株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

2012年01月22日

【相場展望】一旦は利益確定売りでも買い戻し基調、関心は13年3月期の収益回復期待へ

■13年3月期の収益回復期待にシフトの可能性も

来週の相場展望 来週(1月23日〜27日)の日本株式市場は、前週(16日〜20日)の大幅上昇を受けて、一旦は利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、全体としての流れは買い戻し基調だろう。

 国内に買い手掛かり材料が見当たらない中で、引き続き海外要因に神経質な地合いに大きな変化はないだろう。前週17日〜20日の4営業日合計で、日経平均株価は388円00銭(4.63%)上昇し、TOPIXは30.23ポイント(4.17%)上昇したため、来週前半は、一旦は利益確定売りが優勢になる可能性もあるだろう。ただし、ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感が和らいでいるため、米国株式市場が堅調に推移すれば、日本株式市場でも主力大型株を中心に買い戻しが継続する可能性が高いだろう。そして本格的な戻り相場がスタートするためには、物色の広がりや循環につながるかがポイントになりそうだ。

 前週(1月16日〜20日)の日本株式市場は、日経平均株価が2週連続の上昇となり、TOPIXは4週連続の上昇となった。週末20日の終値で見ると、日経平均株価は8766円36銭で昨年11月7日(8767円09銭)以来の水準、TOPIXは755.47で昨年10月31日(764.06)以来の水準に回復した。フランスなどユーロ圏9カ国の国債格付け引き下げ発表後も各国の国債入札が順調だったことや、ギリシャ債務交換交渉の合意に対する期待感が高まったことに加えて、雇用関係指標の改善なども好感して米国株式市場が上昇した。このため日本の株式市場でも安心感につながった。東証1部市場の売買代金も、18日〜20日の3営業日連続で1兆円を上回って増加傾向となっている。全体としては底入れ感が強まり、地合い改善が見えてきたようだ。

 ユーロ圏債務危機問題に関する前週の動きを整理すると、13日の取引終了後に格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、フランスを含むユーロ圏9カ国の国債格付け引き下げを正式に発表したため、この影響が注目されたが、その後のフランス、スペイン、ドイツ、ポルトガルの国債入札は概ね順調な結果となって利回りも低下した。16日の取引終了後には、S&PがEFSF(欧州金融安定基金)債の格付けを1段階引き下げると発表したが、その後のEFSF債の入札も順調な結果となった。17日には、国際金融協会(IIF)がギリシャ債務交換交渉を再開すると発表し、合意に対する期待感が高まった。18日には、IMF(国際通貨基金)がユーロ圏債務危機の支援に向けて、既存の融資能力と合わせて総額1兆ドル規模の融資財源を確保することを検討中との報道や、ギリシャ債務交換交渉の合意が近いとの報道を好感した。19日には、独コメルツ銀行の資本増強が必要額を上回る見込みとなった。

 こうした流れを受けて外国為替市場ではユーロ売り圧力が緩和し、ユーロ買い戻しの動きが優勢になった。ユーロ・円相場は週後半に1ユーロ=100円30銭近辺まで円が下落する場面もあった。ドル・円相場は概ね1ドル=76円台後半〜77円台前半で推移した。手掛かり材料難でユーロの動向に関心が集まったが、動意に乏しく小動きに終始した。前週末20日の海外市場で終盤は1ユーロ=99円60銭〜70銭近辺、1ドル=77円00銭近辺だった。

 米国の主要経済指標では強弱感が交錯したが、注目度の高い雇用関係の指標改善を好感する動きが優勢だった。17日には、米1月ニューヨーク連銀製造業景気指数が13.48となり、12月改定値8.19に比べて市場予想以上に上昇した。18日には、米12月鉱工業生産が前月比プラス0.4%となり市場予想をやや下回ったが、11月改定値の同マイナス0.3%に比べて改善した。19日には、米新規失業保険申請件数が35.2万件で08年4月以来の低水準となり、前週改定値の40.2万件から大幅減少して市場予想以上に改善した。米12月住宅着工件数(年率換算)は65.7万件となり、11月改定値68.5万件から悪化して市場予想をやや下回った。米1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は7.3となり、市場予想をやや下回ったが12月改定値6.8に比べて上昇した。米12月消費者物価指数(CPI)はほぼ市場予想の水準だった。20日には、米12月中古住宅販売件数(年率換算)が461万戸となり市場予想をやや下回ったが、11月改定値439万戸から増加して在庫も低水準だった。

