

資産除去債務会計基準適用や震災関連などで、特別損失を161億円計上したため純利益は減益だったが、営業増益、経常増益だった。コンビニエンスストア事業の好調が牽引した。総合小売業は、売上総利益率向上や販管費抑制などの施策が寄与して、営業損益が改善した。
主要事業の営業損益(連結消去前)を見ると、総合小売業は同46億円増加の102億円、コンビニエンスストアは同31億円増加の186億円、金融は同横ばいの24億円だった。専門店は同7億円減少して0.8億円の赤字となった。
3〜11月累計の既存店売上高は総合小売業のユニーが前年比98.2%、ユニー香港(現地通貨ベース)が同119.0%、コンビニエンスストアのサークルKサンクス(3337)が同104.0%だった。
12年2月期通期の連結業績予想については、3Q累計決算発表時点では従来予想を据え置いたが、1月19日に上方修正を発表した。修正後の予想は、営業収益が前期比3%減の1兆800億円、営業利益は同20%増の420億円、経常利益は同24%増の400億円、純利益は同32%増の80億円で、予想EPS(1株利益)は40円50銭としている。また年間配当については1月17日に、従来予想の18円から19円に増額修正を発表している。
ユニーでのテナント収入の増加、販管費の減少、減損損失の減少、サークルKサンクスの増額修正などにより、営業利益を従来予想の387億円から今回の420億円、経常利益を367億円から400億円、純利益を48億円から80億円に増額修正した。
また1月19日には、サークルKサンクスとの合弁で生鮮コンビニを展開する「99イチバ」を完全子会社化して、首都圏の狭商圏対応の小型スーパーマーケットを展開することを発表した。東京都、神奈川県を中心にドミナント出店し、5年間で300店舗の展開を目指している。
株価の動きを見ると、東日本大震災後に一旦は800円近辺まで上昇する場面もあったが、11年1月の東日本大震災前の昨年来高値862円に届かず、概ね650円〜750円のレンジでモミ合う展開となっている。また26週移動平均線が戻りを圧迫する形で、徐々に上値を切り下げている。
足元の株価水準を指標面で見ると、12年2月期ベースの予想連結PER(上方修正後EPSで算出)は17〜18倍近辺、予想配当利回りは2%台後半、実績PBRは1倍割れ水準である。予想連結PERは割安とは言えない水準であり、物色シフトなどで戻りが重くなる可能性には注意しておきたいが、下値では2月末の配当権利取りを狙った買いが入る可能性があるだろう。需給面で見れば、信用倍率は0.2倍台である。
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