【日経平均株価、TOPIXともに続落】
■主力大型株に利益確定売りだが循環物色の可能性
29日は下落した。日経平均株価は前日比67円78銭(0.67%)安の1万114円79銭となり続落した。一方、TOPIXは前日比6.69ポイント(0.77%)安の857.74となり続落した。前日の米国株式市場の下落を受けて、資源関連、中国関連、輸出関連、景気敏感関連を中心に、主力大型株に対する利益確定売りが優勢になった。
日経平均株価の日中値幅は62円27銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆2568億円となり、前日の1兆2486億円に比べて増加し42営業日連続で1兆円を上回った。
前日28日の米国株式市場は下落した。ダウ工業株30種平均株価は前日比71ドル52セント(0.54%)安の1万3126ドル21セントと続落した。米2月耐久財受注が市場予想を下回ったことが弱材料視されて、利益確定売りが優勢だった。原油価格が下落したことを受けてエネルギー関連株が売られた。
S&P500株価指数は前日比0.49%安と続落、ナスダック総合株価指数は前日比0.49%安と続落した。米2月耐久財受注は前月比2.2%増加となり、1月改定値の同3.6%減少(4.0%減少から上方修正)に比べて改善したが市場予想を下回った。
こうした流れを受けて日経平均株価は前日比47円79銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き90万株の買い越し観測だった。
寄り付き後の日経平均株価は、徐々に下落幅を広げる展開となった。3月上旬の貿易収支は538億円の赤字だったが、外国為替市場でやや円高方向に反応したことや、中国・上海株式市場が軟調だったことも弱材料視され、午前の中盤には、この日の安値となる前日比97円80銭安の1万84円77銭まで下落する場面もあった。
午後の寄り付き直後には、日経平均株価が下落幅を50円程度まで縮小する場面もあったが、押し目買いの勢いも小さく、その後は再び下落幅を広げて概ね1万100円近辺の安値圏でモミ合う展開となった。
東証1部市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄800(全体の48%)、値下がり銘柄751(全体の45%)だった。セクター別には、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼、非鉄金属、機械、電機、自動車、空運、総合商社、銀行、証券などの下落が目立った。一方で、ネット・SNS・ゲーム関連の上昇が目立ち、食品、医薬品、小売の一角なども上昇した。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位のシャープ(6753)、6位のグリー(3632)、12位のディー・エヌ・エー(2432)、そして23位のスタートトゥデイ(3092)の大幅上昇が目立った。また10位のソフトバンク(9984)、16位のファーストリテイリング(9983)も上昇した。
一方で、2位のトヨタ自動車(7203)、3位の日立製作所(6501)、4位の三菱UFJFG(8306)、5位のみずほFG(8411)、7位の三井住友FG(8316)、8位の三菱商事(8058)、9位の三井物産(8031)、11位のコマツ(6301)、13位のホンダ(7267)、14位のファナック(6954)、15位のソニー(6758)、17位の日産自動車(7201)、18位のキヤノン(7751)、19位の東芝(6502)、20位のNTTドコモ(9437)は下落した。
資源関連、中国関連、輸出関連、景気敏感関連を中心に、主力大型株が総じて利益確定売りに押された。
しかし一方では、内需・ディフェンシブ系の一角が買われるとともに、これまで売り込まれてきたネット・SNS・ゲーム関連が大幅に上昇する展開となった。東証1部市場の騰落銘柄数も、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回った。物色循環の動きと解釈できるだろう。
テクニカル面での短期的な過熱感が解消されれば、企業業績改善に対する期待先行、さらに業績見通し修正などを材料視する個別物色の形で、新たな上昇局面に向かう可能性は高いだろう。
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2012年03月29日