【日経平均株価、TOPIXともに続伸】
■米国株式市場下落や円高方向に傾いたことが弱材料
16日は下落した。日経平均株価は前日比167円35銭(1.74%)安の9470円64銭となり3営業日ぶりに大幅反落した。一方のTOPIXは前日比11.65ポイント(1.43%)安の803.83となり3営業日ぶりに大幅反落した。前週末の米国株式市場が下落したことや、為替が円高方向に傾いたことが弱材料視された。
日経平均株価の日中値幅は68円42銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で9860億円となり、前日の1兆5832億円に比べて大幅減少し、5営業日ぶりに1兆円を下回った。
前週末13日の米国株式市場は下落した。ダウ工業株30種平均株価は前日比136ドル99セント(1.05%)安の1万2849ドル59セントとなり3営業日ぶり反落した。スペインの金融機関がECB(欧州中央銀行)から3月に借り入れた資金が3163億ユーロと2月比で急増したことを受けてスペイン国債利回り上昇したため、債務危機問題に対する警戒感が強まった。中国12年1〜3月実質GDPが5四半期連続の鈍化となり市場予想を下回ったことや、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が低下したことも弱材料視された。
S&P500株価指数は前日比1.25%安と3営業日ぶり反落、ナスダック総合株価指数は前日比1.45%安と3営業日ぶり大幅反落した。米3月CPI(消費者物価指数)で総合指数は前月比0.3%上昇となり、2月の同0.4%上昇に比べてやや鈍化して市場予想と同水準だった。食品とエネルギーを除くコア指数は同0.2%上昇となり、2月の同0.1%上昇に比べてやや加速したが市場予想と同水準だった。米4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は75.7となり、3月確報値の76.2に比べて低下し市場予想も下回った。
こうした流れを受けて日経平均株価は前日比115円29銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き500万株の買い越し観測だったが、前週末の米国株安や円高を弱材料視した。
寄り付き後の日経平均株価は下落幅をやや広げる場面があった。ユーロ圏債務危機問題が警戒され、ユーロ・円相場が円高方向に傾いたことを嫌気した。売り一巡後は下げ渋り概ね9500円を挟んでモミ合う展開となったが、積極的な売買は手控えられた。
午後に入ると日経平均株価は、日銀のETF買いに対する期待などが支援材料となって、下落幅をやや縮小する場面もあった。しかし概ね9500円台前半の狭いレンジでモミ合う展開が続き膠着感を強めた。午後の終盤になると再び下落幅を広げる展開となり、午前の安値を割り込んだ。為替が円高方向に傾いたことや、アジアの主要株式市場がやや軟調だったことが弱材料視された。日経平均株価、TOPIXともに、この日の安値圏で取引を終了した。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄414(全体の25%)、値下がり銘柄1134(全体の68%)だった。セクター別には、非鉄金属、機械、電機・精密、自動車、総合商社、銀行、証券、保険、その他金融、不動産、海運などの下落が目立った。一方でパルプ・紙、陸運、電気・ガスなどが堅調だった。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位の三菱UFJFG(8306)、2位の三井住友FG(8316)、3位の日立製作所(6501)、6位の三井物産(8031)、7位の丸紅(8002)、13位の三菱商事(8058)、18位の商船三井(9104)、21位のみずほFG(8411)の大幅下落が目立った。
また、4位のトヨタ自動車(7203)、5位のソニー(6758)、8位のファナック(6954)、9位のファーストリテイリング(9983)、10位のホンダ(7267)、11位の野村ホールディングス(8604)、12位のグリー(3632)、14位の日産自動車(7201)、16位のコマツ(6301)、17位のパナソニック(6752)、20位の日本たばこ産業(JT)(2914)も下落した。
一方、東証1部市場売買代金上位20銘柄の中で上昇したのは、15位のシャープ(6753)、19位の新日本製鉄(5401)の2銘柄にとどまった。
月末の重要イベントや企業決算発表の本格化を控えて動きづらい状況であることに加えて、ユーロ・円相場が1ユーロ=104円台と円高方向に傾いたこともあり、警戒感を強めた1日だった。
前週末13日のように指数寄与度の高い一部の銘柄が指数を支える動きは見られず、全体としてユーロ圏債務危機問題に対する警戒感を強めている。
今晩の為替動向次第では、明日も引き続き警戒感を強める可能性もあり、当面は個別物色の展開が続きそうだ。
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2012年04月16日