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2012年03月05日

【株式市場を検証】輸出関連や景気敏感関連の主力株を中心に利益確定売りが広がる

【日経平均株価、TOPIXともに反落、円安一服で利益確定売り優勢】

■東証1部市場の売買代金は25営業日連続で1兆円を上回る

 5日は、日経平均株価が前日比78円44銭(0.80%)安の9698円59銭となり反落した。TOPIXは前日比4.96ポイント(0.59%)安の832.86となり反落した。為替がやや円高方向に傾いたため、輸出関連や景気敏感関連の主力株を中心に利益確定売りが広がった。

 日経平均株価の日中値幅は118円39銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆1341億円となり、前週末の1兆3140億円に比べて減少したが、25営業日連続で1兆円を上回った。

 前週末2日の米国株式市場は、主要な経済指標の発表がなく、やや手掛かり材料難で小動きだった。ダウ工業株30種平均株価は前日比2ドル73セント(0.02%)安の1万2977ドル57セントと小幅反落した。スペインのラホイ首相が12年の財政赤字目標をGDP比5.8%に設定し、EUと合意した4.4%より緩やかな水準になったことを弱材料視した。ただし下値も限定的だった。S&P500株価指数は前日比0.32%安と反落、ナスダック総合株価指数は前日比0.43%安と反落した。

 こうした流れを受けて、日経平均株価は前日比20円05銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き480万株の売り越し観測だった。

 寄り付きの売り一巡後に、日経平均株価は前週末比プラス圏に浮上する場面もあった。しかし、全体としては手掛かり材料難で方向感に欠け、日経平均株価9700円台後半の小安い水準でモミ合う展開となった。

 午後に入ると、株価指数先物取引が主導する形で、日経平均株価は下落幅を広げる展開となった。前日比103円28銭安の9673円75銭まで下落する場面もあった。為替がやや円高方向に傾いたことや、アジアの株式市場が軟調だったことが弱材料視され、輸出関連や景気敏感関連の主力株を中心に利益確定売りが広がった。結局、日経平均株価、TOPIXともに、この日の安値圏で取引を終了した。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄505(全体の30%)、値下がり銘柄1023(全体の61%)だった。セクター別には、医薬品、小売、鉄道など、内需関連の一角が堅調だった。一方で、鉄鋼、自動車、電機・精密、銀行、証券、海運など、輸出関連や景気敏感関連を中心に、主力株が総じて利益確定売りに押された。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、2位のトヨタ自動車(7203)、3位の三菱UFJFG(8306)、4位のディー・エヌ・エー(2432)、5位のキヤノン(7751)、6位の東京電力(9501)、7位の日産自動車(7201)、8位の野村ホールディングス(8604)、9位の三井住友FG(8316)、11位のソニー(6758)、12位のホンダ(7267)、13位のパナソニック(6752)、16位の三井物産(8031)、17位のソフトバンク(9984)、18位のファナック(6954)、19位の三菱商事(8058)など、主力株が総じて下落した。

 一方で、1位の日立製作所(6501)、10位のマツダ(7261)、14位のファーストリテイリング(9983)、15位のNTTドコモ(9437)、20位のNTT(9432)は上昇した。

 為替がやや円高方向に傾いたこともあり、自動車や電機・精密セクターを中心に、主力株に対する利益確定売りが広がった。急ピッチで上昇してきただけに、短期的な過熱感を冷ますためにスピード調整が必要な状況である。そして今週は、週末9日に株価指数先物・オプションSQ(特別清算指数)算出や、米2月雇用統計など重要イベントを控えて動きにくい状況であり、3月期末に向けた決算対策売りも警戒されるだろう。循環物色で指数を支える展開になれば理想だが、上昇一服はやむを得ないだろう。

 ただし、ネガティブ・サプライズが出たわけではないだけに、当然のスピード調整と考え、利益確定売り一巡を待って、押し目買いに動きたい投資家も多いだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:07 | 市況・概況