【日経平均株価、TOPIXともに3営業日続伸、地合い改善の兆し】
■東証1部市場の売買代金は2営業日連続で1兆円を上回る
19日は、日経平均株価が前日比89円10銭(1.04%)高の8639円68銭と3営業日続伸した。終値ベースでは12月12日(8653円82銭)以来となる8600円台を回復した。TOPIXは前日比5.70ポイント(0.78%)高の740.68と3営業日続伸した。終値ベースでは1月4日(742.99)以来となる740台を回復した。前日の米国株式市場の上昇が安心感につながり、株価指数先物取引が主導する形で買い戻しが優勢だった。日経平均株価の日中値幅は72円26銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆1502億円となり2営業日連続で1兆円を上回った。
前日18日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均株価は前日比96ドル88セント(0.78%)高の1万2578ドル95セントと続伸した。S&P500株価指数は前日比1.11%高と続伸、ナスダック総合株価指数は前日比1.53%高と続伸した。IMF(国際通貨基金)がユーロ圏債務危機の支援に向けて、既存の融資能力と合わせて総額1兆ドル規模の融資財源を確保することを検討中との報道を受けて警戒感が後退した。企業決算や米主要経済指標も好感した。米ゴールドマンサックスの10〜12月期決算は、売上高は減少したが純利益が7〜9月期の赤字から黒字に転換し、1株利益が市場予想を上回った。米12月鉱工業生産は前月比プラス0.4%となり、市場予想をやや下回ったが11月改定値の同マイナス0.3%に比べて改善した。米1月住宅建設業者信頼感指数が高水準だったことも好感した。
こうした流れに対して日経平均株価は前日比46円10銭高と買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き1390万株の売り越し観測だった。寄り付き後は株価指数先物取引が主導する形で上昇幅を広げる展開となり、日経平均株価は前日比118円36銭高の8668円94銭まで上昇する場面もあった。外国為替市場でユーロが買い戻されて円高が一服したことや、中国・上海株式市場が上昇したことも支援材料だった。
午後に入ると、日経平均株価8600円台半ばでモミ合う展開となり、膠着感を強めた。急ピッチの戻りに対する警戒感などで利益確定売りが出やすい状況だったことが上値を抑え、取引終了にかけてやや上昇幅を縮小した。ただし売りも限定的だった。
東証1部市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄889(全体の53%)、値下がり銘柄620(全体の37%)だった。セクター別には、化学、機械、電機・精密、自動車、メガバンク、証券、海運などで主力株が総じて上昇した。また、前日の米国株式市場でSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が大幅上昇したことを受けて、半導体関連の大幅上昇が目立った。復興需要関連の低位材料株物色も続いた。SNS関連やネット関連の一角も、大きく売り込まれた後に買い戻された。一方で、内需関連の一角や情報通信が軟調だった。東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、2位のディー・エヌ・エー(2432)、3位のファナック(6954)、4位のコマツ(6301)、6位の三井住友FG(8316)、10位の三菱UFJFG(8306)が上昇した。また7位の駒井ハルテック(5915)、15位の飛島建設(1805)の大幅上昇が目立った。一方で、1位のグリー(3632)、5位のJT(2914)、8位の東京電力(9501)、9位のソフトバンク(9984)が下落した。また18位のサンリオ(8136)も下落した。
東証1部市場の売買代金が2営業日連続で1兆円を上回り、地合い改善の兆しが見え始めた。日経平均株価の日足チャートで見ても、75日移動平均線を上回り、三角保ち合いから上放れる兆しを見せている。明日は日経平均株価が3営業日合計で261円32銭(3.12%)上昇した後の週末であり、一旦は利益確定売りが優勢になると考えられるが、売りが限定的であれば底入れ機運が高まる可能性も高いだろう。
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2012年01月19日