 17日に発表された中国の11年10〜12月実質GDPは、前年同期比プラス8.9%となり、11年通年では前年比プラス9.2%となった。四半期ベースで見ると10〜12月期は、7〜9月期のプラス9.1%に比べて伸び率は鈍化したが市場予想を上回った。このため伸び率鈍化が金融緩和期待につながると同時に、伸び率は鈍化したが市場予想を上回ったことが安心感につながった。

 また前週末20日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価が前日比96ドル50セント(0.76%)高の1万2720ドル48セントと4営業日続伸した。戻り高値圏で利益確定売りが出やすい状況だったうえに、前日取引終了後に発表された米グーグルの決算内容も失望感を誘ったが、一方では米12月中古住宅販売件数を好感し、ギリシャ債務交換交渉の合意に対する期待感が高まったことや、米IBM、米マイクロソフト、米インテルの決算が好内容だったことも支援材料だった。S&P500株価指数は前日比0.07%高と小幅に4営業日続伸した。ナスダック総合株価指数は前日比0.06%安と4営業日ぶりに小幅反落した。

 週初23日の日本株式市場では、急ピッチの戻りに対する警戒感などで利益確定売りが出やすい状況であり、中国株式市場などが休場となるため様子見ムードを強める可能性も考えられるが、前週末20日の米国株式市場が堅調な動きだったことが支援材料となり、全体としての流れは買い戻し基調だろう。

 また週後半以降には、日本の主要企業の10〜12月期決算発表も本格化する。市場の地合いが改善傾向であるため、投資家の関心は12年3月期に対する警戒感ではなく、13年3月期の収益回復期待にシフトする可能性も高いだろう。

 テクニカル面で見ると、日経平均株価(20日時点の8766円36銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同8461円31銭)に対しては3.60%とプラス乖離幅を拡大し、75日移動平均線(同8570円89銭)に対しては2.28%のプラス乖離に転じたため、下値支持線として意識されやすい状況だろう。一目均衡表では雲の上限を突破し、三角保ち合いから上放れた形でもあり、当面は戻りを試す展開となる可能性もあるだろう。

■注目スケジュール

 来週の注目スケジュールとしては、国内では、23日の日銀金融政策決定会合(25日まで)、スーパーマーケット売上高、24日の日銀金融政策決定会合(最終日)、25日の12月貿易統計、ショッピングセンター売上高、26日の12月企業向けサービス価格指数、27日の12月全国および1月東京都区部消費者物価指数、12月商業販売統計、日銀決定会合議事要旨(12月20日〜21日開催分)などがあるだろう。その後の注目イベントとしては、31日の12月鉱工業生産速報、2月13日の10月〜12月期GDP1次速報値、13日〜14日の日銀金融政策決定会合などが予定されている。

 海外では、23日の仏短期債入札、独短期債入札、ユーロ圏財務相会合、北米12月半導体BBレシオ、24日のユーロ圏11月鉱工業受注、ユーロ圏1月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、スペイン短期債入札、EU財務相理事会、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米2年債入札、米FOMC(連邦公開市場委員会)(25日まで)、米大統領一般教書演説、IMF世界経済見通し発表、25日の豪10〜12月期CPI、ニュージーランド中銀政策金利発表、韓国10〜12月期GDP、独1月IFO業況指数、英10〜12月期GDP速報値、独30年債入札、米11月住宅価格指数、米12月住宅販売保留指数、米住宅ローン・借り換え申請指数、米5年債入札、米FOMC(最終日)声明と経済見通し発表、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の記者会見、世界経済フォーラム(29日まで)、26日の独2月消費者信頼感指数、イタリア国債入札、ECB理事会(金利発表なし)、米12月耐久財受注、米12月シカゴ連銀全米活動指数、米12月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米12月新築一戸建て住宅販売、米新規失業保険申請件数、米7年債入札、27日のイタリア短期債入札、ユーロ圏12月M3、米12月住宅着工件数改定値、米10〜12月期GDP速報値、米1月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値などがあるだろう。

 なお、中国と台湾は23日〜27日、香港は23日〜25日、韓国、シンガポール、マレーシアは23日〜24日、豪は26日、インドは26日が休場となる。

 その後の注目イベントとしては、30日のEU首脳会議、31日の米予算局「予算と経済見通し」公表、2月1日の中国1月PMI、ユーロ圏1月消費者物価指数速報値、米1月ISM製造業景気指数、3日の米1月雇用統計、9日のECB理事会(金利発表)などが予定されている。

◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 11:11 | 市況・概況