【日経平均株価、TOPIXともに大幅続伸】
■米国株上昇と円安を好感
14日の主要株価指数は大幅上昇した。日経平均株価は前日比151円44銭(1.53%)高の1万50円52銭となり大幅続伸、TOPIXは前日比11.78ポイント(1.39%)高の857.11となり大幅続伸した。前日の米国株式市場の大幅上昇や、為替の円安進行を好感した。日経平均株価は取引時間中に一時1万100円台を回復する場面もあった。
日経平均株価の日中値幅は65円27銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆4631億円となり、前日の1兆5434億円に比べて減少したが32営業日連続で1兆円を上回った。
前日13日の米国株式市場で主要株価指数は大幅上昇した。ダウ工業株30種平均株価は前日比217ドル97セント(1.68%)高の1万3177ドル68セントと大幅に5営業日続伸した。終値で1万3000ドル台を回復して07年12月31日以来の高値水準となった。独3月ZEW景況感期待指数や米2月小売売上高を好感した。金融大手JPモルガン・チェースが増配と自社株買いを発表したことや、金融機関のストレステスト(特別検査)で19社のうち15社が資本比率に関する規制水準をクリアしたことも上昇に拍車をかけた。
S&P500株価指数は前日比1.81%高と大幅に5営業日続伸、ナスダック総合株価指数は前日比1.88%高と大幅反発した。米2月小売売上高は前月比1.1%増となり1月改定値の同0.6%増に比べて改善した。市場予想とほぼ同水準で5カ月ぶりの大幅な伸びだった。米FOMC(連邦公開市場委員会)声明では、低金利を14年末まで継続することを確認し、景気認識を上方修正した。
こうした流れを受けて、日経平均株価は前日比165円04銭高と大幅に買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き1660万株の大幅買い越し観測だった。前日の米国株式市場が上昇したことに加えて、海外市場のドル・円相場で1ドル=83円00銭台と、昨年4月20日以来のドル高・円安水準に下落したことを好感した。
日経平均株価は寄り付きで1万円大台を回復し、買い一巡後は高値圏でモミ合う展開となった。午前の終盤に、日経平均株価はこの日の高値となる前日比216円71銭高の1万115円79銭を付けた。
午後に入っても日経平均株価は概ね高値圏でモミ合う展開だった。ただし終盤になると利益確定売りも出始め、やや伸び悩む形となった。中国・上海株式市場が下落に転じたことも手控えムードにつながった。結局、日経平均株価、TOPIXともにこの日の安値で取引を終了した。
なお、日経平均株価の取引時間中の高値1万115円79銭は昨年7月26日(1万130円25銭)以来の水準、終値1万50円52銭は同じく昨年7月26日(1万97円72銭)以来の水準だった。また、TOPIXの取引時間中の高値861.46は昨年7月27日(861.69)以来の水準、終値の857.11は同じく昨年7月27日(859.11)以来の水準だった。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄1033(全体の62%)、値下がり銘柄469(全体の28%)だった。セクター別には、鉄鋼、非鉄金属、機械、電機、自動車、銀行、証券、保険、その他金融、不動産などの上昇が目立った。一方では、パルプ・紙、陸運、空運、小売やサービスの一角などが下落し、SNS・ゲーム関連の大幅下落が目立った。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位のシャープ(6753)は午後に入って一時5%超安まで下落したが、社長交代で記者会見との報道を受けて急速に切り返し、結局4%超の上昇となった。また2位のトヨタ自動車(7203)、4位の三菱UFJFG(8306)、5位のみずほFG(8411)、7位の三井住友FG(8316)、8位のソニー(6758)、9位のホンダ(7267)、10位の日産自動車(7201)、11位の野村ホールディングス(8604)、12位のキヤノン(7751)、13位のファナック(6954)、14位のコマツ(6301)、15位の東芝(6502)、16位の日立製作所(6501)、17位のマツダ(7261)、18位の三菱商事(8058)、19位のソフトバンク(9984)、20位のファーストリテイリング(9983)など、主力大型株が総じて大幅上昇した。
一方で、3位のグリー(3632)、6位のディー・エヌ・エー(2432)が大幅下落した。
日経平均株価、TOPIXともに大幅上昇した。主力大型株の大幅上昇が指数を押し上げ、日経平均株価、TOPIXともに、上値を一気に切り上げた形である。
ただし、東証1部市場の値上がり銘柄数は全体の6割強にとどまり、売買代金も前日に比べて減少した。日経平均株価の日中値幅は65円27銭にとどまり、取引時間中に買い上がる動きは限定的だった。全面高とは言い難い展開だっただけに、やや微妙なムードだろう。
強基調であることに変化はなく、東日本大震災前の水準への回復も近いと考えられるが、引き続き為替動向や物色循環がポイントだろう。一段の円安進行という形にならなければ、高値警戒感や目標達成感などで、一旦は利益確定売りが優勢になる可能性もあるだろう。
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!

2012年03月14日

































