★日経平均株価、TOPIXともに3週連続の下落

日経平均株価、TOPIXともに、週央の18日には前日比2%を超える大幅上昇となったが、大勢としては特段の好材料が見当たらず、来週以降の重要イベントや3月期企業決算発表の本格化を控えて、様子見ムードの強い展開だった。東証1部市場の売買代金も16日、17日、20日が1兆円割れと低水準だった。
世界の主要国・地域の今週の動向を整理してみよう。
米国の主要経済指標は全体的にやや低調な内容だった。前週末13日には、米3月CPI(消費者物価指数)で総合指数が前月比0.3%上昇となり、2月の同0.4%上昇に比べてやや鈍化して市場予想と同水準だった。食品とエネルギーを除くコア指数は同0.2%上昇となり、2月の同0.1%上昇に比べてやや加速したが市場予想と同水準だった。米4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は75.7となり、3月確報値の76.2に比べて低下し市場予想も下回った。
16日には、米3月小売売上高が前月比0.8%増加となり、2月改定値の同1.0%増加(同1.1%増加から下方修正)に比べて鈍化したが市場予想を上回った。米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数は6.56となり、3月の20.21に比べて低下し市場予想も下回った。米4月住宅市場指数は25となり、3月の28に比べて低下し市場予想も下回った。17日には、米3月住宅着工件数が年率換算65.4万件となり、2月改定値の同69.4万件(同69.8万件から下方修正)に比べて減少し市場予想も下回った。建設許可件数は同74.7万件となり、2月改定値の同71.5万件(同71.7万件から下方修正)に比べて増加し市場予想も上回った。米3月鉱工業生産は2月に続いて前月比横ばいとなり市場予想を下回った。
19日には、米新規失業保険申請件数が38.6万件となり、前週改定値の38.8万件(38.0万件から上方修正)に比べて0.2万件減少したが、市場予想よりも弱い内容だった。4週移動平均は37.475万件となり2週連続増加となった。米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は8.5となり、3月の12.5に比べて低下し市場予想も下回った。米3月景気先行指数は前月比0.3%上昇となり、市場予想をやや上回ったが2月の同0.7%上昇に比べて低下した。米3月中古住宅販売件数は年率換算448万件となり、2月改定値の同460万件(同459万件から上方修正)に比べて減少し市場予想も下回った。
ユーロ圏に関しては、スペインの国債利回りの動向に関心が集中した。16日には、スペインの12年第1四半期GDPが11年第4四半期と同程度のマイナス成長(前期比マイナス0.3%)になるとの経済相の発言を受けて警戒感が強まり、スペイン国債利回りが6%台に上昇した。17日には、スペイン短期債入札で落札利回りが前回を上回ったが、調達額が目標額を上回ったため警戒感が和らぎ国債利回りがやや低下した。独4月ZEW景気期待指数が5カ月連続で上昇して市場予想を上回ったことも好感された。19日には、スペイン10年債入札で目標額を上回る25.4億ユーロを調達した。無難に通過したため警戒感がやや後退した。
中国に関しては、14日に中国人民銀行が、人民元の米ドルに対する1日の変動幅を上下1.0%に拡大すると発表した。ただし市場の反応は限定的だった。
日本に関しては、19日に発表された3月貿易収支が826億円の赤字だった。赤字額が市場予想を下回ったため、外国為替市場では一時的に円高方向に傾く場面があった。
外国為替市場では、ドル・円相場、ユーロ・相場ともに、19日のスペイン10年債入札を無難に通過したことなどで、週後半にやや円安方向に傾いた。ただし22日の仏大統領選、24日〜25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、27日の日銀金融政策決定会合などの重要イベントを控えて様子見ムードが強く、全体としては小動きの1週間だった。週末20日の海外市場では、終盤は1ドル=81円50銭近辺、1ユーロ=107円80銭近辺だった。
テクニカル面で見ると、日経平均株価(20日時点の9561円36銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同9841円82銭)に対してはマイナス2.84%となり、マイナス乖離幅がやや縮小した。また75日移動平均線(同9377円99銭)に対しては1.95%、200日移動平均線(同9089円24銭)に対しては5.19%となり、いずれもプラス乖離幅を縮小した。なお、東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は20日時点で77.0%に低下した。
日経平均株価の終値ベースでの騰落状況を見ると、16日は前日比167円35銭(1.74%)安と3営業日ぶり大幅反落、17日は前日比5円93銭(0.06%)安と小幅続落、18日は前日比202円55銭(2.14%)高と3営業日ぶり大幅反発、19日は前日比78円88銭(0.82%)安と反落、20日は前日比27円02銭(0.28%)安と続落した。日中値幅は16日が68円42銭、17日が64円48銭、18日が88円58銭、19日が52円10銭、20日が48円19銭だった。
日経平均株価の週末20日の終値は9561円36銭となり、前週末13日の終値9637円99銭に比べて76円63銭(0.80%)下落した。週間ベースでは3週連続の下落となった。取引時間中ベースの週間高値は18日の9682円88銭、週間安値は17日の9455円32銭、1週間の取引時間中の値幅は227円56銭だった。
TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末20日の終値は811.94で、前週末13日の終値815.48に比べて3.54ポイント(0.44%)下落し、週間ベースで3週連続の下落となった。取引時間中ベースの週間高値は18日の820.42、週間安値は17日の802.72だった。週末20日時点のNT倍率は11.78倍となり、前週末13日時点の11.82倍に比べて0.04ポイント低下した。
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