株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

2012年03月13日

【株式市場を検証】日銀金融政策決定会合に対する思惑と結果で乱高下

【日経平均株価、TOPIXともに小幅反発】

■東証1部市場の売買代金は31営業日連続で1兆円を上回る

 13日は、日経平均株価が前日比9円22銭(0.09%)高の9899円08銭となり小幅反発、TOPIXは前日比0.05ポイント(0.01%)高の845.33となり小幅反発した。日銀金融政策決定会合に対する思惑もあり、株価指数先物取引が主導する形で買いが先行したが、追加金融緩和が見送られて為替が円高方向に傾いたため、上昇幅を急速に縮小した。

 日経平均株価の日中値幅は123円58銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆5434億円となり、前日の1兆2894億円に比べて増加し、31営業日連続で1兆円を上回った。

 前日12日の米国株式市場で主要株価指数は小動きだった。ダウ工業株30種平均株価は前日比37ドル69セント(0.29%)高の1万2959ドル71セントと4営業日続伸した。米FOMC(連邦公開市場委員会)を控えて様子見ムードが強く、中国2月貿易赤字が市場予想を上回ったことに対して警戒感も強めた。しかし米景気回復に対する期待感も強く、買いがやや優勢だった。S&P500株価指数は前日比0.02%高と小幅に4営業日続伸、ナスダック総合株価指数は前日比0.16%安と4営業日ぶり小幅反落した。

 こうした流れを受けて日経平均株価は前日比31円39銭高と買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き600万株の売り越し観測だったが、為替が前日の東京市場に比べてやや円安水準だったことを好感した。

 日経平均株価は寄り付き後もしっかりした展開となった。午前の中盤以降には、日銀金融政策決定会合に対する思惑もあり、株価指数先物取引が主導する形で上昇幅を広げ、1万円大台に乗せる場面もあった。

 午後に入ると、日経平均株価はこの日の高値となる前日比122円02銭高の1万11円88銭を付ける場面もあった。しかし午後2時過ぎに、日銀金融政策決定会合で追加金融緩和が見送られて、外国為替市場で円高方向に傾いたため、やはり株価指数先物取引が主導する形で、急速に上昇幅を縮小した。日経平均株価は前日比マイナス圏に転じる場面もあった。結局、日経平均株価はこの日の安値圏、TOPIXはこの日の安値で取引を終了した。

 なお日銀金融政策決定会合では、政策金利と資産買い入れ基金65兆円規模を据え置き、成長基盤強化を支援するための資金供給を2兆円増額して5.5兆円とし、期間を14年3月末まで延長することを決定した。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄553(全体の33%)、値下がり銘柄926(全体の55%)だった。セクター別には、鉄鋼、機械、銀行、不動産、情報通信などが上昇した。一方で、食品、化学、ゴム製品、ガラス・土石、金属製品、海運、空運、その他金融などが下落した。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、2位の三菱UFJFG(8306)、3位のトヨタ自動車(7203)、4位の三井住友FG(8316)、5位の日立製作所(6501)、6位の三井不動産(8801)、7位のファナック(6954)、8位の野村ホールディングス(8604)、11位のみずほFG(8411)、14位のファーストリテイリング(9983)、16位のディー・エヌ・エー(2432)、18位のソフトバンク(9984)、20位のダイキン工業(6367)が上昇した。

 一方で、1位のマツダ(7261)、9位のキヤノン(7751)、12位のグリー(3632)、13位の日産自動車(7201)、15位のコマツ(6301)が下落した。また17位の旭化成(3407)の大幅下落が目立った。

 また、10位のホンダ(7267)、19位の三菱商事(8058)、21位の東レ(3402)は前日比変わらずとなった。

 日経平均株価、TOPIXともに、終値では小幅に反発したが、日銀金融政策決定会合に対する思惑や株価指数先物取引に振られた展開だった。そして結果的には、上値の重さを意識させる形となった。

 今晩の米FOMC(連邦公開市場委員会)通過後の為替動向がポイントになるが、一段の円安進行という形にならなければ、一旦は調整局面の警戒も必要だろう。

◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 20:03 | 市況・概況