【大幅上昇の反動で一旦は利益確定売り優勢だが概ね堅調】
■日経平均は5営業部ぶり小幅反落、TOPIXは小幅に5営業日続伸
23日は、日経平均株価が前日比46銭(0.01%)安の8765円90銭と5営業日ぶりに小幅反落した。一方のTOPIXは前日比1.32ポイント(0.17%)高の756.79と小幅に5営業日続伸した。前週の大幅上昇の反動で利益確定売りが出やすい状況だったが、概ね堅調な展開となり地合い改善を印象付けた。日経平均株価の日中値幅は50円73銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆214億円となり、前日の1兆4032億円に比べて減少したが、4営業日連続で1兆円を上回った。
前週末20日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均株価は前日比96ドル50セント(0.76%)高の1万2720ドル48セントと4営業日続伸した。戻り高値圏で利益確定売りが出やすい状況だったうえに、前日取引終了後に発表された米グーグルの決算内容も失望感を誘ったが、米12月中古住宅販売件数(年率換算)が461万戸となり、市場予想をやや下回ったものの11月改定値の439万戸から増加して在庫も低水準だったことを好感した。ギリシャ債務交換交渉の合意に対する期待感が高まったことや、米IBM、米マイクロソフト、米インテルの決算が好内容だったことも支援材料だった。S&P500株価指数は前日比0.07%高と小幅に4営業日続伸した。ナスダック総合株価指数は前日比0.06%安と4営業日ぶりに小幅反落した。
この流れに対して日経平均株価は前日比12円45銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き1180万株の買い越し観測だった。先週の大幅上昇の反動で利益確定売りが先行した。外国為替市場で1ユーロ=99円台前半に円が上昇したことや、中国などアジアの主要株式市場が休場のため様子見ムードも強めた。しかし売りは限定的で、午前の中盤になると前日比プラス圏に転じた。
午後に入ると、日経平均株価は概ね小高い水準だったが、中盤以降には前日比マイナス圏に転じる場面もあり、前日終値付近でのモミ合い展開となった。結局は前日マイナス圏で取引を終了した。ただし下落幅は僅かに46銭にとどまった。TOPIXは前日比プラス圏を維持した。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄963(全体の58%)、値下がり銘柄574(全体の34%)だった。輸出関連の主力大型株への買い戻しは一服したが、中小型株が買い戻され、特にSNS関連が大幅上昇した。復興需要関連などの低位材料株物色も続いた。セクター別には、鉄鋼、メガバンク、証券、保険、不動産、海運などの上昇が目立った。東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位のオリンパス(7733)は上場維持が正式発表されて大幅上昇した。また2位のグリー(3632)、3位のソフトバンク(9984)、5位のディー・エヌ・エー(2432)、7位のソニー(6758)、8位の東芝(6502)、15位のMUTOHホールディングス(7999)の大幅上昇が目立ったほか、4位の三菱UFJFG(8306)、6位の三井住友FG(8316)、11位のみずほFG(8411)も上昇した。一方で、9位のトヨタ自動車(7203)、16位の三菱商事(8058)、17位のファナック(6954)、18位のパナソニック(6752)が下落した。
日経平均株価は小幅に下落して取引を終了したが、前日までの4営業日合計で388円00銭(4.63%)上昇していたことを考慮すれば、上昇一服は当然とも言えるだろう。逆に、下落幅が僅か46銭にとどまったことや、東証1部市場の売買代金が4営業日連続で1兆円を上回ったことで、地合い改善を印象付けたとも言えるだろう。ただし本格的な戻り相場がスタートするためには、物色の広がりや循環につながるかがポイントになりそうだ。
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2012年01月23日