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2012年03月12日

【株式市場を検証】利益確定売り優勢となり上値の重い展開

【日経平均株価、TOPIXともに3営業日ぶり反落】

■東証1部市場の売買代金は30営業日連続で1兆円を上回る

 12日は、日経平均株価が前日比39円88銭(0.40%)安の9889円86銭となり3営業日ぶり反落、一方のTOPIXは前日比3.43ポイント(0.40%)安の845.28となり3営業日ぶり反落した。ギリシャ債務交換問題に関する警戒感が後退したこと、前週末のドル・円相場が円安方向に傾いたことなどを受けて、買い優勢でスタートした。しかし徐々に利益確定売りが優勢となり、上値の重さを意識させる展開だった。

 日経平均株価の日中値幅は131円65銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆2894億円となり、SQ(特別清算指数)算出日だった前週末9日の2兆4018億円に比べて減少したが、30営業日連続で1兆円を上回った。

 前週末9日の米国株式市場で主要株価指数は上昇した。ダウ工業株30種平均株価は前日比14ドル08セント(0.11%)高の1万2922ドル02セントと3営業日続伸した。ギリシャ債務交換プログラムが成立の見通しとなったこと、中国の消費者物価指数が市場予想以上に低下したこと、米2月雇用統計が市場予想を上回ったことを好感した。ただし米1月貿易赤字が拡大したことや、ISDA(国際スワップ・デリバティブ協会)がギリシャ債務交換をCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)支払事由に該当するとしたことを受けて伸び悩んだ。

 S&P500株価指数は前日比0.36%高と3営業日続伸、ナスダック総合株価指数は前日比0.60%高と3営業日続伸した。米2月雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比22.7万人増加となり、1月改定値の同28.4万人増加に比べて鈍化したが、3カ月連続で20万人超の増加となり市場予想を上回った。2月失業率は8.3%となり、1月の8.3%に比べて横ばいだったが市場予想と同水準だった。米1月貿易収支は526億ドルの赤字となり、12月改定値の504億ドルの赤字に比べて市場予想以上に赤字幅が拡大した。

 こうした流れを受けて日経平均株価は前日比86円18銭高と買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き310万株の売り越し観測だったが、前週末の海外市場でドル・円相場が1ドル=82円60銭台と円安方向に振れたことや、寄り付き前に発表された1月機械受注統計で船舶・電力を除く民需が前月比3.4%増となり市場予想を上回ったことも好感した。

 日経平均株価は寄り付きで1万円大台に乗せてスタートしたが、買い一巡後は上昇幅を縮小して、9900円台半ば〜後半のレンジでモミ合う展開となった。ドル・円相場、ユーロ・円相場ともに、朝方に比べてやや円高方向に傾いたこともあり、伸び悩んだ。

 午後に入ると日経平均株価は小幅レンジで膠着感を強めた。12日〜13日の日銀金融政策決定会合や、13日の米FOMC(連邦公開市場委員会)を控えて様子見ムードを強めた。さらに午後の終盤になると、短期的な過熱感に加えて、アジアの主要株式市場がやや軟調だったこともあり、日経平均株価、TOPIXともに、前日比マイナス圏に転じた。売り急ぐ動きも見られず下値は限定的だったが、日経平均株価、TOPIXともに、結局この日の安値で取引を終了した。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄535(全体の32%)、値下がり銘柄996(全体の60%)だった。セクター別には、鉱業、繊維、ネット・SNS関連などが上昇したが、機械、電機、海運、銀行などを中心に、主力大型株がやや軟調だった。橋梁関連なども軟調だった。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位の三菱UFJFG(8306)、2位のトヨタ自動車(7203)、4位のみずほFG(8411)、6位の三井住友FG(8316)、7位のファナック(6954)、8位のキヤノン(7751)、10位のソニー(6758)、12位の野村ホールディングス(8604)、13位のダイキン工業(6367)、14位のホンダ(7267)、17位のファーストリテイリング(9983)、18位のコマツ(6301)が下落し、指数寄与度の大きい主力大型株が軟調だった。

 一方で、5位のグリー(3632)、9位の東レ(3402)、11位のニコン(7731)、15位のディー・エヌ・エー(2432)、16位のソフトバンク(9984)、19位の日産自動車(7201)、20位のSUMCO(3436)、そして27位のエス・バイ・エル(1919)が上昇し、個別物色が目立った。

 日経平均株価、TOPIXともに反落したが、前週後半2営業日の上昇率が高すぎるという印象が強かっただけに、目先的には当然のスピード調整とも言えるだろう。

 当面は、12日〜13日の日銀金融政策決定会合、そして13日の米FOMC(連邦公開市場委員会)通過後の為替動向がポイントになるが、短期的な過熱感が強い状況だけに、一段の円安進行という形にならなければ、一旦は調整局面の警戒も必要だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:00 | 市況・概況