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2012年04月17日

【株式市場を検証】手掛かり材料難で様子見ムード、当面は個別物色の展開

【日経平均株価、TOPIXともに続落】

■東証1部市場の売買代金は2営業日連続で1兆円を下回る

 17日は小幅に下落した。日経平均株価は前日比5円93銭(0.06%)安の9464円71銭、TOPIXは前日比0.74ポイント(0.09%)安の803.09となり、いずれも小幅に続落した。小幅に買い優勢でスタートしたが、手掛かり材料難で様子見ムードを強めた。

 日経平均株価の日中値幅は64円48銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で9964億円となり、前日の9860億円に比べてやや増加したが2営業日連続で1兆円を下回った。

 前日16日の米国株式市場は高安まちまちだった。ダウ工業株30種平均株価は前日比71ドル82セント(0.56%)高の1万2921ドル41セントとなり反発した。米3月小売売上高が好調で市場予想を上回ったことや、米シティ・グループの1〜3月期1株当たり利益が市場予想を上回ったことなどを好感した。しかし、米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数や米4月住宅市場指数が悪化したこともありやや伸び悩んだ。S&P500株価指数は前日比0.05%安と続落、ナスダック総合株価指数は前日比0.76%安と続落した。米3月小売売上高は前月比0.8%増加となり、2月改定値の1.0%増加(同1.1%増加から下方修正)に比べて鈍化したが市場予想を上回った。米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数は6.56となり、3月の20.21に比べて低下し市場予想も下回った。米4月住宅市場指数は25となり、3月の28に比べて低下し市場予想も下回った。

 こうした流れを受けて日経平均株価は前日比5円51銭高と小幅に買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き60万株の売り越し観測だったが、前日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価が上昇したことが安心感につながった。

 寄り付き後の日経平均株価は前日比マイナス圏に転じる場面もあったが、その後は徐々に下値を切り上げて、上昇幅を広げる展開となった。ただし、今晩のスペイン短期債入札や米インテルの1〜3月期決算発表などを控えて、概ね小動きだった。午前の終盤になると株価指数先物取引に大口の売りが出て、急速に上昇幅を縮小する場面があった。

 午後に入ると日経平均株価は、上昇幅を縮小して前日比マイナス圏に転じる場面もあり、前日終値付近の狭いレンジでモミ合う展開となった。手掛かり材料難のうえに、外国為替市場で円が高止まりしたことやアジアの主要株式市場がやや軟調だったことも弱材料視された。日経平均株価、TOPIXともに、この日の安値圏で取引を終了した。

 東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄768(全体の46%)、値下がり銘柄745(全体の44%)だった。セクター別には、食品、小売、商社、陸運、空運、情報・通信、電気・ガスなどが堅調だった。一方で、石油・石炭、鉄鋼、非鉄金属、機械、自動車、精密、銀行、証券、不動産などが軟調だった。

 東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位のグリー(3632)の大幅上昇が目立った。また5位の伊藤忠商事(8005)、7位のディー・エヌ・エー(2432)、8位のソフトバンク(9984)、15位の三井物産(8031)、18位の日本たばこ産業(JT)(2914)が上昇した。

 一方では、2位の三菱UFJFG(8306)、3位のトヨタ自動車(7203)、4位のホンダ(7267)、6位のソニー(6758)、9位の日立製作所(6501)、10位のファナック(6954)、11位の三井住友FG(8316)、12位のみずほFG(8411)、13位の丸紅(8002)、14位のコマツ(6301)、16位のファーストリテイリング(9983)、17位の野村ホールディングス(8604)、19位の日産自動車(7201)、20位の三菱商事(8058)が下落した。

 外国為替市場で円が高止まりしたことに加えて、今晩のスペイン短期債入札や米インテルの1〜3月期決算発表を控えて、様子見ムードを強めた1日だった。

 月末の重要イベントや企業決算発表の本格化を控えて動きづらい状況に変化はなく、今晩の為替動向次第では明日も警戒感を強める可能性があり、当面は個別物色の展開が続きそうだ。

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