SQ(特別清算指数)算出日を除くと昨年12月7日以来の1兆円台だった。
前日17日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均株価は前日比60ドル01セント(0.48%)高の1万2482ドル07セントと反発した。スペイン国債とEFSF債の入札が順調な結果となったことや、国際金融協会(IIF)がギリシャ債務再編交渉を再開すると発表したことを受けて、ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感がやや和らいだ。米金融大手シティグループの減益決算を嫌気して取引終了にかけて伸び悩んだが、主要国の経済指標も安心感につながり、前日比151ドル59セント高まで上昇する場面もあった。S&P500株価指数は前日比0.36%高と反発、ナスダック総合株価指数は前日比0.64%高と反発した。
この日発表された中国の10〜12月期実質GDPは前年同期比プラス8.9%だった。2年半ぶりに9%を下回ったため金融緩和期待が高まった。伸び率は鈍化したが市場予想を上回ったことも安心感につながった。独1月ZEW景気期待指数はマイナス21.6となり12月のマイナス53.8に比べて市場予想以上に改善した。米1月ニューヨーク連銀製造業景気指数は13.48となり12月改定値8.19に比べて市場予想以上に上昇した。
こうした流れに対して日経平均株価は前日比8円11銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き950万株の売り越し観測だった。寄り付き後は前日比小幅安水準でモミ合う展開となった。前日の米国株式市場は上昇したが、取引終了にかけて上昇幅を縮小したため、今晩の米国株式市場の動向を見極めたいとして様子見ムードも強めた。外国為替市場での円の高止まりも重荷だった。ただし午前の終盤に前日比プラス圏に転じるとジリジリと上昇幅を広げた。
午後に入ると、株価指数先物取引が主導する形で上昇幅を広げる展開となった。日経平均株価は前日比129円38銭高まで上昇幅を広げて8600円台に接近する場面もあった。対ユーロでやや円安方向に傾いたことも支援材料だった。ただし取引終了にかけては、利益確定売りでやや上昇幅を縮小した。
東証1部市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄934(全体の56%)、値下がり銘柄589(全体の35%)だった。セクター別には、景気敏感関連、中国関連を中心に、非鉄金属、工作機械、電機・精密、総合商社、証券、海運などが上昇した。復興需要関連の物色は電線セクターにも向かった。前日下落したSNS関連やネット関連の一角も買い戻された。
一方では自動車や情報通信などが軟調だった。東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位の東京電力(9501)、9位の飛島建設(1805)の大幅上昇が目立った。4位のコマツ(6301)、5位のファナック(6954)、12位の三井物産(8031)、13位の三菱商事(8058)、14位のディー・エヌ・エー(2432)なども上昇した。一方では、2位の日産自動車(7201)、3位のグリー(3632)、6位のトヨタ自動車(7203)、7位のソフトバンク(9984)、10位のホンダ(7267)が下落した。またサンリオ(8136)の大幅下落が目立った。
ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感は根強いが、売買代金が1兆円を上回り、地合いに変化の兆しも見え始めた。一本調子の戻りは期待薄だが、今晩の米国株式市場が堅調であれば、明日の日本株式市場でも底入れ機運が高まる可能性があるだろう。
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2012年01月18日