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2012年01月31日

【株式市場を検証】ドル・円相場が円高方向で警戒感強める場面もあったが堅調展開

【日経平均株価は4営業日ぶり小幅反発、TOPIXは小幅に4営業日続落】

■東証1部市場の売買代金は2営業日ぶりに1兆円を上回る

 31日は、日経平均株価が前日比9円46銭(0.11%)高の8802円51銭と4営業日ぶりに小幅反発した。一方のTOPIXは前日比1.74ポイント(0.23%)安の755.27と小幅に4営業日続落した。ドル・円相場が円高方向に傾いたため警戒感を強める場面もあったが、全体としては堅調な展開だった。日経平均株価の日中値幅は60円03銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆2370億円となり、前日の9582億円に比べて大幅増加し、2営業日ぶりに1兆円を上回った。

 前日30日の米国株式市場は総じて小幅に下落した。ダウ工業株30種平均株価は前日比6ドル74セント(0.05%)安の1万2653ドル72セントとなり、小幅に3営業日続落した。イタリア国債入札は無事通過したが、ポルトガルの国債利回りが上昇したことや、ギリシャの債務交換交渉の合意が遅れていることで警戒感を強め、前日比131ドル05セント安まで下落する場面もあった。しかし下値では押し目買いが入り、中小企業の資金需要が拡大していることが明らかになったことなども好感し、取引終了にかけて下落幅を縮小した。

 S&P500株価指数は前日比0.25%安と小幅に3営業日続落、ナスダック総合株価指数は前日比0.16%安と小幅に反落した。米12月個人所得は前月比0.5%増加となり、11月の同0.1%増加に比べて改善して市場予想も上回ったが、米12月個人消費支出が前月比横ばいとなり、11月の同0.1%増加から減速して市場予想も下回った。注目のEU首脳会議では、25カ国がユーロ圏諸国の財政規律強化を狙う新財政協定を締結することで合意した。いずれも反応は限定的だった。

 この流れに対して日経平均株価は前日比11円61銭安と小幅に売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き250万株の売り越し観測だった。寄り付き後まもなく、株価指数先物取引に大口の買いが入ったことで日経平均株価は前日比プラス圏に転じ、8800円台を回復した。その後は前日比小高い水準でモミ合う展開となった。外国為替市場での円高進行に対する警戒感が強く、中国・上海株式市場が軟調だったことも弱材料視された。12月鉱工業生産速報値は前月比4.0%増加となり、11月の同マイナス2.7%から改善して市場予想も上回ったが、反応は限定的だった。

 午後も前半は日経平均株価8800円台前半の狭いレンジでモミ合う展開だったが、午後の中盤以降になると上昇幅を縮小して前日比マイナス圏に転じる場面もあり、前日終値を挟んでの攻防となった。ドル・円相場で1ドル=76円10銭台に円が上昇したことで警戒感を強めた。ただし下値では買いも入り結局、日経平均株価は僅かながらもプラス圏で取引を終了した。TOPIXは小幅ながらマイナス圏に沈んだ。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄777(全体の46%)、値下がり銘柄732(全体の44%)だった。セクター別には、電機・精密や情報通信が軟調だったが、全体としては方向感に欠ける展開となり、主力株も個別物色で高安まちまちだった。取引時間中に決算を発表した大手海運3社は12年3月期業績予想を下方修正したが、悪材料出尽くしとされて買いが優勢だった。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位の三菱電機(6503)は大幅に反発し、4位の三井住友FG(8316)、5位のグリー(3632)、6位のトヨタ自動車(7203)、7位のコマツ(6301)、12位のファナック(6954)、16位の商船三井(9104)、17位のJR東日本(9020)が上昇した。一方で、2位のキヤノン(7751)、8位の富士写真フイルム(4901)、13位の花王(4452)の下落が目立ち、3位の三菱UFJFG(8306)、9位の東芝(6502)、10位のソフトバンク(9984)、11位のNTTドコモ(9437)、14位のホンダ(7267)が下落した。

 日経平均株価は4営業日ぶりに小幅反発、TOPIXは小幅に4営業日続落となり、株価指数は高安まちまちだった。ただしドル・円相場が1ドル=76円10銭台まで上昇したことを考慮すれば、堅調な展開だったという印象が強い。東証1部市場の売買代金も前日に比べて大幅増加して1兆円を上回った。当面の円高が一服すれば、日経平均株価8800円台固め完了のシナリオも可能だろう。

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