【日経平均株価、TOPIXともに続落】
■東証1部市場の売買代金は3営業日ぶりに1兆円を下回る
20日は下落した。日経平均株価は前日比27円02銭(0.28%)安の9561円36銭、TOPIXは前日比2.19ポイント(0.27%)安の811.94となり、いずれも続落した。週末要因に加えて、来週の重要イベントを控えて様子見ムードが強く、動意に乏しい展開だった。
日経平均株価の日中値幅は48円19銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で9686億円となり、前日の1兆43億円に比べて減少し、3営業日ぶりに1兆円を下回った。
前日19日の米国株式市場は下落した。ダウ工業株30種平均株価は前日比68ドル65セント(0.53%)安の1万2964ドル10セントと続落した。スペイン国債入札が無難に通過して過度な警戒感は後退したが、米新規失業保険申請件数や米3月中古住宅販売件数が市場予想に比べて弱い内容だったことを嫌気した。
S&P500株価指数は前日比0.59%安と続落、ナスダック総合株価指数は前日比0.79%安と続落した。米新規失業保険申請件数は38.6万件となり、前週改定値の38.8万件(38.0万件から上方修正)に比べて0.2万件減少したが市場予想よりも弱い内容だった。4週移動平均は37.475万件となり2週連続増加となった。米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は8.5となり、3月の12.5に比べて低下して市場予想も下回った。
米3月景気先行指数は前月比0.3%上昇となり、市場予想をやや上回ったが2月の同0.7%上昇に比べて低下した。米3月中古住宅販売件数は年率換算448万件となり、2月改定値の同460万件(同459万件から上方修正)に比べて減少して市場予想も下回った。
こうした流れを受けて、日経平均株価は前日比13円39銭安と小幅に売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き370万株の買い越し観測だった。前日の海外市場で為替はやや円安方向に傾いたが、米国株式市場が下落したことが弱材料視された。
寄り付き後の日経平均株価は動意に乏しく、前日比小幅安の水準でモミ合う展開だった。ただし午前の中盤以降になると徐々に下落幅を広げた。
午後に入っても手控えムードが強く、日経平均株価は9500円台半ばの狭いレンジでモミ合う展開が続いた。取引終了にかけては下落幅をやや縮小したが、売り買いともに手控えムードの強い展開だった。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄829(全体の50%)、値下がり銘柄672(全体の40%)だった。セクター別には海運の上昇が目立った。また機械、精密、卸売、その他金融、不動産、情報・通信などが堅調だった。一方で鉄鋼の下落が目立った。また自動車、銀行、証券、空運、電気・ガスなどが軟調だった。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、3位の明和産業(8103)、18位のオリンパス(7733)、25位のSUMCO(3436)の大幅上昇が目立った。また2位の日立製作所(6501)、6位のコマツ(6301)、7位の日産自動車(7201)、15位の丸紅(8002)、16位の商船三井(9104)、23位のソフトバンク(9984)が上昇した。
一方で、11位のJFEホールディングス(5411)の大幅下落が目立った。また1位のトヨタ自動車(7203)、4位の三菱UFJFG(8306)、5位のホンダ(7267)、8位の東芝(6502)、9位のファナック(6954)、10位のグリー(3632)、12位のソニー(6758)、13位の三井住友FG(8316)、14位のディー・エヌ・エー(2432)、17位のファーストリテイリング(9983)、19位の日本たばこ産業(JT)(2914)、20位のキヤノン(7751)が下落した。
19日のスペイン国債入札が無難に通過したとはいえ、来週は重要イベントとして、24日〜25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、27日の日銀金融政策決定会合、そして3月期の企業決算発表の本格化を控えているため、様子見ムードはやむを得ないだろう。
重要イベント通過までは、動きづらい状況に変化はなく、来週も個別物色の展開だろう。
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2012年04月20日