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2012年01月30日

【株式市場を検証】輸出関連の主力株を中心に利益確定売りが優勢

【円高警戒などで利益確定売り優勢、日経平均、TOPIXとも3営業日続落】

■東証1部市場の売買代金は4営業日ぶりに1兆円を下回る

 30日は、日経平均株価が前日比48円17銭(0.54%)安の8793円05銭と3営業日続落した。終値で4営業日ぶりに8800円台を割り込んだ。TOPIXは前日比4.12ポイント(0.54%)安の757.01と3営業日続落した。前週末のダウ工業株30種平均株価が下落したことや、外国為替市場で円高方向に傾いたことなどで、輸出関連の主力株を中心に利益確定売りが優勢になった。日経平均株価の日中値幅は58円25銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で9582億円となり、前週末の1兆1213億円に比べて減少し、4営業日ぶりに1兆円を下回った。

 前週末27日の米国株式市場は高安まちまちだった。ダウ工業株30種平均株価は前日比74ドル17セント(0.58%)安の1万2660ドル46セントとなり続落した。利益確定売りが優勢だったが、下落幅を縮小する場面もあり下値は限定的だった。米第4四半期実質GDP速報値が前期比年率プラス2.8%となり第3四半期の同プラス1.8%に比べて改善したが、市場予想を下回ったことで失望感につながった。米1月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は75.0となり、速報値の74.0から上方修正されて12月確報値の69.9に比べて大幅上昇したが市場の反応は限定的だった。S&P500株価指数は前日比0.16%安と小幅に続落した。ナスダック総合株価指数は前日比0.40%高と反発した。

 この流れに対して日経平均株価は前日比37円43銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き360万株の売り越し観測だった。寄り付き後は日経平均株価8800円台前半でモミ合う展開だったが、午前の中盤以降は下落幅を広げて日経平均株価8700円台後半のレンジでモミ合う展開となった。外国為替市場のユーロ・円相場で円高方向に傾いたことに加えて、今晩のEU首脳会議の内容や欧米株式市場の動きを見たいとして手控えムードを強めた。春節明けの中国・上海株式市場が軟調だったことも弱材料視された。

 午後に入ると、日経平均株価はこの日の安値8774円23銭(前日比66円99銭安)を付ける場面もあり、安値圏でモミ合う展開が続いた。様子見ムードも強く、日経平均株価は4営業日ぶりに8800円台を割り込んで取引を終了した。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄671(全体の40%)、値下がり銘柄841(全体の50%)だった。セクター別には、ガラス・土石、鉄鋼、非鉄金属、電機・精密、自動車、不動産、海運などが下落した。全体としては輸出関連の主力株が軟調だった。一方で、小売、メガバンク、証券、保険、陸運などの一角が上昇した。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位の三菱電機(6503)は防衛省向けの過大請求発覚を嫌気して大幅下落した。2位のトヨタ自動車(7203)、3位のグリー(3632)、7位のホンダ(7267)、10位のNTTドコモ(9437)、11位のソフトバンク(9984)も下落した。15位の日本電気硝子(5214)の大幅下落も目立った。一方で、5位のすてきナイスグループ(8089)、12位のアドバンテスト(6857)の大幅上昇が目立ち、4位のコマツ(6301)、6位の三井住友FG(8316)、8位の三菱UFJFG(8306)、9位のネクソン(3659)も上昇した。

 日経平均株価、TOPIXともに3営業日続落したが、短期的な過熱感が残っているだけにやむを得ないだろう。ただし今日は、東証1部市場の売買代金が4営業日ぶりに1兆円台を割り込み、様子見ムードを強めた。好決算でも売られる銘柄が目立ち、地合いが好転したとは言い切れないだけに、明日以降も外国為替市場での円高進行を警戒して一段と様子見ムードを強めるようであれば、上値が重くなる可能性に注意が必要だろう。

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