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2012年04月21日

【外国為替市場を検証:ドル・円相場】日米の重要イベント控えて小動き

【外国為替市場フラッシュ:4月16日〜20日のドル・円相場】

■1ドル=80円30銭台〜81円70銭台で推移

 4月16日〜20日のドル・円相場は、概ね1ドル=80円30銭台〜81円70銭台のレンジで推移し、週末20日の海外市場で終盤は1ドル=81円50銭近辺だった。

 週前半には、スペイン国債利回り上昇でリスク回避のドル売り・円買いが優勢となり、1ドル=80円30銭台に円が上昇する場面があった。しかし17日のスペイン短期債入札、19日のスペイン10年債入札をいずれも無難に通過したため、警戒感が後退して週後半には1ドル=81円台後半に円が下落した。ただし大勢としては来週の重要イベントを控えて様子見ムードが強く、小動きの1週間だった。

 ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末13日の海外市場では概ね1ドル=80円80銭近辺〜81円10銭近辺で推移した。スペインの金融機関がECB(欧州中央銀行)から3月に借り入れた資金が2月比で急増したことを受けてスペイン国債利回りが上昇したため、リスク回避のドル売り・円買いが優勢になる場面もあった。しかし概ね小動きでモミ合う展開だった。終盤は1ドル=80円90銭近辺だった。

 この流れを受けて週初16日の東京市場では、概ね1ドル=80円40銭台〜81円00銭台で推移した。午前は1ドル=80円90銭近辺のレンジで小動きだったが、午後は徐々にドル売り・円買いが優勢になった。14日に中国人民銀行が人民元の米ドルに対する1日の変動幅を上下1.0%に拡大すると発表したことに対する反応は限定的だった。終盤は1ドル=80円50銭台だった。16日の海外市場では概ね1ドル=80円30銭近辺〜80銭近辺で推移した。米3月小売売上高を好感してドル買い・円売りが優勢になる場面もあったが、その後はユーロ圏債務危機問題に対する警戒感や米金利低下などでドル売り・円買いが優勢になった。終盤は1ドル=80円40銭近辺だった。

 17日の東京市場では概ね1ドル=80円30銭台〜50銭台で推移した。スペイン短期債入札や米インテルの決算発表などを控えて小動きだった。終盤は1ドル=80円50銭台だった。17日の海外市場では概ね1ドル=80円50銭台〜90銭台で推移した。スペイン短期債入札では落札利回りが前回を上回ったが調達額が目標額を上回り国債利回りが低下した。独4月ZEW景気期待指数が市場予想を上回ったこともあり警戒感が和らいだ。米3月住宅着工件数が市場予想を下回ったことでドル買いの動きも限定的だったが、終盤にかけてドル買い・円売りが優勢になった。終盤は1ドル=80円80銭〜90銭近辺だった。

 18日の東京市場では概ね1ドル=80円80銭台〜81円40銭台で推移した。リスク回避姿勢の後退に加えて、日銀の西村副総裁の発言などで追加緩和観測が強まりドル買い・円売りが優勢だった。終盤は1ドル=81円30銭台だった。18日の海外市場では概ね1ドル=81円20銭台〜50銭台で推移した。日銀の追加緩和観測でドル買い・円安が優勢になる場面もあったが、19日の日本3月貿易統計やスペイン国債入札を控えて様子見ムードが強く小動きだった。終盤は1ドル=81円20銭〜30銭近辺だった。

 19日の東京市場では概ね1ドル=81円10銭台〜50銭台で推移した。日本の3月貿易収支は826億円の赤字だったが、赤字額が市場予想を下回ったため一時的に円高方向に傾く場面があった。しかし反応は一時的で、その後は日銀の追加緩和観測などでドル買い・円売りがやや優勢になった。午後になるとモミ合う展開となり終盤は1ドル=81円40銭台だった。19日の海外市場では概ね1ドル=81円40銭台〜70銭台で推移した。スペイン国債入札では目標額を上回る25.4億ユーロを調達して無難に通過したため警戒感が後退した。ただし反応は限定的で、米新規失業保険申請件数や米3月中古住宅販売件数が市場予想に比べて弱い内容だったためドル売りが優勢になる場面もあった。終盤は1ドル=81円60銭近辺だった。

 20日の東京市場では概ね1ドル=81円50銭台〜70銭台で推移した。来週の重要イベントを控えて様子見ムードが強く小動きだった。終盤は1ドル=81円60銭近辺だった。20日の海外市場では概ね1ドル=81円50銭台〜70銭台で推移した。日銀の追加緩和観測や米国株式市場の上昇を受けてドル買い・円売りが優勢になる場面もあったが、来週の重要イベントを控えて概ね小動きだった。終盤は1ドル=81円50銭近辺だった。

 ドル・円相場に関しては、週前半はスペイン国債利回り上昇に対する警戒感でリスク回避のドル売り・円買い、週後半は警戒感が後退してドル買い・円売りが優勢の形となったが、大勢としては来週の米FOMC(連邦公開市場委員会)、日銀金融政策決定会合を控えて動きづらく、概ね小幅レンジでモミ合う展開だった。

 24日〜25日の米FOMCでは現状維持、27日の日銀金融政策決定会合では資産買い入れ基金の5〜10兆円規模の増額というのが市場のコンセンサスとなっているため、サプライズは期待薄かもしれない。

 来週以降の注目スケジュールとしては、4月23日のEU加盟国の2011年の公的債務・財政赤字統計、25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明と経済見通し発表、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の会見、27日の日銀金融政策決定会合および4月展望リポート(経済・物価情勢の展望)公表、米第1四半期GDP速報値、30日の日米首脳会談、5月1日の豪中銀理事会(金利発表)、2日のEU財務相会合、3日のECB理事会(金利発表とドラギ総裁の記者会見)、4日の米4月雇用統計、6日の仏大統領選決選投票、ギリシャ総選挙などがあるだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 17:01 | 市況・概況